2015年中央一号文件
トップ  > 政策>  国家政策 >  2015年中央一号文件 >  四、農村発展の活力増大をめぐる農村改革の全面的深化

四、農村発展の活力増大をめぐる農村改革の全面的深化

 農村改革を深化、優先させる。中央の全体的改革設計において、基本計画を綿密に策定し、試験地での試験を着実に行う。それらの統括、監督管理を強化し、前進、実りのある改革を実施する。農村の経済・社会発展能力を増強する。

21.新型農業経営システムを構築する。農村の基本経営制度の優位性を発揮し、農業における家庭経営の基礎的地位を堅持する。土地の経営権の流通を奨励し、流通市場の整備を加速し、多様な形式の適度な規模経営を積極的に推進し、農民の組織力を上げる。適切な規模の農場を増やし、食糧生産規模経営を主体とする支援サービスシステムを構築する。農民専業組合によるサービスエリア開拓を促し、年度報告公示制度を実施し、模範となる社会建設を推進する。農業産業化モデル地区の建設と龍頭企業の構造転換・アップグレードを促進する。農民は土地経営権をもって、出資した協同組合と龍頭企業を指導する。資本の増強と企業化経営の考え方を導入し、農作物加工・流通と農業社会化サービスを成長事業とする。土地経営権の譲渡は農民の意思を尊重し、行き過ぎた指導や強制をしてはならない。工商資本による農地の賃借と管理の方法を早急に制定し、農業用地を勝手に転用してはならない。


22.農村の集団的土地所有権制度改革を推進する。農村の集団土地所有権制度を有効的に実現させながら、農村集団経済の運用メカニズムを刷新する。農村の集団土地所有権制度改革への意見を吸い上げ、対処する。土地等の物的資産に対して、土地請負経営権の権利確認、登記、証書公布事業を明確にし、省全体の試験地の範囲を広げ、世帯の権利や株式の不明確な部分を確実に把握する。非生産的資産は、公共サービスの向上のため有効性のある統一的な運営メカニズムの構築に重点を置く。固定資産、特に財産権は明確にし帰属するものとし、権利が不明確なものは本体の経済組織で預かり、多様な形式の株式へと発展させる。農民に付与された集団資産株式の機能改革試験地を建設し、農民の利益を侵すことを防ぎ、試験地における各業務は本集団経済組織内部で管理される。農村集団は「三資(資金、資産、資源)」をもとに、収益分配制度を管理・監督する。県郷土地請負制度の経営権、林業権をサービスプラットフォームに転換する役割を強化し、農村の生産権の流動的取引市場の健全な発展を促す。農村集団の財産権制度改革の推進に有利な税政策を強化する。


23.農村の土地制度改革試験地の推進を継続する。土地公有制度において、耕地が安定し農民の利益が損なわれなければ、中央は土地制度改革の統一化、安定化を図る。農村の土地収用、集団経営の建設用地の市場化、宅地制度改革試験地などに分類する。土地収用の控除方法を制定する。国家、農村集団、農民個人それぞれの立場を考慮した土地の価値上昇と収益分配メカニズムを構築し、個人の収益を合理的に増やす。土地を失った農民に対する合理的、規範的、多元的な保障メカニズムを強化する。計画と用途管理に適合する農村集団が経営する建設用地を譲渡、賃貸、出資など、健全な市場取引規則とサービス監視管理メカニズムを構築する。農民の宅地への権益を法に従い保障し、農民の住宅用地の取得についての改革を実施し、農民の住居保障の新たなメカニズムを追求、構築する。試験地での作業への指導監督を強化し、リスクコントロールを徹底、改善し、複製・普及が可能な改革成果を産出する。


24.農村の金融体制改革を推進する。農村の実情、農業の特徴、農民のニーズに主体的に適応し、農村の金融改革を深化させる。財政税収、資金貸付、金融監視管理等の政策措置を総合的に運用し、金融資源を引き続き「三農」に投じる。農業貸付総額を持続的に増加させ、農業関連貸付金の比率を一定に保つ。農業関連貸付金の統計制度を整え、農業関連貸付金の構造を適正化する。農村経済発展による税収政策を継続、完備、後押しする。貸付資産担保、再貸付制度試験地を設け、より有益な農村支援再貸付利率で貸付を実施する。各種商業銀行の「三農」金融サービスを奨励する。農業銀行三農金融事業部改革試験地はすべての県と地域の支店をカバーする。農業発展銀行は政策的機能を強化すると同時に、水利、貧困地区の道路等農業農村インフラ建設への貸付を強化し、自営的業務を慎重に発展させる。国家開発銀行は「三農」サービスの融資方式を刷新し、農業農村建設への中長期貸付をさらに拡大する。農村信用社の資本力と管理レベルを高め、県域に設立した「三農」サービスを定着させる。郵政貯蓄銀行の農村金融業務展開を奨励する。町村の銀行の農村カバー率を上げる。新型の農村合作金融が発展する有効な方法を積極的に模索し、農民協同組合の内部資金補助試験地を安定的に展開し、地方政府の監督管理責任を明確にする。請負土地経営権と農民の住居財産権を担保とする貸付制度試験地を運営する。「三農」融資担保業務の発展を推奨し、政府が支持する「三農」融資担保と再担保機構を大きく発展させ、銀行担保合作メカニズムを整備する。銀行業・金融機構の「三農」特別金融債発行をサポートし、条件にかなう農業関連企業の債券発行を奨励する。大型農機具融資リース試験地を設立する。新型農業経営主体に対する金融サービスを整える。少額担保、財政割引貸付金等、農村婦女への支援を継続的に強化するなど、農村への寛大な金融施策を講じる。


25.水利と林業の改革を深化する。健全な水利権制度を打ち立て、水利権の確認登記試験地を設け、多様な形式の水利権流動方式を模索する。農業用水価格の総合改革を推進し、用水価格の改革と水利権取引の成功例を積極的に広める。農業灌漑用水総量の操作と定額管理制度を設立し、農業用水の計量の強化、農業用水価格の合理的調整を進め正確な補助金メカニズムを構築する。水利工事・運営への社会資本の参与を促進する。農民用水合作組織の発展を促し、小型農地の水利工事と管理保護の主体となるよう支援する。農村水利工事の専門管理を積極的に強化する。最も厳格な林地、湿地保護制度を制定し強化する。集団有林利権制度の改革を深化する。国有林場と国有林区の改革を継続的に推進し、生態系の公益的機能の立場を明確化し、森林資源保護を強化する。国家用材林備蓄制度を制定する。林業の特徴に合った多様な融資業務を積極的に強化し、社会資本を吸引し炭素吸収源としての林業の確立に参画を促す。


26.供給、販売協同組合と農業開拓改革の発展を加速する。供給、販売協同組合の総合改革を全面的に深化し、農業へのサービスという路線を堅持しながら、草の根のコミュニティーの改造を重点的に推進する。連合社(組合)の管理メカニズムを刷新し、農業へのサービス分野を広げ、供給、販売協同組合を「三農」に総合サービスを提供する全国の中核とする。供給、販売協同組合条例の制定を急ぐ。農業開拓改革の発展推進のための政策措置を早急に模索し、農場の企業化、開墾地区の集団化、株式の多元化といった改革を深化させ、業界の指導管理体制、企業の市場化経営体制、農場の経営管理体制を刷新する。農業開拓と国有資産所有権の関係を明確化し、農業開拓の特徴に合った国有資産監督管理体制を整える。農業開拓による社会機能改革をさらに推進する。農業開拓独自の優位性を発揮し、大規模な農業経営主体を積極的に育成し、農業開拓により重要農作物生産基地及び近代農業モデルを産出する。


27.農村の管理メカニズムを刷新し強化する。農民グループを基本単位とする農民自治試験地の拡大、ならびに地域を基本単位とする農民自治試験地の設置により、各地の実情に合った農民自治の有効的な実現形式を追求する。村の「両委(党支部委員会と村民委員会)」の職責と村務の管理手順の規格化を行い、村務監督委員会の制度改善、農民が村務を有効に監督できるメカニズムの整備、農村幹部の権力行使力の強化を実施し、実用的かつ効果的な管理体制を実現する。農村社会組織の活力を引き出し、農村の専門職協会、公益慈善団体、地域サービス団体等の社会組織を重点的に育成させ優先的に発展させる。農村の社会治安維持・制御システムを構築し、治安問題を専門的に改善し、安全な郷鎮村を建設する。