第18期四中全会「決定」
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五、全国民の法治観念を強化し、法治社会の建設を推進する

 法律の権威の源は、国民の擁護と信頼である。人民の権益は法律で保障しなければならず、法律の権威は人民によって守られなければならない。社会主義法治精神を大いに広め、社会主義法治文化を打ち立て、法治の実施への社会全体の積極性と自発性を高め、法を守ることを光栄とし、法に背くことを恥とする社会的ムードを形成し、人民全体を社会主義法治の忠実な信奉者、自覚的な順守者、揺るぎのない守護者としなければならない。

(一)社会全体の法治意識の樹立を推進する。国民全体の法知識の普及と法順守の徹底を「法による国家統治」の長期的で基礎的な事業として堅持し、法治の宣伝教育を隅々まで展開し、国民全体の自覚的な法順守、トラブル時の法活用、法に基づく問題可決を誘導する。指導幹部が率先して法律を学び、法順守の模範となることを法治意識の樹立の要と位置付け、国家職員の法律学習・運用制度を整備し、憲法・法律を党委員会(党組)中心グループの学習内容に組み込み、党校・行政学院・幹部学院・社会主義学院の必修科目とする。法治教育を国民教育体系に組み込み、青少年を対象として、小中高校に法治知識科目を設立する。

 法知識普及の宣伝教育の体制を整備する。各級の党委員会と政府は、法律普及活動に対する指導を強化する。法律普及教育における宣伝・文化・教育部門と人民団体の役割を高める。「法執行者が法普及を行う」を原則とした法普及の責任制を国家機関で実施し、裁判官・検察官・行政法執行者・弁護士などによる案件を通じた法律の解説制度を構築し、法知識普及のための講師団やボランティアチームの建設を強化する。法治教育を精神文明建設の一環とし、大衆に対する法治文化活動を展開し、メディアの公益的な法普及を促進する制度を整え、新メディアや新技術の法普及における運用を強化し、法普及の効果を高める。

 「権力には責任が伴い、権利には義務が伴う」という観念をしっかりと樹立する。社会的信頼の構築を進め、公民と組織の法順守に関する信用記録を整え、法律順守や信頼性に対する奨励メカニズムと法律違反と背任行為に対する懲罰メカニズムを整え、法律の尊重や順守を国民全体の目標とし、自覚的な行動を促す。

 国民道徳の建設を強化し、中華の優れた伝統文化を広め、法治を支える道徳の力を高め、ルール意識を広め、契約精神を呼びかけ、公序良俗を普及させる。道徳分野での課題に対する法治の役割を生かし、法で定められた義務や社会的責任、家庭内責任の自覚的な履行を促す。

(二)多層的で多分野の法による統治を推進する。系統的な統治、法による統治、総合的な統治、根源からの統治を堅持し、社会統治の法治水準を高める。多層的で多形式の法治化を展開し、基層の組織や部門、産業における法統治を深化させ、各種の社会主体の自己抑制・自己管理を支える。市民のモラル、地方や民間の規定、産業ルール、団体規則などの社会規範を生かし、社会統治に対する積極的な役割を果たさせる。

 法治社会の建設において市民団体と社会組織に積極的な役割を果たさせる。社会組織による社会事務への参加や公共利益の保護、社会的困難の救済、特殊グループへの援助・教育、違法犯罪の予防のメカニズムと制度を設立・整備する。産業協会や商会などの社会組織が産業自律と専門サービスの機能を果たすことを支援する。社会組織がその構成員に対し、行動の指導、規則による制約、権益の保護の作用を発揮することを促す。中国で活動する大陸部外の非政府組織の管理を強化し、法に基づいた活動の展開を指導・監督する。

 民族大団結の旗を高く掲げ、民族や宗教などの要素にからむ社会問題を法に基づいて適切に処理し、民族関係や宗教関係の調和を促進する。

(三)完全な法律サービス体系を構築する。都市・農村の住民全体をカバーする公共法律サービス体系の建設を推進し、民生分野での法律サービスを強化する。法律による援助制度を整備し、援助対象を拡大し、司法救済体系を整備し、国民が法律問題にぶつかったり権利が侵害されたりした際、すばやく有効な法律支援を受けられるよう保証する。

 弁護士や公証などの法律サービス業を発展させ、都市・農村や各地域の法律サービス資源を統一配置し、海外にかかわる法律サービス業を発展させる。司法鑑定の統一管理体制を整備する。

(四)法に基づく権益保護やトラブル解消のメカニズムを整備する。大衆の権益保護や社会矛盾の解消における法律の権威を高め、人々の理性的な申し立てと法に基づく権益保護を指導・支援し、人々が関心を寄せる直接的で現実的な利益問題を適切に解決する。大衆の利益の保護に大きな役割を果たす制度体系を構築し、社会矛盾の早期発見や利益の主張、協議・疎通、救済・救助の仕組みを構築・整備し、大衆の利益調整や権益保障のための法的手段のスムーズな運用をはかる。陳情を法治化の軌道に乗せ、合理的で合法的な訴えが法律の規定とプロセスを通じて合理的で合法的な結果を得られることを保障する。

 社会の矛盾やトラブルの予防・解消のメカニズムを形成し、調停・仲裁・行政裁決・行政不服審査・訴訟などが有機的に連結し相互に協調した多元的なトラブル解決のメカニズムを整備する。産業別の専門的な人民調停組織の建設を強化し、人民調停・行政調停・司法調停の業務連動体系を整備する。仲裁制度を改善し、仲裁の信頼性を高める。行政裁決制度を改善し、行政管理活動と関連の深い民事トラブルの行政機関による解決の機能を強化する。

 社会治安の総合管理をさらに推進し、指導者の責任制を改善し、現実化する。立体的な社会治安制御体系を整え、社会の安定に関わる問題を有効に防止・解消・制御し、国民の生命と財産の安全を保障する。暴力テロや暴力団関連犯罪、カルト宗教、買春・賭博・毒物などの違法犯罪活動を法に基づいて厳しく取り締まり、このような空気の形成を絶対に認めない。食品や薬品の安全性、安全な生産への影響、生態環境に対する損害、ネットワークの安全の破壊などの重点問題の取り締まりを法に基づいて強化する。