ナノテクノロジー・材料分野(国際比較)
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Ⅲ. ナノエレクトロニクス

中国は発展途上で基礎研究は弱いが、どん欲に日米欧の技術を取り入れつつある。低い人件費を生かし、少なくとも既存のデバイスでは有利になりつつある。

 この分野では、日本が世界の最先端を走っており、特に産業技術力は圧倒的である。米国は研究水準や技術開発水準では日本に次いでいるが差がある。欧州がそれに続き、韓国も固体素子メモリ、有 機エレクトロニクス、ディスプレイデバイス、固体照明・発光デバイスなどで存在感がある。中国は有機エレクトロニクスの研究水準や固体照明・発光デバイスの産業技術力で最先端にあるが、全 体としては他の国とまだ差がある。

 

  • 中国の有機エレクトロニクスの研究水準は、世界の最先端にある。特に台湾においてはディスプレイに関する研究を中心に勢いがついてきている。本 土では有機エレクトロニクスに用いられる資源に強みを有しており、それに関わる技術開発が活発である。更に産業技術力の面では台湾で年々上昇している。
     
  • フォトニック結晶では米国からの帰国組が研究水準の向上に寄与している。メタマテリアルでは基礎物理の理論か電波周波数帯の研究に偏っている観がある。

     


    ・プラズモニクスについての基礎研究報告が増大しており、日本より少し遅れている程度でかなりの水準に達している。

  • ディスプレイデバイスでの中国本土の研究水準や産業技術力はまだ弱い。台湾では国家戦略として政府機関の工業技術研究院が主体となって進められており、かなりのレベルにある。今 後本土へのシフトも考えられる。
     
  • 固体照明や発光デバイスの研究では北京大学清華大学を中心に、結晶成長、LEDプロセス、照明応用という一貫したプログラムのもとで、研究が進んでいると同時に人材育成がなされている。この固体照明・発 光デバイス関連の産業技術力は世界トップレベルである。