第18期三中全会「決定」(全訳)
トップ  > 政策>  国家政策 >  第18期三中全会「決定」(全訳) >  5.財政・税務体制改革の深化

5.財政・税務体制改革の深化

(17)予算管理制度の改善

 全面的規範化が可能なオープンで透明な予算制度を実施する。予算審査の重点を均衡状態や赤字規模から支出予算と政策へと広げる。重点支出が財政収支の増幅あるいは生産総額とリンクされている事項を整理・規 範化し、リンク方式は一般的には取らないものとする。年度をまたぐ予算均衡のメカニズムを設け、債権・債務の発生による政府総合財務報告制度を構築し、規範的で合理的な中央・地方政府の債務管理とリスク予測・警 告の仕組みを作る。

 一般移転支払の増額の仕組みを改善し、革命区や民族地区、辺境地区、貧困地区に対する移転支払を増加させる。中央による支払増加政策によって形成された地方財源の不足については、原 則的に一般移転支払を通じて調節する。特定移転支払項目を整理・統合・規範化し、競争分野の特定項目と地方資金による補助を徐々に取り消し、誘導・救済・緊急などの特定項目を厳しく管理し、残 された特定項目についても調査を行い、地方事務に属するものは一般移転支払に割り振る。

(18)税収制度を改善する。税収制度改革を深化させ、地方税体系を整備し、直接税の比重を一歩ずつ高める。付加価値税の改革を推進し、税率を適切に簡素化する。消費税課税の範囲・段階・税率を調整し、高 エネルギー消費・高汚染の製品や一部の高級商品を徴税対象とする。総合と分類が結合した個人所得税制を一歩ずつ構築する。不動産税の立法を加速し、早急に改革を推進する。資源税改革を加速し、環 境保護費の税への転換を進める。

 統一的な税制、公平な税負担、公平な競争の促進という原則に基づき、税収優恵とりわけ地域税収優恵政策に対する規範的管理を強化する。税収優恵政策は、専門の税収法律・法 規によって統一的に規定するものとし、税収優恵政策の整理と規範化を進める。国税と地方税の徴収管理体制を改善する。

(19)権限と支出責任との合致した制度を構築する。中央の権限と支出責任とを適切に強化し、国防や外交、国家の安全、全国統一市場の規則や管理に関する事柄に関しては、中央の権限とする。一 部の社会保障と、地域をまたぐ重大プロジェクトの建設や維持などは、中央と地方とが共同で権限を持つものとし、権限の関係を一歩ずつ整理する。地域性公共サービスは地方の権限とする。中央と地方は、権 限の区分に応じて、支出責任を負担・分担する。中央は、移転支払いを通じて、一部の権限支出責任を地方負担に委託することができるものとする。地域をまたぎ、そ の他の地区にも大きな影響を与える公共サービスに対しては、中央は、移転支払いを通じて一部分の地方権限支出責任を負担するものとする。

 現在の中央と地方の財政状況の総体的安定を維持しながら、税制改革と併せ、税種の属性を考慮し、中央と地方の収入区分をさらに整理する。