第二編 農業・農民支援と社会主義新農村建設の加速
トップ  > 政策>  国家政策 >  国民経済と社会発展 第十二次五ヵ年計画 >  第二編 農業・農民支援と社会主義新農村建設の加速 >  第八章 農村の発展体制構造の完備

第八章 農村の発展体制構造の完備

 都市部と農村部の発展を統一計画する要求に従い、農村発展体制メカニズムの改革推進を加速させ、農業・農村の発展の活力を強める。

第1節 農村基本経営制度の堅持と充実化

 家庭請負経営を基礎とし、統一と分散を組み合わせた二層構造の経営体制を堅持する。

 農村の土地に関する法律・法規と関連政策を整える。既存の農村土地請負関係の安定と長期不変を維持する。農村の土地の権利確認・登記・証明書交付作業を適切に行う。土地請負経営権の権能を充実化させ、土地の請負に対する農民の占有権・使用権・収益権などを法に基づき保障する。法律の遵守、自由意思、有償およびサービス強化を前提して、土地請負経営権の流通市場を整備し、多様な形式による適度な規模の経営を発展させる。

 農村総合改革を深化させる。集団林権・国有林区林権制度の改革を推進し、草原請負経営制度を整備し、農地開墾体制の改革を加速する。

第2節 都市部・農村部の発展一体化制度の構築

 都市部と農村部の調和の取れた発展を妨げる体制的な障害を早急に取り除き、都市部と農村部の間における公共資源の均等配置および産業要素の自由移動を促進する。都市部と農村部の発展計画を統一して計画し、都市部と農村部のインフラ、公共サービス、社会管理の一体化を促進する。平等な要素交換関係を整え、土地の値上がり収益と農村預金がとして農業・農村に用いられるよう促す。

 農村の宅地などの建設用地を耕地に戻した分だけ都市部の建設用地の枠を拡大する「都市・農村建設用地増減連動」制度」を厳格に規範化し、都市部・農村部用地の構造と配置を調整・最適化し、都市部と農村部で統一した建設用地市場を次第に構築する。公益性・経営性建設用地を厳格に区別し、土地収用制度を改革し、土地収用範囲を縮小し、土地収用補償基準を引き上げる。農村の集団経営性建設用地の流通メカニズムおよび宅地管理メカニズムを充実化する。

 統一した人材資源市場の構築を加速させ、都市部・農村部の労働者の平等な就業に関する制度を確立する。

 国家財政支出・予算内の国家資産投資の重点を農業・農村に一層傾ける。農村信用社の改革を深化し、条件を満たした地区の県を単位としたコミュニティー銀行の建設を奨励し、農村の小型金融組織と小額貸付を発展させ、農村の有効な担保物の範囲を拡大する。都市部・農村部の統一計画に向けた総合的な関連改革のテストケースの成功例を真剣に総括し、農業・農村・農民問題の新たな解決策を積極的に模索する。

第3節 県域経済発展の活力の増強

 県域発展の自主権を拡大し、経済活力のある県の権限を拡大して市と同様のレベルまで引き上げる「強県拡権」改革のテストケースを着実に推進する。

 健全な県級基本財力保障制度を構築し、県級財政に対する一般的な移転支払いを増やし、省以下の財力分配における県級財政の比率を徐々に向上させる。

 経済発展が速く、人口受容力がある小都市については、投資の審査・許可、商工業の管理、社会治安などに関する行政管理権限を法に基づいて与える。

 県域の資源優位と比較優位を活かして、発展の方向性を科学的に計画し、労働集約型産業、農産品加工業の「県城」(県人民政府が置かれている町)、「中心鎮」(地域的優位性や経済力が強く、発展の潜在力を秘め、インフラが整っており、周辺地域に対する一定の波及効果を持つ地域重点鎮)への集中を後押し、都市部と農村部の合理的な分業に基づく産業発展の枠組みを構築する。

表3  新農村建設重点プロジェクト
01 現代品種業プロジェクト
国家級種子製造拠点、区域性良繁拠点と牧畜水産品種資源場、優良品種場を建設する。国家重点保護の農業野生植物、水生生物の自然保護区、水産種質資源保護区を建設する。
02 悪天候下でも高い生産の得られる高水準の耕地建設プロジェクト
中生産田、低生産田を改造する。高生産田の質を更に改良する。開拓地をならす。土壌を改良する。畦を規格化して整備する。農村の灌漑施設、機械化農業の道、橋や道路の下の排水管、堆肥製造施設、耕地森林網等の建設を強化する。
03 “買い物かご(都市住民への副食品供給プログラム)”建設プロジェクト
標準化園芸産品生産拠点、大規模牧畜養殖場(小区)、水産健康養殖モデル場を改造する。国家級重点大型卸売市場と地域性卸売市場を建設する。
04 漁業機構・魚港建設プロジェクト
沿海の重点漁港、一級漁港、二級漁港、防風停泊地、内陸の重点漁港を改造拡張あるいは新設する。国家級、海域級、省級の漁業機構基地を完備、建設する。漁業機構の法律執行施設を購入する。
05 動植物保護プロジェクト
六級動物疫病の予防管理システムを建設する。下級動物の防疫システムの建設を重点的に強化する;農作物病虫害の予防管理システムを建設する。農作物の害虫対策管理施設の条件を改善する。
06 農村飲料水の安全プロジェクト
集中給水、分散給水、都市給水管網を農村に伸ばす等の方法を採用する。約3億人の農村住民の飲料水安全性問題を全面的に解決する。
07 農村道路プロジェクト
農村道路100万キロメートルを新設、改造する。条件満たす全ての東中部地区の行政村、西部地区の80%以上の行政村にアスファルト(セメント)道を通す。
08 農村の電力供給プロジェクト
未改造の農村電力網を全面的に改造する。電力の需要急増に対し、電力供給能力不足の農村電力網のアップグレードを実施する。
1000ヶ所の太陽エネルギーモデル村、200ヶ所のグリーンエネルギー県を建設する。300ヶ所の水力発電新農村電化県を建設し、小型水力発電の発電容量を1000万キロワット増設する。
09 農村のバイオガスプロジェクト
家庭用バイオガス、小型バイオガス工事、大・中型バイオガス工事、バイオガスサービス体系の建設。利用可能な農家50%以上がバイオガスを利用する。
10 農村の住環境改善プロジェクト
農村の生活困窮家庭の危険家屋800万戸の改造を完成する。
国有開墾地区、森林区、営林場の従業員住宅問題を基本的に解決する。
全国の遊牧民の定住目標を基本的に実現する。
11 農村クリーンプロジェクト
農村の有機廃棄物処理の利用、無機廃棄物の収集、搬送を推進し、村部の緑化の展開をサポートする。
12 農村の土地整備プロジェクト
農村の土地整備、再開墾を重点建設プロジェクトとして実施する。耕地2000万畝を補充する。