中国北京市で21日、世界初となる月の高画質地質画像集が発表された。画像集は中国の科学研究チームが作成したもので、主に嫦娥プロジェクトの科学探査データに基づいている。縮尺は250万分の1で、最も精度が高い月全体の地質画像集となる。新華社が伝えた。
月面クレーターの形はどうなっているのか? 月にどのような岩石と鉱産物があるのか? 月にはどのような地質活動があったのか? この画像集ではこれらを直観的に見ることができる。
中国科学院地球化学研究所の劉建忠研究員は「月の地質画像は月表層の地質構造やマグマ活動、鉱産物分布などの情報を総合的に示すもので、人類の月観測や研究成果を集中的かつ直観的に示すことができ、人々の月への認識を深めるのに役立つ。また月の科学研究・探査、さらには月面基地建設にも力強いサポートを提供する」と説明した。
世界で長期間にわたり使用されてきた月の地質画像は、主に米アポロ計画で得られたデータと資料に基づいている。国際的な月探査・研究の発展が加速するのに伴い、これらの月の地質図は明らかに遅れている。
劉氏は「これらの地質画像のうち精度が高いのは一部だけで、月全体をカバーするのは縮尺500万分の1のものしかない。これらの月の地質画像は作成された年代が古く、人類のここ数十年の最新研究成果が十分に反映されていない」と語った。
このため、中国の月探査初代首席科学者の欧陽自遠院士(アカデミー会員)は2012年に、新たな月地質図作成の構想を打ち出した。
その後、中国科学院地球化学研究所や吉林大学、山東大学など複数の機関の科学研究者で構成されるチームが十数年にわたる努力を経て、今回の画像集を作成した。
画像集には月全体の地質図(メイン画像)、月全体の岩石タイプ分布図、月の構造概要図、そして30の月の標準地質図が含まれる。
メイン画像では、月全体の1万2341個のクレーター、81カ所の衝突盆地を見ることができ、17種の岩石タイプ、14種の構造を識別できる。人類探査機の着陸地点や特別標高点などの要素も示されている。