環境技術分野(国際比較)
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Ⅶ. 植物科学

中国の植物科学分野では、海外から帰国した人材が中心となり、遺伝子組み換え作物の栽培試験等が強化されており、今後、産業技術力が大きく飛躍する可能性がある。

 この領域は、米国と欧州がほぼ互角で競争している。日本は研究水準では欧米と互角であるが、技術開発水準や産業技術力ではかなり弱い。中国は日本と同程度であり、韓国はこれらの国より少し遅れている。

 中国の植物科学分野では、米国から帰国した世代が植物の環境耐性研究等を進め、研究の水準を押し上げている。

 北京の植物研究所を中心に、イネやバイオマスとして有望なポプラなど組み換え作物の研究と圃場試験が進んでいる。

 中国の器官形成分野の論文の質には大きなばらつきがあるが、著名な国際誌にも定期的に中国発の研究が掲載されるようになってきている。研究成果の実用作物への応用も重視されており、遺 伝子組み換え作物への技術開発費が増大している。

 中国の企業でもバイオエタノール生産量は増大しているが、穀物価格の上昇を招く懸念からトウモロコシなどの穀物の利用は規制されている。

 イネのマーカー育種などが盛んである。また、耐虫性を持つ組み換えイネの試験栽培にも意欲的である。

 中国の国の研究機関では、植物研究で基礎研究のみならず実用化研究にも熱心であり、様々な植物種に対する技術応用の実用化を進めている。