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中国で業界特化型AIモデルが次々と誕生

2024年04月17日

 AI(人工知能)がコードを生成することで、意思の疎通がぎこちなかったAIカスタマーサービスが次第に使いやすくなり、開発に時間と労力を必要としていたAIコントローラーが不要になるなど、AIの大規模モデルが今、さまざまな業界に進出している。また、ITや工業生産、金融、サービス・マーケティングといった業界に特化したAIモデルも次々誕生している。人民網が伝えた。

「通義霊碼」がコード生成をサポート

 AIモデルは、コードを生成したり、ライブコマースを行ったり、人と意思の疎通を図ったりすることができる。阿里雲(アリクラウド)は最近、プログラミングAIモデル「通義霊碼」(トンイーリンマー)がコード生成やコード説明、バグチェック、コード最適化などで開発者を支援するAIプログラミングを進めていると明らかにした。さらに「通義霊碼」に社員番号「AI001」を振り分けたという。

 阿里雲の関係者は「今後、当社のコードの20%は『通義霊碼』が生成するようになる。研究開発の中心となるのは依然としてプログラマーだが、彼らは今後、システム設計や主要事業の開発により多くの時間を費やすようになるだろう」との見方を示している。

 これまでは、プログラマーが毎日、コード生成を繰り返し、さらにテストと最適化、生成コードへの注釈追加といった作業を行うのが開発のスタイルだった。プログラマーはこうした作業に大量の労力と時間を使う必要があり、それを主な業務としていた。しかし、阿里雲では「通義霊碼」がすでに各プロセスにおいて、開発者を支援する役割を果たしている。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を開発する際のテストを例にすると、プログラマーの場合、数十分を要するテストコードの生成を、「通義霊碼」は数秒で完成させることができ、テストコード生成に必要な作業量を70%以上減らすことができる。

 AIプログラミングツールは現在、プログラミング言語の境界線を打破し、プログラマーが各種プログラミング言語のコード生成を簡単に行うことができるようになっている。「通義霊碼」はすでにJavaやPython、JavaScriptといった200種類以上のプログラミング言語を把握しており、それらが生成したコードはプログラマーによって1日当たり数百万行利用されている。

特化型AIモデルが次々誕生

 デジタルヒューマンがライブコマースを行うと、人間が行う場合と比べてコストを85%カットすることができる。これまでならカスタマーサポートセンターのAIアシスタントとチャットをしても、意思の疎通がうまくいかず、スタッフに切り替えてもらわなければならないというケースも多かった。しかし、今ではAIアシスタントが問題の90%を解決できるようになったという。文字を一言打ち込むと、AIはポスターやスクリプト言語、動画を生成し、2次加工までしてくれる。中国インターネット検索大手の百度のクラウドサービス「百度智能雲」は、大規模モデルを応用した製品の発表会を行い、大規模モデルをベースにしてさまざまなシーンに特化したAIモデルをまとめて発表した。

 金融や工業分野を見ると、大規模モデルは企業の効率アップに大きく貢献している。「馬上消費」の孫磊副総経理は、「金融業は知識集約型業界に属する。産業革命の恩恵を受けることはあまりなかったものの、AI時代は多くの恩恵を受けることができるだろう」と述べ、昨年8月に打ち出した金融に特化したAIモデル「天鏡」を例に挙げ、「『天鏡』を採用してから、当社のマーケティング業績は30%以上向上した」と説明した。

特化型AIモデルの分野が「ブルー・オーシャン」に

 AIモデル産業は大きな発展を遂げているが、そこに参入するとどんなチャンスがあり、参入したい起業家はどんな課題を乗り越える必要があるのだろうか?

 360集団の創始者、周鴻禕氏は、このほど行われたAIをテーマにしたフォーラムで「資金や技術の蓄積が十分でない起業家は、汎用的な大規模モデルには参入しないほうがいいだろう。理想だけでは成功できない」と指摘し、「現時点で、汎用的な大規模モデルは、中国では主に文章作成や画像作成などに応用されている。これはまだ浅い段階だ。一つのシーンに深く入り込み、ユーザー主導の1つの業界に特化したAIモデルが今年、爆発的に成長するだろう」との見方を示した。

 金沙江創業投資基金の朱嘯虎マネージング・パートナーは「起業家が汎用的な大規模モデルを利用してもあまり意味がない。それよりも、ユーザーやシーン、データを取得することに力を入れるほうが価値がある」との見方を示した。朱氏は以前、中国の汎用的な大規模モデルを専門とする会社のビジネススタイルについて「はっきりとした商業化のルートやデータによるサポートが不足している会社が多い。投資家は一層慎重になっており、ビジネススタイルが明確ではないAI系会社をサポートすることを避けている」と指摘している。

 北京同為私募基金管理の創始者である周偉最高経営責任者(CEO)もこのほど開かれた大規模モデルをテーマにしたイベントで、「1つの業界に特化したAIモデルのほうが生き残りやすい。当社は、主力となっているスタッフや多くの資金をそうした特化型のAIモデルに集中的に投入している」と語っていた。

 
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