科学技術発展 第十二次五ヶ年計画
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10.科学技術体制改革を掘り下げ、国家イノベーション体系の建設を全面的に推進する

 科学技術体制改革の統一計画とシステムの推進を強化し、社会全体の科学技術資源の効率的配置と総合集約の促進、科学技術成果の現実生産力への転化の加速化、各種イノベーション主体の活力を喚起し、ブレークスルー的な進展を獲得し、全面的に国家イノベーション体系建設を推進する。

(1)科学技術のマクロ管理と統括的調整を強化する

 科学技術の発展に対する全体配備とマクロ管理を強化し、科学技術や経済の協力推進体制を整え、イノベーション要素の合理的流動に体制構造保証を提供する。社会全体の科学技術資源最適化配置の機能への財政投入を強化する。科学技術発展戦略政策の制定、科学技術計画の実施、科学技術インフラ建設を統括・連携させる。部門間、中央と地方間の科学技術業務協議交流体制をさらに整え、各方面の資源を一箇所に集め共同で科学技術発展に関する重要で大規模な問題を解決していく。政府機能の転換を加速し、科学技術公共サービスを強化する。専門家の政策決定コンサルティング体制と民衆参加体制をさらに整え、科学技術政策決定の民主化を促進する。

(2)産学研の有機的結合体制の刷新

 市場体制を前提とした資源の基礎的役割を十分に発揮し、不断の発展と産学研の改善の有機的結合を推進し、自主イノベーションの体制を推し進める。企業・市場の優位性を発揮し、研究開発の委託、共同研究、人材育成、研究機関の共同建設などの形式を通じて、科学研究機関と高等教育機関が手を組みイノベーションの戦略パートナー関系を確立する。政府は投入誘導と政策措置の奨励を並行的に推進し、科学研究機関、高等教育機関は社会に向けたイノベーションサービス機能をさらに強化し、科学技術者の企業勤務に対する積極性を喚起する。産学研共同イノベーションへの支援をさらに拡大し、ふさわしい組織方式と組織オペレーションを整え、産業技術イノベーション戦略同盟組織が科学技術計画プロジェクトを担う役割を発揮する。

(3)科学技術計画と科学研究経費管理制度改革を推進する

 科学技術計画と科学研究経費管理制度改革の進化を科学技術管理体制改革の突破口とする。国家重点科学技術計画は国家目標達成に注力し、重大任務にフォーカスする機能をさらに強調する。各科学技術計画をとりまくイノベーションチェーン、産業チェーン発展のシステム配置を強化し、トップダウン式の計画設計と組織オペレーションを最適化し、資源配置の高効率集約とプロジェクト、基地、人材の有機的結合を実現する。科学技術への財政投入は基礎研究、先端技術研究、社会公益研究、が最優先課題で、キーとなる共用技術への支援をさらに拡大し、科学技術成果の移転への投入を増やし、安定性支援と競争性支援の両輪で解決を図る。科学研究活動の規律と特性に基づいて、科学研究経費のプロセス監視を強化し、科学研究経費の費用対効果の評価を改善し、科学研究経費管理の科学化レベルの向上を図る。

(4)科学技術評価と奨励制度改革を進化させる

 「目標指向、分類実施、客観公正、実効重視」の要求に従って、科学技術評価業務のマクロ管理、統括的調整、監督検査を強化し、健全な科学技術評価制度を構築する。科学技術計画、機関、人員などの対象、国家、部門、地方などの階級、基礎研究、応用研究、科学技術の産業化などのタイプによって異なる科学技術活動の特性ごとに、異なる評価指標、内容、基準を確定する。科学研究評価のイノベーションと品質指向を堅持し、煩雑な考査と過度の数値化を防いで、科学研究員を科学研究活動に専念させる。科学技術成果評価の試行業務を引き続き展開し、科学技術研究プロジェクトの標準化評価を促進する。第三者独立評価制度を発展させ、社会専門評価機関の科学技術評価の実施を指導、支援する。

 科学技術奨励制度をさらに充実させ、科学技術奨励の科学技術の発展方向性とイノベーションモデルの誘導、科学技術イノベーション人材の奨励と表彰、社会進歩と国の発展の促進における重要な役割を十分に発揮する。科学研究の信用構築を強化し、積極的に信用でき、ゆったりし、調和のとれた科学研究学術環境を作り出し、科学技術者の学術行為規範、職業道德の監督と学術にふさわしくない行為の調査、懲戒を強化する。

(5)国家イノベーション体系建設の全面的推進する

 各種イノベーションにおける主体の緊密的関係と効果的な双方向活動をより強化し、社会主義市場経済の要求と科学技術発展規律にマッチした国家イノベーション体系の建設に努める。

①.国家技術イノベーション工程を掘り下げて実施し、企業を主体とし、市場をガイドとする産学研が互いに結びついた技術イノベーション体系の建設を加速化する。

 企業自主イノベーション能力と産業核心競争力の向上を目標とし、企業が主導する技術研究開発イノベーションの体制構造の構築を中心として、積極的にイノベーション対応力のある企業への集約を誘導、支援する。重点産業、戦略的新興産業及び地方の基幹産業と産業クラスターの発展を狙いに、産業技術イノベーション戦略連盟の確立を推進し、産業技術イノベーションチェーンを構築する。技術イノベーションサービスプラットフォームの建設を推進し、企業技術イノベーションの支援を促進するサービスシステムを作り上げ、重点産業と地域イノベーションの公共科学技術サービスを強化する。イノベーション型企業建設を加速化し、市場作用と政府のマクロ誘導を十分に発揮させて大企業の研究開発投資拡大を奨励し、企業の研究開発機関設立を支援し、高級人材を引き付け、高い成長性と独自の強みを有するイノベーション型中小企業の発展を加速化する。科学技術者の企業勤務行動を掘り下げて実施する。転換研究所の企業化発展を進め、転換研究所に拠点にして産業共用技術の研究開発と科学技術成果の移転を強化する。

国家技術イノベーション工程

 国家技術イノベーション工程→国家重点産業と戦略的新興産業の発展を結付けて、経済構造戦略的調整を支える産業技術イノベーション戦略連盟を構築、企業向けの技術イノベーションサービスプラットフォームを建設・整備し、強い国際競争力を備えたイノベーション型企業を作り上げ、企業技術イノベーション人材チームとイノベーションチームの設立を強化し、企業に対して高等教育機関と科学研究院所の科学技術資源を開放し、企業の国際科学技術資源の十分な活用を指導する。企業を主体とし、市場をガイドとする産学研が互いに結びついた技術イノベーション体系を形成・整備し、企業の自主イノベーション能力を大幅に向上させ、重点分野と重点業界の核心的な重要技術の供給を保障し、企業が技術イノベーションの主体になることを推進し、科学技術成果の現実生産力への移転を加速化し、科学技術と経済のより緊密な結びつきを促進する。

②.ハイレベルな科学研究院所と研究型大学の建設を強化し、科学研究と高等教育を有機的に結合した知識イノベーション体系の構築を加速化する。

 知識イノベーション工程を突っ込んで実施し、「イノベーション2020」を実行し、大学イノベーションを推進し、ハイレベル研究機関と研究型大学の建設を推進し、世界一流の学科を育成する。基礎研究、先端技術研究、産業の鍵となる共用技術研究、社会公益研究に従事する科学研究機関を安定して支援する。科学研究機関の改革を進化させ、科学研究機関の自主権を拡大し、現代科学研究院所制度の構築を加速化する。高等教育機関イノベーション活力を強化し、高等教育機関の知識イノベーションにおける重要な役割を十分に発揮させる。高等教育機関での科学技術探求と教育を結付け、基礎研究の改革を強化する。高等教育機関、科学研究院所の科学研究管理改革と人材育成モデル刷新を誘導する。学科、分野を超えた科学研究と教育が結びついたチームを育成し、科学研究と教学の相互連動、イノベーション人材育成との結びつきを促進する。高等教育機関、科学研究院所、企業の研究開発機関共同建設を支援し、共同研究と人員の相互採用や兼職を実施し、研究クラスター、バーチャル実験室などの新型科学研究組織形式を探求する。

知識イノベーション工程

 知識イノベーション工程→戦略分野の知識の基礎的な積み上げと建設を強化し、学科構造を最適化し、学科体系の確立を整備し、学科の融合を促進し、重大な戦略的科学技術問題の解決を図る。凝縮物質物理、数学と複雑系、地球と環境、空間及び海洋などの科学センターを建設し、加えてクリーンエネルギー、グリーンインテリジェント製造、大陸及び深海探査技術などの研究開発基地を建設し、材料、化学、物理学、数学、地球科学、天文学、生命科学などの主流学科が世界の先進グループに入れるように努め、世界で重要な影響力を有する一流の科学研究機関と研究型大学を建設する。

③.軍民融合、全民皆兵の国防科学技術イノベーション体系の構築を誘導する。

 軍と民が結びついた科学研究設備共有プラットフォームの整備と建設の推進に力を入れ、軍地科学技術資源の開放共有と軍民両用技術の相互転換を強化する。軍民融合科学技術パーク、軍民両用技術イノベーション基地を建設し、軍と民が結びついた国家重点実験室の建設範囲を拡大し、軍民両用技術の共同戦略を強化する。民間科学研究機関と科学技術型企業の軍用技術研究開発への受け入れ範囲と受け入れ度を拡大する。

④.特色や強みを互いに補い合う地域イノベーション体系の建設を推進する。

 国の地域発展戦略の全体配置に基づいて、地域経済の社会発展ニーズと科学技術の基礎を結びつけ、地域イノベーション体系の建設を強化する。東部地区の原始イノベーション能力と持続可能な発展能力の向上を奨励し、育成産業競争の新たな強みの育成に力を入れ、戦略的新興産業、近代的サービス業と先進製造業の発展を加速化する。中部地区の現代産業体系の発展を促進し、省エネ排出削減技術の支援と先進適用技術の普及を強化し、資源利用効率と循環型経済の成長レベルを向上させる。西部の大開発戦略と東北の旧工業基地振興戦略を積極的に実施し、科学技術資源の未発達地区への流動を促し、科学技術の新疆支援、チベット支援、その他民族地区支援を拡大し、西部のエネルギー資源開発、生態環境保護と修復を強化する。地域発展の重大な共通の問題の解決をめぐって、地域を跨いだ協同イノベーションを推進する。イノベーション型省、イノベーション型都市(区)の建設を誘導と推進し、中心都市、科学技術パークの地域イノベーションにおける相乗効果を十分に発揮させる。自主イノベーションモデル地区、試験区への支援を拡大し、政策イノベーションと経験総結の普及を強化する。地域イノベーション資源の集約とイノベーション基礎能力の建設を強化し、地方の強みと特色を生かした重点実験室とイノベーション基地をつくる。

⑤.社会化、ネットワーク化した科学技術仲介サービス体系を構築する。

 科学技術仲介サービス組織配置を最適化し、科学技術仲介サービス体系を整備する。ハイレベル科学技術仲介サービス機関の建設と模範を強化し、生産力促進センター、大学科学技術パーク、科学技術企業インキュベーター、技術市場、技術転換機関などの科学技術仲介組織のサービス機能とサービスレベルを向上させる。技術移転サービス連合を設立、発展させ、科学技術仲介サービス機関の資源の共有化促進し、学会などの科学技術社団への育成力を拡大する。