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二、憲法を核心とした中国の特色ある社会主義法律体系を整備し、憲法の実施を強化する

 法律は国家統治の重要な道具であり、良い法律は善い政治の前提となる。中国の特色ある社会主義法治体系を構築するには、立法を先行させることを堅持し、指導と推進という立法の働きを重んじ、立法の質を向上させる必要がある。「人民が基本であり、立法は人民のためにある」という理念を守り、社会主義の核心的価値観を貫き、すべての立法が「憲法の精神に符合し、人民の意志を反映し、人民の支持を受ける」ものとなるよう努力する。「公正、公平、公開」の原則を立法の全プロセスに貫かせ、立法の体制や仕組みを整え、法律の制定・修正・廃止・解釈を同時に推進し、法律や法規の即効性・系統性・対象性・効果を高める必要がある。

(一)憲法の実施と監督の制度を整備する。憲法は、党と人民の意志の集中的な体現であり、科学的で民主的なプロセスによって形成された根本法である。法による国家統治の堅持には、憲法による国家統治の堅持がまず必要となり、法による執政の堅持には、憲法による執政の堅持がまず必要となる。全国各民族の人民とあらゆる国家機関・武力・各政党・各社会団体・各企業・事業組織は、憲法を根本的なルールとして、憲法の尊厳を守り、憲法の実施を支持する責任を負っている。憲法に反するあらゆる行為はこれを追及し、是正しなければならない。

 全国人民代表大会及びその常務委員会による憲法監視制度を改善し、憲法解釈の方式を整える。記録・審査制度を強化し、あらゆる規範文書を記録・審査対象とし、憲法や法律に反する規範文書を法律に基づいて廃止・修正し、立法の性質を有する文書の地方による制定・発行を禁止する。

 毎年12月4日を国家憲法日と定める。社会全体で憲法教育を展開し、憲法精神を広める。憲法宣誓制度を設立し、人民代表大会及びその常務委員会に選出または任命された国家職員は就任時、憲法への宣誓を公開で行う。

(二)立法体制を整備する。立法への党の指導を強め、立法業務における重大問題に対する党の決定プロセスを修正する。重大な体制や政策の調整にかかわる場合は、党中央に報告して討論で決定する。党中央が全国人民代表大会に憲法修正の提案を提出し、憲法が規定するプロセスで憲法修正を行う。法律の制定・修正は重大問題として全国人民代表大会常務委員会の党組が党中央に報告する。

 立法権を持つ人民代表大会が立法を主導する体制や仕組みを整え、立法業務における人民代表大会とその常務委員会の主導的作用を発揮させる。全人代の関連専門委員会と全人代常務委員会の法制事業委員会が関連部門を組織し、総合的・全局的・基礎的な重要法案の起草に参加する制度を構築する。法治の実践経験を持つ専門常務委員の比率を高める。専門委員会や事業委員会の立法専門家顧問制度を法律に基づいて設立・整備する。

 政府の立法制度建設を強化・向上し、行政法規や規則の制定プロセスを整え、政府の立法に市民が参加する制度を整える。重要な行政管理のための法律・法規は、政府法制機構が起草を組織する。

 立法と権力の境界をはっきりさせ、体制の改革と業務プロセスを通じて、部門の利益と地方の保護主義の法制化を防ぐ。部門間で異議のある重要な立法事項に対しては、政策決定機関が第三者による評価を取り入れ、各方面の意見を十分に聴取し、協調して決定することとし、長引かせてはならない。法律解釈の業務を強化し、法律の規定する含意や適用される法律根拠をすばやく明確化させる。地方の立法権限と範囲をはっきりさせ、区を設けている市に対して、地方立法権を法に基づいて与える。

(三)科学的な立法と民主的な立法をさらに推進する。立法業務に対する全国人民代表大会の組織と協調を強化し、立法の起草・論証・協調・審議の制度を整備し、下級人民代表大会に対する立法意見募集制度を整備し、基層部における立法連絡所制度を設立し、立法の精度を高める。法律・法規・規則の起草における人民代表大会代表の意見募集制度を整備し、人民代表大会の常務委員会会議に出席する人民代表の人数を増やし、法律の起草・修正に参加する人民代表の作用をさらに発揮させる。立法項目の募集と論証の制度を改善する。立法機関が主導し、社会の各方面が秩序よく立法に参加する手段と方式を整える。法律・法規の草案起草の第三者への委託を検討する。

 立法機関と社会の公衆との疎通をはかる制度を整備し、立法の合議制度を展開し、政治協商委員や民主党派、工商業連合会、無党派層、人民団体、社会組織の立法合議における作用をよりよく発揮させる。関連する国家機関・社会団体・専門家・研究者などによる立法関連の重大な利益に対する調整・論証・相談の制度の設立を検討する。国民が立法に参加する手段を広げ、法律・法規・規則の草案公開意見募集と公衆の意見の採用状況を還元する制度を整え、社会の幅広い共通認識を形成する。

 法律草案の表決プロセスを整え、重要な条項については単独で表決できるものとする。

(四)重点分野での立法を強化する。法に基づいて公民の権利を保障し、権利・機会・規則の公平を体現する法律制度の形成を急ぎ、公民の人身権や財産権、基本的政治権利などの各権利が侵されないことを保障し、経済・文化・社会など各方面での公民権の実現を保障し、権利保障の法治化を実現する。社会全体の人権の尊重と保障の意識を高め、公民の権利救済の手段と方式を整える。

 社会主義市場経済の本質は法治経済である。資源配置における決定的な役割を市場に負わせ、政府の作用を十分に発揮させるには、「財産権保護/契約の保護/市場の統一/対価交換/公平競争/有効な監督管理」を基本方向として、社会主義市場経済の法律制度を整えることが求められる。公平を核心原則とした財産権保護制度を整え、各種所有制経済組織と自然人の財産権保護を強化し、公平に背く法律・法規・条項を整理する。各種の公有制に応じた財産権の保護制度を改め、国有・集団所有資産の所有権・経営権と各種企業法人の財産権の保護を強める。法人財産権を持つ企業が法律に基づいて行う自主経営と自己採算を国家は保護する。企業は、法律的な根拠のない組織・個人のいかなる要求も拒絶する権利を持つ。企業の社会的責任を促す立法を強化する。革新を奨励する財産権制度や知的財産権保護制度、科学技術成果移転促進制度を整える。市場の法制度建設を強化し、民法典の編制を進め、発展計画・投資管理・土地管理・エネルギー・鉱物資源・農業・財政税収・金融などの法律や法規の制定・整備を進め、商品と生産要素の自由な移動や公正な取引、平等な使用を促す。マクロ調整や市場監督を法律に基づいて強化・改善し、独占に反対し、合理的競争を促進し、公平競争という市場の秩序を守る。軍隊と民間の融合を支える法治の保障を強化する。

 制度化・規範化・程序化は、社会主義民主政治の根本的保障である。「人民が主人となる」ことの保障を核心として、人民代表大会制度を堅持・改良し、中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度、民族地域自治制度、基層大衆自治制度を堅持・改良し、社会主義民主政治の法治化を推進する。社会主義協商民主制度の建設を強化し、協商民主の幅広く多層的な制度化発展を推進し、手続きの合理化や要点が整理された完全な協商民主体系を構築する。基層民主制度を整備・発展させ、基層の民主と産業の自律を法律に基づいて推進し、自律的な管理・サービス・教育・監督を進める。国家機構組織法を整え、選挙制度と実施の仕組みを整える。腐敗撲滅のための国家レベルでの立法推進を速め、腐敗の懲罰と予防の体系を整え、「腐敗をさせない/腐敗ができない/腐敗をしたくない」制度を形成し、腐敗現象を必ず抑制・予防する。汚職や賄賂を罰する犯罪法律制度を整備し、賄賂の犯罪対象を財産からその他の「財産性利益」に拡大する。

 社会主義先進文化という方向性を堅持し、文化発展の法則に配慮し、文化創造の活力を引き出し、人々の基本的な文化権を保障する、文化面での法律制度を構築・整備する。「公共文化サービス保障法」を制定し、基本的公共文化サービスを標準化・均等化する。「文化産業促進法」を制定し、効果のある文化・経済政策を法制化し、社会的利益と経済的利益のしっかりした結びつきを促す制度規範を整える。国家勲章・国家栄誉称号法を制定し、貢献の大きな人士を積極的に称える。インターネット分野での立法を強化し、ネットワーク情報サービスやネットワーク安全保護、ネットワーク社会管理などの法律・法規を整え、ネットワーク関連の行為を法に基づいて規範化する。

 国民生活を保障・改善し、社会統治体制の革新を推進する法律制度の建設を加速する。公共サービスを法に基づいて強化・規範化し、教育や就業、所得分配、社会保障、医療衛生、食品安全、貧困者支援、慈善、社会救済、婦女・児童・高齢者・障害者の権益保護などでの法律・法規を整備する。社会組織の立法を強化し、各種の社会組織の健全な発展を規範化・指導する。「社区(コミュニティ)矯正法」を制定する。

 総体的な国家安全観の実現を貫徹し、国家の安全保障のための法治建設を急ぎ、反テロなど緊急を要する法律をただちに制定し、公共安全の法治化を進め、国家安全法律制度体系を構築する。

 厳格な法律制度を通じて生態環境を守る。開発行為を抑制し、グリーン(緑色)発展や循環発展、低炭素発展を促すエコ文明法律制度の構築を急ぎ、環境保護における生産者の法的責任を強化し、法律違反のコストを引き上げる。自然資源の財産権の法律制度を構築・整備し、国土空間の開発・保護の面での法律制度を改善し、生態補償や土壌・水・大気汚染の対策・防止、海洋生態環境保護などの法律・法規を制定・整備し、エコ文明の建設を促進する。

 立法と改革政策との連結を実現し、重大な改革に法的根拠を持たせ、改革と経済社会発展の必要性に立法が自ら適応できるようにする。実践によって効果が確かめられたものはすばやく法律化する。実践の条件が整わず先行テストが必要なものは、法律で定められたプロセスに基づいて権限を与える。改革の要求に符合しない法律・法規は、すみやかに修正・廃止する。


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