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中国企業と外国企業が1,500万ドルの種子産業協力 

2014年05月30日

 5月26日から北京で開催中の世界種子会議に参加している中国企業と外国企業間で、種子産業に関する商談成立が相次いでいる。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国企業が協力取り決めに調印した相手はイスラエル、フランス、パキスタンなどの企業で、契約額は6件、1,500万ドル(約15億円)に上る。この中には、輸出入協力や戦略的開発協力などが含まれており、小麦・野菜・ヒマワリなど多くの品種に及んでいる。このうち中国とパキスタンの種子企業が調印した交雑小麦の産業化協力に関する取り決めは、中国の良質交雑小麦をパキスタンで大々的に栽培するためのものだ。

 国際種子連盟(ISF)が主催する世界種子会議が中国で開かれるのは初めて。種子産業は、中国政府が優先して支援する戦略的、基礎的コア産業となっている。

来年中に省エネ・環境産業 4.5 兆元規模に

2014年05月28日

 中国政府は、来年中に省エネ・環境保護産業の総生産額を4兆 5,000 億元(約 73 兆 4,000 億円)規模とする目標を打ち出した。

 チャイナ・ウオッチによると、国務院弁公庁は5月 26 日、省エネ・汚染排出物抑制に向けた2014〜15 年の計画案を発表し、省エネ・環境保護産業の総生産額目標を盛り込んだ。同産業を中国の基幹産業に育てるとともに、各地で深刻化する環境汚染に対応する。

 計画案には汚染排出物などの削減目標が設定されている。単位GDP(国内総生産)のエネルギー消費を年間 3.9%、化学的酸素要求量(COD)同2%、二酸化硫黄(SO2)同2%、アンモニア態窒素同2%、窒素酸化物(NOx)同5%以上―という削減目標値が掲げられた。

 実現に向けて、過剰生産能力を抱える業種の生産能力淘汰(とうた)や各業種向けのエネルギー消費低減、石炭消費量の削減、化石燃料以外のエネルギー利用拡大、省エネ技術の開発支援などに加えて、税制面での支援措置も盛り込まれている。

 機動車(自動車、二輪車、そのほか電動車などエンジン付車両全般含む)は、14 年末までにディーゼル油の品質基準を欧州連合(EU)のユーロ4に相当する「国4」基準に全国統一で適用する。さらに国の排ガス基準に満たない旧排出基準車「黄標車」や旧型車両を 600 万台淘汰する。さらに15 年末までには国内主要地域で「国5」基準のガソリン、ディーゼル油を適用する計画だ。

 地方政府の責任を明確化したことも特徴で、各地の地方政府には石炭ボイラーの淘汰や各種業界向けの大気汚染抑制、黄標車の淘汰の3方面で削減すべき具体的な数字を明記した。

国務院の関連サイト(外部リンク)

中国で農村観光が盛んに=伝統的村落の保護が問題

2014年05月27日

 最近、中国で「農家楽」と呼ばれるアグリツーリズム(農村体験ツアー)によって貧しい農村が経済的に豊かになる例が増えているが、同時に伝統の保護が問題になっている。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、昨年、中国でアグリツーリズムに従事する農家は170万戸余りに達し、営業収入が2800億元を超え、3000万人余りの農民が利益を得ている。中には農村全体の年収が800万元を超え、個人でも年収が20万元に達する農家が現れている。

 農村観光の発展で一部農民は地元を離れることなく就業できるようになり、若者の農村離れと村落の人口高齢化が緩和されている。また観光で恩恵を受けた農民が農村の文化と保護の重要性を意識するようにもなっている。

 しかしアグリツーリズムの発展過程で観光開発を重視し、農村の保護と農民の増収を軽視する問題も現れている。一部の村は観光開発のために経営権を売り渡し、村民を立ち退かせ、「空っぽ」の建物だけが残っているところもある。

 中国では村落の保護が差し迫った問題になっている。2000年から2010年の10年間で自然村が90万減った。専門家の推定では保存価値の高い伝統的村落はすでに5000足らずとなっている。

 保護を強化するため、住宅・都市農村建設省、文化省、国家文物局、財政省などは全国から保存価値のある伝統的村落1561カ所を選び、3年間に100億元余りを投じて重点的に保護する予定だ。

 中国民間文芸家協会の馮驥才主席は記者の取材に次のように語った。農村観光は地元文化の保護を重視し、保存や利用のために村民を立ち退かせるべきではない。観光事業は村落の価値を理解すべきで、文化がよく保護されるほど広く知られるようになり、観光客も増える。盲目的に利益を追求すべきではない。

 中国は今年、農村観光の自然村を1万増やし、「農家楽」など観光経営農家を20万戸増やすことを計画している。

送電網不要の風力発電利用海水淡水化システム

2014年05月26日

 中国主要都市の住宅在庫が膨れ上がっている中、住宅の値下げを規制する市が現れた。

 チャイナ・ウオッチが中国紙「銭江晩報」(電子版)の報道として伝えるところによると、浙江省杭州市は23日、住宅の値下げを規制する措置を始めた。住宅価格が一部で値下がりに転じる中、地方政府の不動産関連の収入が減る恐れもあるため、価格下支えの狙いがあるとみられる。

 「銭江晩報」によると、住宅販売業者が当局に申請した予定価格より15%を超えて値下げした場合、役所での購入登録手続きができなくなる。新たな価格を申請しても認可までに1週間はかかるため、臨機応変な値下げができなくなる。

 中国の住宅価格は長らく高騰してきたが、景気の鈍化を背景に、4月は杭州など一部の都市で3月より下落した。地方政府は公有地を大手開発業者などに売却して財源にする「土地財政」に頼っており、市況が悪化すれば収入が減るという危機感を強めているとされる。

 住宅価格の下落は杭州市だけの問題ではない。不動産研究機関の上海易居房地産研究院が全国 35 の重点都市を対象に調査した結果、4月末時点の住宅在庫面積は計2億 4,891 万平方メートルに達し、前月末を2.6%、前年同期を 19.5%上回った。28 都市で前年同期より在庫が拡大しており、中でも江西省南昌市、山東省済南市、浙江省寧波市はそれぞれ68.6%、63.8%、56.8%の大幅な増加となった、と伝えられている。

送電網不要の風力発電利用海水淡水化システム

2014年05月23日

 江蘇省塩城市で風力発電を利用し直接、海水を淡水化するシステムが動き始めた。

 チャイナ・ウオッチが新華社の報道として伝えるところによると、江蘇省塩城市の大豊市〈県レベル〉は5月 19 日、送電網非接続風力発電を利用した1万トン規模の海水淡水化事業で最初の生産ラインによる淡水を作り出すテストに成功した、と発表した。

 1台2,500キロワットの永久磁石ダイレクトドライブ風力発電ユニットから直接海水淡水化装置に給電し、100 平方キロの範囲内で独立したマイクログリッドシステムを構築した。風力を海水淡水化に直接利用するだけでなく、「送電網非接続」を実現したのが特徴だ。昨年6月に着工し、投資総額は2億 3,500 万元。

 このシステムは遠隔地で独立した給電が可能で、送電網敷設〈整備〉の巨額コストを減らすことができるという。

海上シルクロード建設で総額100億元の基金設立へ

2014年05月22日

 福建省の省都・福州で開かれている第16回(台湾)海峡両岸経済貿易交易会で福州市政府と中国アフリカ発展基金、国家開発銀行福建省支店は戦略協力枠組み取り決めに調印した。これにより3者は資金総規模100億元の基金を設立し、「21世紀海上シルクロード」建設に参加することになる。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、国家開発銀行福建省支店の袁建良支店長は、海上シルクロードの基金設立は国の発展戦略に積極的に呼応する重要な措置であると強調した。

 福州市の楊益民市長は次のように表明した。福州は東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との相互接続交通システムを構築し、「21世紀海上シルクロード」の重要な戦略的中枢都市を建設する。福州は海洋経済を突破口とし、ASEAN各国との経済協力を強め、東南アジアに海洋養殖基地を建設するなど共同で産業パークを建設する。

 国家開発銀行はASEANとの経済・金融協力の面で優位性があり、同行福建省支店は近年、国の外交・安全保障戦略、エネルギー・資源戦略、中国系企業の「海外進出」戦略に寄与することを軸に、国際協力業務を着実に推進している。4月末現在の融資残高は1759億4300万元で、うち外貨建てが23億5900万ドルだった。

 中国アフリカ発展基金の設立は中国の対アフリカ実務協力の重要な措置で、成熟した基金運用陣が整っている。2006年の設立以来、国家開発銀行に依拠し、「投資+融資」の総合金融支援方式でアフリカの30余りの国に関係する70件余りの事業を支援している。

地方債の発行認める

2014年05月21日

 中国の地方政府に地方債を発行できる道を開く制度ができる。

 チャイナ・ウオッチによると、中国政府は20日、地方政府が資金調達のため地方債を発行できる制度を確立する、と発表した。地方政府が不透明な「影の銀行(シャドーバンキング)」を通じた資金集めに頼る現状を改め、債務規模を把握しやすくするのが狙い。

 今後、一部の都市から地方債の発行を順次認めるとみられる。中国は地方債の発行が原則として認められず、財源不足の地方政府が多い。

 多くの地方政府は「影の銀行」の一種の「地方融資プラットホーム」と呼ばれる資金調達会社を使って公共投資の資金を集めており、隠れ負債がかさんでいる。また、公有地を大手開発業者などに売却する「土地財政」という手法で収入を確保、不動産バブルの原因になっている。

中国、新たなスパコンに挑戦

2014年05月20日

 中国はペタフロップス級のスーパーコンピュータ曙光「星雲」に続き、10ペタフロップスのスーパーコンピュータ「曙光7000」の研究開発が近く始まる。チャイナウォッチが人民日報電子版の報道として伝えた。

 中国科学院計算技術研究所を母体とする曙光公司は、1995年の創立以来、中国初のペタフロップス級のスパコンを相次いで開発してきた。ペタフロップスは演算速度が毎秒1000兆回である。

 曙光公司はすでに世界をリードする高性能コンピュータ会社に成長、ハードウェアのサービスプロバイダーからクラウドコンピューティングのサービスプロバイダーへと前進しつつある。現在全国7都市に蔵独活コンピューティングセンターを開設しており、うち「星雲」は広東省深センの国立スパコンセンター(NSCS)で、科学計算、スマート検索、遺伝子解析などに活用されている。

 同社の歴軍総裁の説明によれば、「曙光7000」は、今後の市場の需要に応じて設計された次世代スーパーコンピューティングシステムで、プロセッサ・高速通信網・大規模メモリシステムからアプリケーションソフトにいたるまで、すべて自前の技術を採用している。「曙光7000」の性能・効率・技術・アプリケーションは世界最高レベルになる見通しで、世界市場への進出を予定している。

北京市大気汚染物質排出企業300社に移転迫る

2014年05月19日

 大気汚染物質を排出する企業300社が北京市から市外への移転か廃業を迫られている。

 チャイナウオッチが、中国紙「法制晩報」などの報道を基に伝えるところによると、北京市幹部が16日の会議の席上、明らかにした。300社に対し、今年10月末までに移転か廃業を求めているという。対象企業は、石炭のほか、石材、れんがなどの採掘や製造をしており、市は環境汚染のひどい企業には電気や水道料金を高めに設定する一方、移転を決めた企業には報奨金を出すなどして退去を促している。

 昨年は汚染企業288社が北京を離れたという。

新卒者過去最多で就業支援措置

2014年05月16日

 今年度、中国の新卒者が過去最多になることから、国務院弁公庁が就業支援に乗り出した。

 チャイナ・ウオッチが、新華社電として伝えるとことによると、国務院弁公庁は 13 日、「2014 年全国普通大学卒業生就業・起業に関する通知」を発表し、起業に対する優遇融資や利子補給、新卒者採用企業に対する優遇措置などを打ち出した。通知は今年も新卒者が増え、その就業対策は非常に大きな困難を伴うものであることを強調している。

 今年度の新卒者は過去最多の 727 万人で、専門家は次のように指摘している。高等教育は以前のエリート向けから大衆化した。中国経済が中速成長期に入り、各産業の中・西部移転が進む中、大学、学生、政策決定者がこうした新たな「常態」に対処しなければ、大卒者の就職難は解決できない。

 人的資源・社会保障省国際労働保障研究所の莫栄・所長は「中国では毎年、若者約 1,500 万人が労働市場に投入され、今年は大卒者がその半分近くを占める。これは大学教育が大衆化の段階に入ったことを示している」と指摘した。

 2005 年から今年までの 10 年間で、全国の普通大学の年間新卒者数は 338万人から2倍以上の 727 万人に増えた。就業市場全体を見ると、毎年、求職者が約 2,500 万人おり、2030 年ごろまで就業圧力が続く。

 莫所長は「大学生は職業の選択について考え方を変えるべきだ。体制内の公務員や機関事業所、国有企業の毎年の新卒者採用は最多でも約 60 万人で、これは新卒者全体の 10%に満たない。政府も大学生がほかの分野で就職するよう指導し、就業圧力を緩和する責任がある」と指摘した。

 今年の中国の経済成長目標は 7.5%前後で、中国共産党中央党学校の周天勇教授によると、中国経済は中速成長段階に入り、長期にわたって蓄積された就業の構造的矛盾が浮き彫りになってきている。

 就職難と求人難が並存する構造的矛盾は長期にわたってみられ、特に中・高級技術者は2人の求人に1人の応募しかいない。済南の工作機械製造企業の関係者は「われわれは非常に人材不足で、なおかつ後継者が育っておらず、今後の企業の発展に影響することを懸念している」と話した。

 莫所長は「中国は工業化の中期にあり、必要なのは技能人材で、そのために職業教育を発展させなければならない」と言っている。

中国、原子力事故対応の国レベルの緊急チーム設置へ

2014年05月15日

 中国は原子力事故に対応する国レベルの300人規模の緊急救援チームの設置に向け作業を進めている。チャイナウォッチによると、中国国家原子力事故緊急対応弁公室副主任で国防科学技術工業局原子力緊急安全司(局)司長の姚斌氏が12日、新華社記者に明らかにしたもので、次のように説明した。

▽チームは複雑な条件下で重大原発事故の緊急救助、緊急処置の任務を担う。事故原因個所の有効な封印・コントロール、逃げ遅れた人の捜索救出、事態拡大の抑制、危害軽減に全力で当たる。核施設の現場処置を支援する。

▽国防科学技術工業局と解放軍総参謀部がチーム設置を主導する。現場技術支援、緊急救助、緊急測定・放射線防護、汚染洗浄、医学救援など役割別小チームで構成される。また訓練基地を建設する。一級行政区レベルの対応能力では不十分な場合にチームを動員する。事故が特別重大でなくとも、住民のパニックが発生したり、海外に影響を与えたりする場合は上記チームの動員を検討する。

▽中国の原発は開発からこの50年間、安全を維持している。現在、19基が運転され、29基が建設中で、原子力関係の企業、発電所、病院、研究機関は数万に上っている。一方、原子力、原発の幅広い利用で安全に対する社会の関心が高まっている。中国の原子力事故対応能力は世界トップレベルにあると国際的に認められ、また中国は国際交流・協力にも積極的に取り組んでいる。

住宅在庫が過去5年間で最大に

2014年05月14日

中国主要都市の住宅在庫が過去5年間で最大にまで膨れ上がっていることが分かった。

 チャイナウオッチが、13 日付経済参考報などを基に伝えるところによると、不動産研究機関の上海易居房地産研究院(上海市閘北区)が全国 35 の重点都市を対象に調査した結果、4月末時点の住宅在庫面積は計2億 4,891 万平方メートルに達し、前月末を2.6%、前年同期を 19.5%上回った。28 都市で前年同期より在庫が拡大しており、中でも江西省南昌市、山東省済南市、浙江省寧波市はそれぞれ68.6%、63.8%、56.8%の大幅な増加となった。

 厳躍進研究員は「在庫圧力を受けて資金不足のリスクに直面する不動産企業が増え、在庫を抱えた企業は薄利多売の戦略に転じつつある」と指摘している。さらに、市場には買い手の様子見ムードが広がっているため、新規供給物件が消化されずに在庫が膨れ上がっていると分析した。

 販売に対する在庫の割合を示す在庫率は、4月に 35 都市の平均で 15.2と、前月の 13.9 から大きく上昇した。在庫を完全に消化するまで 15.2 カ月かかることになる。前月より在庫率が上昇したのは 30 都市で、中でも浙江省温州市は 42.4、広東省茂名市は 33、遼寧省丹東市は 32 に達した。

北京で国際国防電子展開幕=中国開発の検査装置出展

2014年05月13日

 第9回中国国際国防電子展が8日、北京で開幕した。

 チャイナウォッチが新華社電として伝えるところによると、同展は中国人民解放軍総装備部の後援で中国電子科技集団公司と中国電子信息産業集団有限公司が共催し、英国、米国、スイス、オーストリア、フィンランド、ドイツなど13 カ国・地域の有名企業が電子、兵器、航空、宇宙関連のハイテク製品を出展している。

 同展は1998年から2年に1回開かれ、会期は3日間である。中国駐在各国武官代表団が見学する予定で、また緊急対応情報技術・装備の展示やフォーラム、技術講座などが開催される。

 今回、世界をリードするテラヘルツ波画像技術を使った非接触式セキュリティー検査装置が出展され、注目されている。中国電子科技集団公司第38 研究所が3年をかけて開発したもので、人が身につけている所持品を接触せずに数秒のうちに検査できるという。同研究所の郭紅副所長はコア技術を握っている欧米先進国の市場独占を打破したと強調した。

ケニア鉄道事業に資金の9割提供

2014年05月12日

 アフリカ4カ国を訪問していた中国の李克強首相が11日、ケニアの鉄道建設事業に必要な資金の9割を提供する契約書に署名した。

 チャイナ・ウオッチによると、この鉄道はケニアのナイロビと南東部モンバサの間、約610キロを結ぶ。建設に必要な資金は、約36億ドル(約3,670億円)と見込まれている。

 李首相は11日、ナイロビで東アフリカ各国の首脳と会談し、資金提供で合意した。

 工事は今年10月に始まり、2018年の完成を目指す。将来はナイロビから、隣国のウガンダやルワンダ、南スーダンに鉄道を延伸する計画で、各国の首脳が署名式に立ち会った。

李首相は5日、エチオピアのアフリカ連合(AU)本部で、アフリカ各国の首都を高速鉄道で結ぶのが夢だと演説していた。

 中国はアフリカ諸国を、資源と原材料の供給地として重要視するだけでなく、貿易や海外工事請負に潜在力のある市場とみなし、さらには国際開発協力実施によって大国としての責任を示す重要な舞台と見ている。アフリカで支援活動に従事する中国人は50~100万人といわれるが、在アフリカ各国の中国大使館でも正確な数字は把握できていないという。

 中国の対外援助に詳しい北野 尚宏・国際協力機構研究所(JICA)副所長は、中国はアフリカ諸国を、資源と原材料の供給地、貿易や海外工事請負に潜在力のある市場とみて重要視、さらに国際開発協力実施によって大国としての責任を示す重要な舞台と見ている。アフリカで支援活動に従事する中国人は50~100万人といわれるが、在アフリカ各国の中国大使館でも正確な数字は把握できていない...と科学技術振興機構中国総合研究交流センター主催の研究会で語っている。

「STAP細胞できず」香港の研究者報告

2014年05月09日

 理化学研究所の小保方晴子氏らの手法では「STAP細胞は作製できなかった」とする論文を、香港中文大学の研究者が8日、英オンライン科学誌に発表した。

 チャイナ・ウオッチによると、この研究者は李嘉豪・香港中文大学教授。李氏は小保方氏らの英科学誌「ネイチャー」論文発表を受けてさまざまな手法で再現実験に取り組んだがいずれも失敗した。すでに4月には「個人的にはSTAP細胞は存在しないと考える」と明かしていた。

 李氏は論文で、生まれたばかりのマウスの脾臓の血液細胞と肺の線維芽細胞を弱酸性の溶液に浸す小保方氏らの手法を試したが、さまざまな組織に分化できる能力を示す遺伝子の働きは観察できなかった、と結論付けた。

 発表当初からSTAP細胞論文に疑念を示していた米カリフォルニア大デービス校のポール・ナウフラー准教授は「残念だがSTAP細胞は存在しないというのが単純な説明だ」とブログで指摘した。今後ネイチャーが編集判断で論文撤回することになるとの見通しを示している。

マイクロソフトのXbox Oneを中国本土で販売

2014年05月08日

 中国・上海の自由貿易試験区に合弁方式で進出したアメリカ・マイクロソフト社は、人気家庭用ゲーム機の「Xbox One」を、今年9月から中国のインターネットテレビ会社「百視通」と共同で販売する。

 チャイナウォッチが新華社電として伝えた。

 マイクロソフトと百視通は、開設されたばかりの自由貿易試験区に、家庭用ゲーム機の合弁会社、上海百家合信息技術発展有限公司を設立した。同公司は自由貿易試験区の第1号企業となった。

 百家合の張大鐘会長は、今後マイクロソフトとともに、ゲームコンテンツの研究開発に資金を投じ、中華文化の特色あるテレビゲームを開発し、海外進出を図りたいとしている。

 昨年9月に発表された上海自由貿易試験区の総合プランは、外資系企業がゲーム機の製造・販売を行うことを認めており、文化を主管する機関の審査に合格したものを、国内市場で販売すると同時に海外進出を図る。

 中国はアニメやゲームを成長産業として国家が育成しており、マイクロソフトとの合弁会社設立により、中国のゲーム市場拡大が加速するとの期待が寄せられる。

アリババ米で上場申請 史上最大規模の調達に

2014年05月07日

 中国の電子商取引(EC)大手アリババグループは6日、米国で新規株式公開(IPO)を申請した。調達額は、米フェイスブックを上回るIT企業では史上最大になるとみられている。

 チャイナ・ウオッチによると、米証券取引委員会(SEC)への申請書類に記載されている当初の調達予定額は10億ドル(約1,016億円)。しかし、米紙ウォールストリート・ジャーナルによると200億ドル( 約2兆320億円 )を超え、史上最大だった中国農業銀行の221億ドルに匹敵する超大型上場となる可能性がある。これまで米国で上場したIT関連企業では、2012年の米フェイスブックが最大の160億ドルを調達した。アリババはこれを上回る公算が大きい。同社の筆頭株主で約34%を保有する大株主ソフトバンクの企業価値も大きく高まる。

 上場先はニューヨーク証券取引所かナスダックとなる見通し。

 アリババは電子商取引の仲介サイトを数多く運営し、巨大市場の中国で急成長した。世界一の取扱高を誇る通販サイト「淘宝(タオバオ)」も傘下に置く。

 米国は中国などと比べて多様な種類の株式が発行できる上に、投資家が多く資金調達が容易であるため、中国企業の上場が急増している。中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」も今年4月、ナスダックに上場した。

 申請書類によると、アリババの2013年4~12月期決算は、売上高が65億1,100万ドル、純利益は28億2,000万ドル。13年末の従業員数は2万884人。

「今治」商標不許可に

2014年05月02日

 日本有数のタオル生産地である愛媛県今治市のブランド「今治タオル」を連想させる「今治」の商品登録申請に対し、中国商標局が登録の一部を許可しないとする裁定を下したことが分かった。

 チャイナウオッチが、今治市への取材で確認したとして伝えるところによると、裁定は4月13日付で、申請した上海の企業が同日から30日以内に異議を申し立てなければ確定する。裁 定が出たのはタオルなどの商標登録をめぐるもので、他に縫製品やサービス業の分野で審議が続いている。

 今治市などは2011年2月、「今治はタオル産地として中国でも有名で、上海の企業の商標は認められない」と異議を申し立てた。商標局が13年5~6月に「有名だとの証拠が不十分」と して却下したことから、市などは同7月、商標局に再審査を請求し、今治について書かれた中国語の新聞記事のコピーなどを知名度の証拠として提出していた。

 中国では5月1日に改正新商標法が施行された。新商標法は、商標横取り登録行為を明確に規定して禁止しているほか、商標の権利侵害行為の種類を増やし、懲罰的賠償規定などを採用している。

イラン・アザデガン油田開発の開発で中国との契約打ち切り

2014年05月01日

 推定260億バレルという世界屈指のアザデガン油田開発をめぐって、イラン石油省は、中国石油天然ガス集団(CNPC)との契約を解消したと明らかにした。

 チャイナウォッチが共同電として伝えたところによると、イラン石油省は4月30日、契約上の義務違反があったとして、中国の国有石油大手、CNPCとの契約を解消したと明らかにした。

 アザデガン油田はイラン西部のイラク国境寄りにある中東最大級の油田で、かつて日本が75%の権益を保有していたが、イランの核問題をめぐるアメリカの制裁強化で、2 006年までに10%の権益を残してほぼ撤退した。

 替わってCNPCが70%の権益を取得したが、開発が遅れ、イラン石油省はCNPCとの契約を打ち切ったものと見られる。

 いわくつきの巨大油田であるアザデガンをめぐっては、フランスのトタールやロシアのエネルギーコングロマリットであるガスプロムも感心を持っていると伝えられる。

 イラン石油省は今後、外国企業と契約せずに独自に油田開発を行うとしているが、2013年の大統領選挙で、政権が強硬派のアフマディネジァド氏から穏健派のロウハニ大統領に移行したことから、イ ラン核問題の進展によっては、各国の開発参入競争が再燃する可能性もある。