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中国が石炭消費総量を厳格に抑制へ

2015年10月30日

 中国国家エネルギー局石炭司の李豪峰副司長は28日、中国石炭工業協会主催のセミナー「国際石炭サミット2015」の席上、「中国は不合理な石炭消費を抑制し、消費総量を厳格に抑制し、立ち後れた生産能力を淘汰する歩みを加速させ、石炭消費革命を力強く推し進める」と語った。

 チャイナ・ウオッチが30日、北京発新華社=共同電で報じたもので、李副司長は「石炭業界の健全で安定した持続可能な発展を促進するため、中国は幾つかの大きな措置を講じる」とし、①石炭のクリーン高効率利用を強力に促進し、石炭・発電共同企業経営と石炭・電力一体化の発展を推進する②世界の石炭技術革命の新たな動きをしっかりとフォローアップし、グリーン低炭素を目指す③近代的な石炭市場取引システムの構築を急ぎ、石炭価格形成メカニズムを整備する④石炭分野における国際協力・交流を推し進め、世界の主要石炭産出国および消費大国との意思疎通(コミュニケーション)・協力を一段と強化する‐などと表明した。

 また、中国石炭工業協会の王顕政会長は「中長期的に見ると、石炭をエネルギーの主体とする枠組みは今後も続く可能性がある」と指摘。「2020年、2030年、2050年の各時点において、石炭が中国の一次エネルギー消費構造に占める割合はそれぞれ現在の66%から62%、55%、50%前後と次第に減少し、石炭消費量のピークは45~48億トンになる」との見通しを明らかにした。

 

血管作製できる3Dバイオプリンターが四川に誕生

2015年10月29日

 血管を作製できる3Dプリンターを四川藍光英諾生物科技股分有限公司が開発した。同社は25日成都で、完全な自前の知的財産権を持つ、「国家ハイテク研究発展計画(863計画)」の3D血管バイオプリントプロジェクトが大きなブレークスルーを実現し、3Dバイオ血管プリンターが誕生したと発表した。チャイナ・ウオッチが新華社=共同電として報じた。

 同社の首席研究員は米国毒科学会(Academy of Toxicological Sciences:ATS)フェローの康裕建教授で、康教授はこれまでに世界初の完全心臓移植手術に加わり、ブタの心臓を3Dプリンターで作製した人工心臓と置換する手術に世界で初めて成功した。

 長年の研究と持続的なブレークスルーにより、康教授は「生体部品」技術の開発に成功し、胚胎の発育時のさまざまな微小環境を複製することにより、体外で幹細胞を精確に一定方向に分化させ、器官をプリントすることを可能にした。

 「どんな器官を構築するにせよ、器官に栄養分を送り込む血管が必要不可欠になる。『生体部品』技術と組み合わせ、クラウドプラットホームのデータ模型でサポートする。3Dバイオ血管プリンターの助けを借りて血管の再生を成功させた」、康教授はこう述べ、人工生体器官を構築する基盤が整ったと指摘した。

 藍光英諾の親会社である四川藍光発展股分有限公司の楊鏗・董事長は「3Dバイオプリンターで血管を作製するプロジェクトの画期的なブレークスルーは、幹細胞をコアとする3Dバイオプリントの技術体系が整ったことを意味する」と述べ、さらに、この体系には医療画像クラウドプラットホーム、バイオインク、3Dバイオプリンターとプリント後の処理システムの4大コア技術があり、これを使って器官を再生することも将来的には可能だと指摘した。

 

中国、地図作製衛星「天絵1号03」の打ち上げに成功

2015年10月28日

 中国は26日午後3時10分(日本時間同4時10分)、甘粛省の酒泉衛星発射センターから運搬ロケット長征2号Dで地図作製衛星「天絵1号03」を打ち上げ、予定の軌道に投入することに成功した。

 チャイナ・ウオッチが28日、酒泉発新華社=共同電で報じたもので、「天絵1号03」は中国航天科技集団公司所属の航天東方紅衛星有限公司が開発したものだという。主に国土資源調査、地図作成、農作物作柄評価、防災減災、科学実験などに使用されるという。

 また、長征2号Dは中国航天科技集団公司所属の上海航天技術研究院が開発した。長征シリーズの運搬ロケットの発射は今回で215回目となる。

 

中国、成長目標7%割れ容認‐李首相

2015年10月27日

 中国の李克強首相は26日までに、政府が掲げている2015年の国内総生産(GDP)成長率の目標値7・0%について、「死守しなければならないと言ったことはない」と述べ、目標割れを容認する考えを示した。

 チャイナ・ウオッチが27日、北京発共同電で報じた。それによると、中国の景気は減速が鮮明になってきており、今年の経済成長率が目標を下回る可能性が高くなっている。中国政府が今月19日に発表した7~9月期のGDPの伸び率は前年同期比6・9%だった。

 李首相は23日、中央党校で演説し、「6・9%は『7%前後』であり、理にかなった範囲内だ」と述べたという。また、 26日付の党機関紙「人民日報」も「(7%を)下回ってはならないというわけではない」との評論を掲載した。

 中国は住宅不況や貿易の低迷、政府が進める経済構造改革が響いて経済成長がスローダウンしている。このため、政府は金融緩和などの景気てこ入れ策を相次いで打ち出しているが、効果は限定的だ。

 

発展改革委、新版「中央価格決定項目リスト」発表

2015年10月26日

 中国の国家発展改革委員会は21日、新版「中央価格決定項目リスト」を発表した。それによると、該当範囲が大幅に縮小され、政府の価格決定項目が現行と比べて約80%前後減った。新リストは来年1月1日から施行される。チャイナ・ウオッチが北京発新華社=共同電として報じた。

 これは「中国共産党中央・国務院の価格メカニズム改革推進に関する若干の意見」を徹底して実行に移す重要な措置で、価格改革と行政簡素化・権限移譲の成果をリスト形式で固定し、同時に政府の価格決定権の明細化を実現し、リスト以外のものは決定権がないことを明確にしている。

 発展改革委が明らかにしたところでは、改定版「中央価格決定項目リスト」と現行リストを比べると、項目の種類は13から約46%減って、天然ガス、水利工事・水供給、電力、重要郵政業務など7種となり、具体的価格決定項目は100前後から約80%減の20になった。存続する20項目のうち13項目を発展改革委が主に管理し、業界主務官庁がほかの7項目を主に管理する。

 このほか、存続する価格決定項目は明細形式で列挙され、具体的価格決定内容と範囲が項目ごとに明確にされている。当面暫定的に現行弁法(規則)で管理し、今後改革の進展などの要素をみながら管理方式を適時自由化或いは見直す一部の項目については、リストの「脚注」に逐一説明が加えられた。

中共中央国务院关于推进价格机制改革的若干意见(全文)
 

中国、戸籍改革で成長率1~2ポイント上昇の可能性も

2015年10月23日

 中国社会科学院の蔡昉・副院長は北京で19、20の両日にわたって開かれた「2015北京新興市場フォーラム」で「戸籍改革を実施した場合、そのボーナスによって経済成長率が1~2ポイント上昇する可能性がある」と表明した。

 チャイナ・ウオッチが23日、新華社=共同電で報じたもので、蔡副院長は「(中国経済のさらなる発展のためにも)都市に転入でき、定住でき、就職、起業ができるようにし、農民工が真に市民となり、就職サービスと社会保障を平等に受けられるようにする必要がある」と強調。「(それによって)労働力の供給が増え、資源配分の効率が高まり、内需が拡大し、経済が成長する」と語った。

 蔡副院長はまた、①中国の都市化率は現在54%に達しているが、これは常住人口で計算したもので、戸籍で計算すると、中国の都市化率は現在38%に過ぎない②中国の農民工が出稼ぎに出る年間伸び率は2005年から2010年まで毎年4%減少し、昨年は1.3%まで下がり、今年上半期はわずか0.1%だった③40歳以上の農民工の占める割合が08年の30%から昨年は43.5%まで増え、今後、帰郷を考える傾向が一層強くなる可能性がある―と指摘し、「これら労働力の出稼ぎの変化は中国の将来の都市化スピードに影響を与え、都市化プロセスの逆転につながる可能性がある」とし、「戸籍制度改革は(経済成長のためにも)非常に重要で顕著なものの一つである」と訴えた。

 

事故対応で日中韓が作業班=原子力規制当局

2015年10月22日

 チャイナ・ウオッチがソウル発共同電として伝えるところによると、日中韓の原子力規制当局による定例会議が21日、ソウルで開かれ、3カ国の協力を強めるため事故時の対応能力向上などを検討する作業班を設置することで一致した。韓国の原子力安全委員会が明らかにした。

 3カ国がオンラインで関連情報を共有するシステム構築と人材育成を検討する作業班もつくる。

 会議には日本からは原子力規制委員会、中国からは国家核安全局の幹部がそれぞれ出席した。11月に日本で行う予定の3カ国合同の事故対策訓練についても協議した。

 日中韓3カ国による会議は2008年から毎年、各国持ち回りで開かれてきた。これまでに、原子力施設での事故を早期に通報する合意を結んだほか、会議での合意に基づき昨年11月に韓国南部、釜山郊外の原発周辺で初の3カ国合同の事故対応訓練を行った。

 

中国企業による買収を承認=NZ最大の食肉企業の株主

2015年10月21日

 ニュージーランド最大の食肉加工企業「シルバーファーンファーム(SFF)」は16日、中国で豚肉加工業を営む上海梅林広和股分有限公司の資本注入による同社買収に関する賛否を問い、株主の82%が買収を支持した。

 チャイナ・ウオッチが21日、ウェリントン発新華社=共同電で報じたもので、SFFは先月19日、上海梅林が2億6100万NZドル(約1億6500万ドル)でSFFの株式の50%を取得すると発表した。SFFはこれにより債務を返済し、苦しい財務状況を解決する。

 SFFは個人が株式を持ち合う形態の企業で、1948年に設立された。株主は牛、羊、鹿を飼育する全国の農場主1万6000人で、商品の最大輸出先は中国本土とされている。

 SFFは長年、加工能力の過剰や原材料不足に頭を悩ませてきており、企業効率を向上させるための資金が必要となっていた。ニュージーランドでは近年、羊の飼育頭数が減少し、1982年の7030万頭から現在は2860万頭にまで減ってきており、関連企業に大きな打撃を与えている。

  上海梅林によるSFFの買収には今後さらに、ニュージーランド海外投資事務所など監督管理機関の審査承認が必要という。この企業買収が成立すれば、上海梅林は企業運営に携わる議長1人を任命し、最高経営責任者(CEO)などの重要人事に関する投票権を取得する。

   ニュージーランドのビル・イングリッシュ財務相は今回の中国企業による買収案件について「企業の株主がその企業の運命を決定すべきだ。ニュージーランドの第1次産業に外資が進出することついて心配していない。漁業、林業など大手企業の株式の多くは外資が保有しているが、農家は不利益を受けていない」と述べている。

 

中国、7~9月に為替介入27兆円―米財務省が推計

2015年10月20日

 米財務省は19日、半年ごとに議会に提出する外国為替報告書の中で、中国が今年7~9月に総額2290億ドル(約27兆3500億円)に上る大規模な市場介入を实施したとする推計を明らかにした。景気減速に伴う通貨人民元の下落を阻止するためだという。

 チャイナ・ウオッチが20日、ワシントン発共同電で報じたところによると、同報告書は「中国が今年6月下旬の米中戦略・経済対話で市場の混乱時を除いて介入を控えることを約束していた」と指摘。今回の巨額介入が約束違反かどうかについての評価を避けたものの、「新たな為替政策がどのように機能するか注意深く監視する」と明記し、中国をけん制。為替介入实績を定期的に公表することも求めている。

 同報告書によると、中国の為替介入は4~6月にはほとんどなく、7月から急増。介入額は7月が500億ドル、8月が1360億ドル、9月が430億ドルと推計されるという。外貨を売り人民元を買う介入を繰り返したとみられ、同報告書は「8月に相当な金額の外貨準備を売却したようだ」としている。

 8月11日に中国当局が人民元の対ドル相場を切り下げたことをきっかけに、市場では中国経済の先行き不安が高まり、人民元を手放す動きが広がった。中国は相場の下落圧力を食い止めようと介入に走ったとみられる。

 ただ、同報告書は「中国は貿易や投資による海外とのお金のやりとりが黒字であることなどから、人民元に対する下落圧力は一時的だ」と断定。 その一方で、「中期的に人民元は適正な価格を依然下回っている」とし、市場の自由取引による相場形成を容認すべきだとの見解をあらためて示した。 今回の報告書で人為的に相場を動かしている「為替操作国」に認定された国はなかった。

 

中国の政府系研究機関が「一人っ子政策」廃止を提案

2015年10月19日

 中国で30年以上続く人口抑制のための「一人っ子政策」を早急に廃止すべきだとする報告書が政府の政策決定部門に提出されたことが16日分かった。

 チャイナ・ウオッチが19日、北京発共同で、有力経済紙「第一財経日報(電子版)」の報道として伝えたもので、同報告書がまとめられた背景には、中国経済が減速する中、労働人口が減少し、少子高齢化が進むことへの強い危機感がある。

 同紙によると、この報告書は政府系シンクタンクの中国社会科学院人口労働経済研究所や中国人民大学の研究機関などがまとめたとみられる。今月26日から始まる中国共産党の第18期中央委員会第5回総会(5中総会)で取り上げられる可能性もある。

 同報告書は、1人の女性が産む子どもの数を推定する合計特殊出生率の低さや人口がピークに達する時期などを考慮し、「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦に第2子の出産を認める新たな政策の導入を促している。

 中国政府の年次報告によると、10代半ばから59歳までの労働人口は3年連続で減少。一方で、高齢化は先進国を上回る速さで進んでいる。第一財経日報は「中国経済の奇跡を支えた(労働人口の多さが成長に有利に働く)人口ボーナス期は終わりに近づいている」と書いているという。

中国統計年鑑2013年版
 

中国、2020年までに1.2万カ所に充電ステーションを設置へ

2015年10月16日

 チャイナ・ウオッチは16日、南京発新華社=共同で、中国が2020年までに充電ステーション1万2000カ所を整備する計画だと報じた。それによると、充電ステーションは高効率のスマート充電インフラシステムで構成され、ポールタイプの充電器が中心で、1万2000カ所の充電ステーションで500万台余りの新エネルギー車の充電ニーズを満たすことになるという。

 この計画は江蘇省常州市で12日に開催された「電気自動車(EV)充電インフラ促進連盟設立・建設経験交流会で明らかにされたもので、 政府が発表した「EV充電インフラ整備の加速に関する指導意見(ガイドライン)」によると、中国はすべての新築住宅の付帯駐車場に充電施設を設けるか、将来的に設置可能な条件を残し、個人用駐車スペースの充電施設を優先的に整備する方針という。また、個人用駐車スペースがないユーザーのためには公共の充電施設を整備する。

 中国国家エネルギー局電力司の童光毅副司長は「中国は2020年までに集中充電ステーション1万2000カ所、分散型充電ポール480万個を整備し、バス用充電ステーションについては3850カ所以上、タクシー用充電ステーションは2500カ所、専門車両用充電ステーションは2450カ所整備する」と言明。「コミュニティーと勤務先の駐車場をつなぐ充電ポールの整備を積極的に進め、施設を一般に開放することを奨励している」と語った。

 また、中国の大手配電企業、国家電網公司の楊慶副社長によると、中国初の都市間EV快速充電ネットワークがすでに完成している。この中で、京滬(北京~上海)、京港澳(北京~香港~マカオ)、青銀(青島~銀川)高速道路には急速充電ステーションが既に133カ所設置されており、世界最大のEV公共急速充電ネットワークとなっているという。

中国では各種EVが2014年末時点で12万台使用されており、EVの生産販売台数は2015年末段階で累計32万台に達する見込み。北京、上海、深圳などでは、新エネルギー車の供給が需要に追い付かない状況となっているという。

 

中ロ朝3カ国が交わる琿春市、北東アジアの観光地に

2015年10月15日

 国慶節の大型連休が終わり、中ロ朝3カ国が交わる吉林省琿春市が観光シーズンのピークを迎えている。

 チャイナ・ウオッチが8日、長春発新華社=共同電として報じたところによると、今年の国慶節連休中、総人口25万の琿春市が受け入れた国内外の観光客は前年同期比111%増の22万4000人だった(琿春市観光局発表)。

 防川景勝地(琿春市)は国内外の観光客に人気のある観光エリアのひとつで、「三カ国が望める」独特の景観から最も観光客が訪れるエリアのひとつとなっている。統計によれば、国慶節連休中、防川景勝地は例年の観光客数をはるかに上回る計12万6000人の観光客を迎え入れた。

 3カ国が国境を接するという地理的な強みのおかげで、琿春市のロシア旅行もたいへん人気がある。観光官庁の統計によると、国慶節連休中にロシアから琿春市への出入国者数は前年同期比57.6%増の9050人で、中ロ税関を通る観光客数は一日当たり最高で1600人余りに達している。

 琿春市から朝鮮を訪ねる観光も人気ツアーのひとつだ。琿春出入国検査検疫局圏河税関事務所によれば、国慶節連休中、圏河税関経由で朝鮮を訪れた観光客は7500人余りに達した。観光客の税関審査がスムーズになるよう、「連検」(入国、検疫、セキュリティーチェックを1カ所で行う部署)は休日返上で審査を行った。

 琿春観光の人気が日々高まっているのは、鉄道の開通と密接に結びついている。国慶節連休直前に吉林~図們~琿春旅客輸送専用路線が正式に開通した。中ロ朝3カ国が交わる琿春市は高速鉄道の終着駅で、国境観光を第一候補に選ぶ人が多い。統計によれば、大型連休中に8万人が高速鉄道で琿春市を通過している。

 突然やってきた大勢の観光客は琿春市にとって試練となった。当初の受け入れ能力では限界があり、現地のホテルは満室になった。観光客の宿泊先を確保するため、琿春市内の多くの民家や団地、さらには病院までもが無料の臨時宿泊所となった。

 琿春市観光局の関係責任者は、観光客の受け入れ能力が不足しているという現状について、インフラ整備を急ぎ、増え続ける観光客に対応していると語った。

 業界筋の見通しでは、旅客鉄道の開通と琿春市のさまざまな観光条件が整備されるにつれ、北東アジアの重要な観光拠点としての同市の役割が日増しにアピールされ、観光地としての魅力もしだいに高まっていきそうだ。

 

中国医薬企業、米製薬大手と提携-第1期支払金10億ドル超

2015年10月14日

 中国のバイオ医薬開発会社、信達生物製薬(蘇州)有限公司はこのほど、米製薬大手イーライ・リリーとの間で新薬の開発協力で合意した。

 チャイナ・ウオッチが14日、南京発新華社=共同電で報じたもので、今回の提携・協力は3つの新しいタイプの双特異性腫瘍免疫治療抗体薬に関するもので、信達生物側が自主開発したモノクローナル抗体「PD―1」が採用される。双方の取り決めによると、信達生物公司は新薬の開発、生産、販売でリリーと協力。中国市場での開発、生産、販売は信達生物側が担当し、海外市場はリリー側が引き受ける。

 新薬開発は一般的に臨床申請、第1~3期の臨床、出荷などの各段階に分かれており、信達生物側はリリー側から10億ドル以上の支払金を受けるという。新薬が海外で商業化されれば、信達生物公司には販売にともなうロイヤリティのほか、別の収入も入ってくるという。

 信達生物公司は 2011年に設立され、各種の難病に対する抗体薬の開発・生産を手がけており、今年3月にリリーと三つのモノクローナル抗体の共同開発に関する戦略的提携に合意した。「PD―1」抗体はその1つで、腫瘍の免疫治療に用いられる。

 信達生物公司はリリー側に「PD―1」抗体の海外ライセンスを与える。初回の支払金額は5600万ドルとなるという。

 

中国、SDR採用訴える=条件達成へ金融改革

2015年10月13日

 国際通貨基金(IMF)は9日(日本時間10日)、ペルーの首都リマで国際通貨金融委員会(IMFC)を開き、国際的な主要通貨で構成する準備資産「特別引き出し権(SDR)」の見直しを議論した。人民元の国際化を目指す中国にとってSDR入りは悲願で、金融改革の实行で「採用の条件を満たすことができる」と訴えた。チャイナ・ウオッチがリマ発共同電として報じた。

 中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁がIMFCで声明を発表し、改革姿勢を示した。海外の中央銀行が中国の為替市場で取引することを認めるほか、経済統計の透明性を向上させるためにIMF基準の採用を決めたことなどを強調した。

 SDRを構成する通貨は「国際的に自由に取引できる」ことが条件で、ドルや円など4通貨で構成している。IMFは年内に条件を審査し、人民元の採用の可否を決める方針。

 中国は一連の改革を立て続けに打ち出し「明らかにSDR採用を目指したアピール」(北京の金融筋)とみられている。ただ8月に人民元を対ドルで突然切り下げるなど、中国の金融政策には不透明な点も多いのが实情だ。

 麻生太郎財務相は8日にリマで中国の楼継偉財政相と会談し、人民元の決済銀行を日本国内に設置するよう要請した。財務省の同行筋によると、SDR採用を日本が支持する判断材料として事務レベルで交渉しているという。東京市場の活性化が狙いだ。

 中国当局は20カ国・地域(G20)の議長国を務める来年までに实現して「習近平国家主席をもり立てる」(国際金融筋)ことを最優先にしている。日本はこれを逆手に取って、人民元の自由化を促すのが得策だとみている。

 

中国、超小型衛星の打ち上げに成功―民間の飛行情報をカバー

2015年10月09日

 中国はこのほど、超小型(立方体ナノサット)衛星「上科大2号」(STU―2)の打ち上げに成功した。ナノサットは重量が通常10キロ以下で、「上科大2号」の重量は6.8キロしかない。

  チャイナ・ウオッチが9日、北京発新華社=共同電で報じたもので、「上科大2号」は先月25日に打ち上げられ、このほど軌道上への投入に成功。民間航空機が発信する飛行情報(ADS―B信号)の補足・収集を開始した。中国が衛星でADS―B信号を受信したのは初めて。極地を通航する船舶も捕捉でき、中国の南極調査船「雪竜号」にも重要情報を提供できるという。

 「上科大2号」は26日夜、地球を95分で一周する間に、民間航空機405機が発信した5万1665本の信号を捕捉し、28日夜までに世界中の航空機1263機の信号、数10万本を捕らえたという。

 衛星によってリアルタイムで航空機の飛行情報を収集でき、全世界をカバーすれば、昨年のマレーシア航空機不明事件のようなケースで、機体の追跡が可能になり、捜索救助の確率が高まる。現在、7割以上の航空機がADS―Bシステムを装備している。

 「上科大2号」はA、B、C3個の立方体衛星で構成され、それぞれ極地観測カメラ、船舶自動識別システム(AIS)受信機、航空機放送型自動従属監視システム(ADS―B)信号受信機を搭載。3個の立方体衛星は、衛星間中継回線(ISL)を通じ、最小の宇宙空間ネットワークを構築し、地球観測と情報収集を行っている。

 「上科大2号」の総設計師は海微小衛星工程センターの呉樹範研究員が務めた。開発コストは数百万元(1元=約19円)で、一般の衛星より2桁安いという。

 

中国初の100万トン石炭間接液化プロジェクト 陝西で稼働

2015年10月08日

 チャイナ・ウオッチが5日、西安発新華社電として伝えるところによると、中国初の100万トン級石炭間接液化プロジェクトがこのほど陝西省楡林市の楡林楡横石炭化学工業区で稼働した。同市の陝西未来能源化工有限公司が進めているもので、第13次5カ年計画期(2016~20年)に500万トンの製油能力を築くとしている。

 中国の石炭総合国有企業、兗鉱集団が独自に開発した特許技術の低温フィッシャー・トロプシュ法(一酸化炭素と水素から触媒反応によって液体炭化水素を合成する技術)をコア技術として採用しており、中国の知的財産権を採用した100万トン級石炭間接液化モデルプロジェクトとなった。

 プロジェクトは投資総額164億元(1元=約19円)で、年間500万トンの原炭を使用し、115万トンの製油が可能。年間の売上高76億元、利益16億元を見込んでいる。

 

中国、37の地下銀行拠点を摘発-関連資金総額は2400億元

2015年10月07日

 中国公安省は今年8月末から全国で地下銀行の集中取り締まりを実施し、これまでに37の拠点を摘発し、容疑者75人を逮捕した。チャイナ・ウオッチが7日、北京発新華社=共同電で報じたもので、関連資金総額は2400億元(1元=約19円)余りに達した。

 公安省が30日明らかにしたところによると、中国では近年、地下銀行の犯罪がますます活発・複雑化しており、汚職やネット賭博、詐欺、麻薬、テロなどに関係し、不正資金の送金ルートとなっており、国家と人民の財産、利益に重大な損失をもたらしているという。

 また、地下銀行を通じて不正な資金が国境を越えて行き来しているが、国家の金融監督管理当局に把握されていない。このため、国家の金融・資本市場の秩序を乱し、マクロコントロール政策を阻害し、金融の安全を脅かしているという。

 公安省の担当責任者は今回の集中取り締まりについて「地下銀行の違法活動を阻止し、国家の金融の管理秩序と安全を守るため、公安省、中国人民銀行(中央銀行)、国家外国為替管理局は今年4月、海外企業や地下銀行を利用した不正送金を取り締まる特別行動を合同で開始した」と語った。

 公安省は全国の公安機関を動員し、11月末まで集中取り締まりを実施する。

 

中国メディアも速報=ノーベル賞の3人たたえる

2015年10月06日

 中国国営の中央テレビは5日夜、中国の屠呦呦氏(84)や大村智氏ら3人にノーベル医学生理学賞の受賞が決まったことを速報し、3人の研究が「人類の病気を減らすことに比類ない役割を果たした」とたたえた。チャイナ・ウオッチが北京発共同電として伝えた。

 国営通信、新華社によると、中国本土を拠点にする科学者がノーベル賞を受賞するのは初めて。

 中央テレビによると、屠氏は中国医学の専門家で、中国中医科学院の終身研究員。マラリアに効果がある薬の開発に貢献し「発展途上国を中心に数百万人の命を救った」という。新華社は「中国の神薬」と持ち上げ「中国医学が獲得した最高の賞だ」と指摘した。

 別の中国メディアによると、屠氏は幼少期に中国医学の効果を知り、研究を志した。1960~70年代に知識階級が迫害を受けた文化大革命の間も、研究を続けたという。

 中国では民主活動家、劉暁波氏が2010年にノーベル平和賞を、小説家の莫言氏が12年にノーベル文学賞をそれぞれ受賞している。

 

寧波舟山港集団が成立し、世界最大の港に―中国

2015年10月05日

 中国の大手港湾管理企業である寧波港集団と舟山港集団がこのほど、株式の等価交換によって統合し、浙江寧波舟山港集団有限公司が成立した。チャイナ・ウオッチが5日、寧波発新華社=共同電で報じたもので、29日には寧波市の環球航運広場で開業式典が行われた。この結果、寧波舟山港は19の港区、600余りのバースを備える世界最大の港となり、2015年のコンテナ取扱量は2000万TEU(標準コンテナ)を突破する見込みだ。

 同電によると、舟山市国有資産監督管理委員会が舟山港集団の株式100%を無償で寧波港集団に与え、これと同時に、寧波市国有資産監督管理委員会が寧波集団の同等価値の株式を無償で舟山市国有資産監督管理委員会に与え、株式の等価交換が成立した。次のステップとして、寧波舟山港集団が浙江省海港集団に資本を投資する予定という。

 寧波と舟山港の年間貨物取扱量は2014年、合計すると、前年比7.9%増の8億7000万トンとなり、世界第1位。コンテナ取扱量は同12%増の1945万TEUで、世界第5位となっている。

 寧波と舟山港の一体化は浙江省が長年にわたり堅持してきた戦略で、2005年12月に浙江省党委員会と浙江省政府が「寧波~舟山港管理委員会」を設立し、完全な統合を目指していた。

 寧波舟山港集団は今後、資産、人材、ブランド、管理などを深い次元で整理統合し、港湾総合計画、インフラ建設、重点港区の開発、海上輸送サービス、通関監督管理など五つの部門の一体化を加速する。

中国統計年鑑2009年版 沿海の一定規模以上港湾の貨物取扱量
 

北京で中米民間宇宙協力対話の初会議開く

2015年10月01日

 中米民間宇宙協力対話の初会議が28日、北京で開かれた。中国国防科学技術工業局が明らかにしたもので、中米政府間の民間宇宙協力対話メカニズムが正式発足したことを示すもので、両国が「平等互恵」を 原則として宇宙協力を実現するうえで前向きの意義があり、宇宙分野の相互理解と信頼を増やす新たなチャンネルが開かれたとしている。チャイナ・ウオッチが28日、北京発新華社電として報じた。

 本会議では中国国家宇宙局の田玉竜秘書長と米国務省のジョナサン・マーゴリス国務次官補代理が共同議長を務めた。両国の担当者がそれぞれの宇宙政策や宇宙探査計画を説明し、宇 宙活動の持続可能性や宇宙ゴミなどに関する協力の強化、民間対地球観測、宇宙科学、宇宙気象、民間ナビゲーション衛星システムなどの分野の協力方法について踏み込んだ意見交換を行った。双 方はまた次回の国際宇宙探査フォーラムの議題等について話し合った。

 今会議は今年6月の中米戦略・経済対話の成果に基づいて開かれた。双方は来年、米ワシントンで第2回対話会議を開くことで合意した。