2014年中央一号文件(全文)
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一、国家食糧安全保障システムの整備

(1)新情勢下の国家食糧安全保障戦略の構築に力を入れる。食糧の確保は長期間堅持しなければならない国家統治・政治の基本方針である。国内の資源環境・条件、食糧需給構造、国際貿易環境の変化を総合的に考慮し、自国の力を主とし、国内に立脚して、生産能力を確保しつつ、適度な輸入も行い、科学技術によって支える国家食糧安全保障戦略を実施する。いかなる時も国内食糧生産をおろそかにしてはならず、耕地保護の境界線を厳守し、永久基本農地を画定し、農業の総合生産能力を高め続け、穀物の基本的自給、食糧の絶対的安全を確保する。国際的な農産物市場と農業資源を一段と積極的に利用し、国内食糧供を効果的に調節し補う。食糧の量を重視すると同時に、品質と安全性をより重視する。当期の供給量を確保すると同時に、農業の持続可能な発展をより重視する。食糧供給の省長責任制の実行を強化し、中央と地方の食糧安全保障の責任と役割分担を一層明確化し、主要消費区も食糧面積の最低限のラインを確立し、一定の食糧自給率を確保する。社会全体の食糧節約意識を強化し、生産・流通・消費の全工程において食糧節約・損失減少施設および技術を普及させる。

(2)穀物など重要農産物の価格形成メカニズムを整備する。市場による価格決定の原則を引き続き堅持し、農産物価格形成メカニズムと政府補助金の切り離しを推進する改革を模索し、農産物目標価格制度を着実に構築し、市場価格が高すぎる時には低所得消費者に補助金を給付し、市場価格が目標価格を下回る時には価格差に基づき生産者に補助金を給付し、農民の権益を的確に保障する。2014年に東北と内蒙古で綿花目標価格補助金の試行を開始し、穀物、食用豚など農産物目標価格保険の試行を模索し、食糧生産の相当規模の経営主体に対するマーケティングローンの試行を推し進める。米、小麦の最低買取価格政策とトウモロコシ、アブラナ、砂糖の臨時買取備蓄政策も引き続き行う。

(3)健全な農産物市場の調整制度を整備する。備蓄量や輸出入量の調節などの手段を総合的に運用し、各農産物の価格変動をコントロールする範囲を合理的に確定し、重要農産物市場の安定性を確保する。重要農産物の備蓄の機能と規模を科学的に確定し、主要消費区を中心に地方の備蓄責任を強化し、区域配置と品種構成を最適化する。中央備蓄食糧管理体制を整備し、条件を一致させる多元的市場の主体が主要農産物の政策的買取への参加を奨励する。健全な「買い物かご」を持つ市長の責任制によって審査・インセンティブ制度を実施し、食用豚の市場価格をコントロールするシステムを整備し、牛肉・羊肉などの生産供給に力を入れる。主要農業県に対する国の直接統計調査を一層推し進め、権威ある農産物価格指数をまとめ発表する。

(4)国際農産物市場を合理的に利用する。重要農産物の国際貿易戦略を策定し、農産物輸入の計画・指導を強化し、原産国の配置を最適化し、安定した信頼できる貿易関係を構築する。関係部門は緊密に連携し、輸出入動植物の検査検疫を強化し、農産物の密輸を取り締り、輸入農産物の品質の安全と国内産業の安全を保障する。農業の国際市場への進出戦略の実施を加速し、国際競争力を備えた食糧・綿・油などの大企業を育成する。国外、特に周辺国との互恵的農業生産・輸出入協力の展開を支持する。農産物の国際貿易と農業の国際市場進出を支援する金融の種類・方式を積極的に革新するよう金融機関を後押しする。また農産物国際貿易基金と海外農業発展基金の創設を検討する。

(5)農産物の品質と食品の安全性の監督・管理を強化する。最も厳格で全工程をカバーする食品安全性監督・管理制度を構築し、法規と基準を整備し、地方政府の管轄地管理と生産経営主体の責任を明確にする。標準化生産、重点産品リスク監視測定警戒、食品トレーサビリティシステムの構築を支持し、卸売市場品質安全性検査費用への補助を強化する。県・郷食品、農産物の品質・安全性の検査システムと監督・管理能力の建設を加速する。農業投入品の管理を厳格化し、園芸作物標準園、家畜・家禽大規模飼育、水産健康養殖等の創業に力を入れる。農産物の品質と食品の安全性の取り組みに対する審査・評価制度を整備し、模範市・県創設試行事業を行う。