第18期四中全会「決定」
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三、法による行政をさらに推進し、法治政府の建設を加速する

 法律の生命力は実施にあり、法律の権威も実施にある。各級政府は、党の指導の下、法治の軌道上で活動し、法執行体制を刷新し、法執行プロセスを改善し、総合的な法執行を進め、法執行の責任を厳しくし、「権限と責任が統一した/権威ある/効率的な/法による」行政体制を構築しなければならない。「合理的な働きを持ち/権限と責任が法で定められた/厳正な法執行を行う/公開で公正な/クリーンで効率的な/法律と信頼を守る」法治政府の建設を加速する必要がある。

(一)政府の働きを法に基づいて全面的に履行する。行政組織と行政プロセスに関する法律制度を整え、機構・職務機能・権限・プロセス・責任の法定化を推進する。行政機関は、法で定められた職責を必ず果たし、法で定められていない権限は行使せず、意を決し責任を負い、敢然と任務に当たり、不作為や不適切な作為を是正し、政治の怠慢を克服し、不作為や汚職を厳しく罰する必要がある。行政機関は、法の外に権力を設けてはならず、公民や法人、その他の組織の合法的な権益を損なったり、その義務を増やしたりする決定を法律・法規の根拠なしに下してはならない。政府の権力内訳表(権力清単)制度を実施し、権力を乱用した利益追求の余地をなくす必要がある。

 各級政府の職権の規範化・法律化を推進し、異なるレベルの政府とりわけ中央・地方政府の職権についての法律制度を整備し、中央政府のマクロ管理や制度設定の職責、必要な法執行権を強化し、省級政府の地域内の基本的な公共サービスの均等化を統一推進する職責を強化し、市・県政府の行政上の職責を強化する。

(二)法による政策決定の仕組みを整備する。「公衆の参与/専門家の論証/リスク評価/合法性の審査/集団による討論決定」を重大な行政上の政策決定の法定プロセスとして確定し、政策決定制度の科学性、手続きの正当性、過程の公開性、責任の明確性を確保する。行政機関内部の重大な政策決定における合法性の審査制度を構築し、合法性が審査を経ていないまたは審査で合法でないとされたものは、討論に回してはならないものとする。

 政府の法律顧問制度を積極的に推進し、政府の法制機構の人員を主体として専門家や法律家が参加する法律顧問チームを設立し、重大な行政政策の制定や法による行政の推進において法律顧問が積極的な役割を果たすことを確保する。

 重大な政策決定における終身責任追及制度と責任遡及制度を構築し、政策決定に重大な錯誤があった場合や、法に基づいてすぐに対応すべき決定を長引かせたことにより重大な損失や悪質な影響が起こった場合、行政の首長や責任あるその他の指導者、関連する責任者の法的責任を厳しく追及する。

(三)行政法執行体制改革を深化する。各級政府の職権と職能に応じて、「階層の削減/組織の統合/効率の向上」という原則に照らして、法執行のリソースを合理的に配置する。

 総合的な法執行を推進し、市・県両級政府の法執行組織の種類を大幅に減らす。食品薬品安全・工商品質検査・公共衛生・安全生産・文化旅行・資源環境・農林水利・交通運輸・都市農村建設・海洋漁業などの分野を重点とした総合的な法執行を進める。条件が許す分野では、部門をまたがる総合的な法執行を推進する。

 市・県両級政府の行政法執行管理を整備し、統一指導と協調を強化する。行政強制執行の体制を見直す。都市管理の法執行体制を見直し、都市管理の総合法執行機構の建設を強化し、法執行とサービスの水準を高める。

 行政法執行人員の勤務時の証明書所持や資格管理の制度を厳しく実行する。法執行の資格試験に合格しなければ、法執行の資格は与えられず、法執行活動に従事することはできない。法執行における処罰決定と罰金徴集との分離、(罰金収入などを独立採算としない)収支の二本化管理制度を厳格に実施し、費用徴集や罰金収入を部門の利益と直接的または間接的に結びつけることを厳禁する。

 行政法執行と刑事司法との連結体制を整備し、案件の移送の基準とプロセスを改善する。行政法執行機関と公安機関、検察機関、審判機関の情報共有や案件状況の通知、案件の移送を可能とする制度を構築する。案件があるのに移送しない、移送が困難である、行政罰で刑事罰を代替するなどの現象を克服し、行政処罰と刑事処罰との隙き間のない連結を実現する。

(四)公正で文明的な法執行の規範化を堅持する。各種の違法行為を法に基づいて処罰し、国民の利益との関係が深い重点分野での法執行を強化する。法執行のプロセスを整備し、法執行の全過程を記録する制度を構築する。具体的な操作の流れを明確化し、行政許可や行政処罰、行政強制措置、行政徴収、行政検査などの法執行行為を重点的に規範化する。重大な法執行決定に対する法制審査制度を厳しく実行する。

 行政裁量権の基準制度を設立・整備し、行政裁量標準を細分化・量化し、裁量の範囲・種類・幅を規範化する。行政法執行の情報化と情報共有を強化し、法執行の効率と規範化の水準を高める。

 行政法執行責任制を全面的に実施し、異なる部門や機構、法執行者の責任と責任追及制度を厳格に定め、法執行の監督を強化し、法執行活動に対する干渉を断固として排除し、地方と部門の保護主義を防止・克服し、法執行における腐敗現象を適切に罰する。

(五)行政権力に対する制約と監督を強化する。党内の監督、人民代表大会による監督、民主による監督、行政による監督、司法による監督、会計検査による監督、社会による監督、世論による監督の制度の構築を強化し、科学的で効果的な権力運行の制約と監督体系の形成に努め、監督の総合力と効果を高める。

 政府内部の権力に対する制約を強化することは、行政権力に対する制約の強化の重点となる。財政資金の配分や国有資産の管理、政府の投資、政府の調達、公共資源の譲渡、公共工事など、権力の集中する部門や職位に対しては、事案ごとの権限行使や職位ごとの権限設置、級に従った権限付与の制度を実施し、定期的に人員を入れ替え、内部プロセスの制御を強化し、権力の乱用を防止する。政府内部の各層の監督や専門の監督を向上させ、下級機関に対する上級機関の監督を改良し、恒常的な監督制度を設ける。問題改善と問責の制度を改善し、公開謝罪や停職検査、引責辞職、命令辞職、罷免などの問責の方法とプロセスを整備する。

 会計検査制度を改善し、法に基づいた会計監査権の独立行使を保障する。公共資金や国有資産、国有資源、指導幹部の経済責任履行状況に対して、会計検査の全面性を実現する。下級の会計検査機関に対する上級の会計検査機関の指導を強化する。省以下の地方会計検査機関の人員・財産・物品の統一管理を検討する。会計検査の職業化建設を推進する。

(六)政務の公開を全面的に推進する。公開を常態とし、非公開を例外とする原則を堅持し、政策決定の公開、実施の公開、管理の公開、サービスの公開、結果の公開を推進する。各級政府とその活動部門は、「権力リスト」に基づいて、政府の職能、法的根拠、実施主体、職責権限、管理プロセス、監督方式などの事項を社会に向けて全面的に公開する。財政予算や公共資源の配置、重大建設プロジェクトの認可と実施、社会公益事業の建設などの分野を重点に、政府の情報公開を進める。

 公民または法人、その他の組織の権利と義務にかかわる規範となる文書は、政府の情報公開の要求とプロセスに照らして公開する。行政法執行の公示制度を行き渡らせる。政務公開の情報化を推進し、インターネットの政務情報データサービスプラットフォームと市民サービスプラットフォームの建設を強化する。