第18期三中全会「決定」(全訳)
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10.権力の制約監督体系の強化

 権力・案件・人員を制度で管理し、国民に権力を監督させ、権力が正しく用いられるようにすることは、権力を制度によって制限する根本策である。科学的な決定と断固とした実行、効 果的な監督を可能とする権力運用体系を構築し、腐敗を処罰し予防するための体系を整備し、クリーンな政治を実現し、幹部・政府・政治の浄化に努めなければならない。

(35)科学的で効果的な権力の制約と協調の仕組みを形成する。党と国家の指導体制を改善し、民主集中制を堅持し、党の指導という核心的な役割を十分に発揮する。各級党・政 府の主要指導幹部の役割や権限を規範化し、党・政府の部門と内部機構の権力と役割を科学的に配置し、職責の位置付けと活動、任務を明確化する。

 主要指導幹部の権力行使に対する制約と監督を強化・改善し、行政監察と監査監督を強化する。

 地方各級政府とその業務部門の権力リスト制度を推進し、権力の運用のプロセスを法に基づいて公開する。党務や政務、各分野の業務の公開制度を整備し、政策決定の公開、管理の公開、サービスの公開、結 果の公開を推進する。

(36)反腐敗のための体制・仕組みの革新と制度的保障を強化する。党風浄化と反腐敗の事業に対する党の統一指導を強化する。党の規律検査体制を改革し、反腐敗の指導体制と活動の仕組みを整備し、各 級の反腐敗協調グループの機能を改革・改善する。

 党風の浄化に責任制を導入し、党委員会が中心的責任を負い、紀律委員会が監督責任を負い、現実的で実行可能な責任追及制度を制定・実施する。各級の紀律委員会は、党 委員会による党風浄化への協力や反腐敗事業の調整という職責を履行し、同級の党委員会とりわけ常務委員会の構成員に対する監督を強化し、党内の監督専門機関の役割をよりよく発揮しなければならない。

 党の規律検査業務の二重指導体制の具体化・プロセス化・制度化を進め、上級の紀律委員会の下級の紀律委員会に対する指導を強化する。腐敗案件の調査・処理は、上級の紀律委員会による指導を中心とし、汚 職情報の処理と案件の調査・処理は、同級の党委員会に報告すると同時に、上級の紀律委員会にも報告しなければならない。各級の紀律委員会の書記と副書記の候補者選びと審査は、上 級紀律委員会と組織部門を中心とする。

 中央紀律委員会から中央一級の党と国家機関への紀律検査機構の設置を全面的に実施し、名称の統一と管理の統一を実行する。派遣機構は派遣された機関に対して監督の職責を負う。中 央と省区市の巡視制度を改良し、地方・部門・企業・事業単位に対する全カバーを実現する。

 反腐倡廉(腐敗への反対とクリーンな政治への呼びかけ)のための法規・制度の体系を整備し、腐敗の処罰・予防、汚職のリスクの制御、利益の衝突の防止、指導幹部による個人状況報告、血 縁関係にある者の同部門内への就任回避などの法律・法規を整備し、新就任の指導幹部の関連状況公開制度の試行を進める。民主的な監督、法律による監督、世論による監督の仕組みを整備し、イ ンターネットの監督作用を活用・規範化する。

(37)規範的行動を常態化する制度を整備・改良する。形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢趣味に反対し、体制・仕組みの改革と建設を加速する。指導幹部が先頭となって態度を改め、基 層にまで調査を加えるための仕組みを整備し、大衆に直接関係・奉仕する制度を整備する。会議や文書に関する制度を改革し、会議や文書を中央が先頭となって減少させ、会議や文書の偏重を改める。厳格な財務予算・審 査・認可・監査の制度を整備し、「三公」(公費を使った交通や飲食、旅行)経費の支出や「楼堂館所」(公用の高級施設)の建設の抑制に取り組む。人員の選抜や採用の専門検査と責任追及の制度を改善し、賄 賂や脅しによる官職の取得などの不正の防止に取り組む。行政実績の審査の仕組みを改革し、現地の状況を顧みない実績作りのためのプロジェクトや無作為、悪政などの問題を解決する

 指導幹部の業務・生活保障制度を規範的かつ厳格に実施し、住宅と事務所の複数占有を禁止し、基準を超えた事務所と生活用住宅の配備を禁止し、規則に違反した公用車の配備を禁止し、規 則に違反した秘書の配置を禁止し、規格を超えた警備を禁止し、基準を超えた公務接待を禁止し、規定に違反し基準を超えた待遇の享受などの問題を厳しく取り締まる。官邸制の実施を検討する。

 指導幹部の親族によるビジネス経営や公職や社会組織への就任、海外への移住などにかかわる制度・規定を整備し、厳しく実行し、指 導幹部が公共の権力または自身の影響力を利用して親族やそのほかの関係者に便宜をはかることを防止し、特権を肯定する思想や態度に断固として反対する。