トップ  > SPCデイリーチャイナ>  SPCデイリーチャイナ 2016年12月の記事
 

宇宙強国目指す白書公表

2016年12月28日

 中国政府は、今後5年間で宇宙での影響力をさらに強化する宇宙戦略をまとめた白書「中国の宇宙」を公表した。宇宙ステーション建設や月、火星探査、衛星利用測位システム「北斗」と高解像度の地球観測衛星「高分」のシステム構築を重要プロジェクトに挙げている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 27日公表された白書は、中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」で宇宙技術を活用し、衛星ネットワークを使った通信サービスなどを提供する計画も明記している。「北斗」は特に軍事的利用価値が高いとされ、アジア太平洋地域では既に運用開始している。インドやブラジルなど新興5カ国(BRICS)との衛星ネットワーク構築を目指し1920年前後までに地球規模での実用化を目指す、としている。

 20年ごろ完成予定のステーション建設では、来年4月に宇宙貨物船「天舟1号」を打ち上げ、無人宇宙実験室「天宮2号」とドッキングさせる計画だ。

 白書は、BRICSのほかロシアや中央アジア4カ国などが加盟する上海協力機構(SCO)と連携を深める姿勢も示しており、米国との主導権争いがさらに激化しそうだ。国家宇宙局の呉艶華副局長は27日の記者会見で、「中国は『宇宙大国』 から『宇宙強国』へとまい進する正念場にある」と語った。国連など国際機関と協力し、宇宙の平和利用を続けることも強調した。

 

中国環境保護税を導入へ

2016年12月27日

 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、大気や水質の汚染を防止するための「環境保護税」を導入する法案を可決した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国営通信、新華社によると、環境対策に狙いを絞った税の法制化は初めてで、施行は2018年1月1日から。中国では微小粒子状物質「PM2.5」を含む大気汚染などの公害が深刻化し、国民の不満が高まっている。企業から環境の汚染度合いに応じて税を徴収することで、環境改善に向けた企業努力を促す。

 大気や水を汚染する物質を排出したり、廃棄物や騒音を出したりする企業が対象となる。排出量の多い企業には現状の課徴金制度よりも負担額を重くし、排出量の少ない企業には税負担を軽くする。

 中国メディアによると、税収は年500億元(約8,400億円)程度になるという。現状の課徴金制度では中央政府が徴収額の1割を受け取っていたが、新制度では税収の全額を地方政府が受け取るようにし、地方政府 が環境対策を実施するための財源を拡充する。

 

大量の違法伐採木材中国に流入 国際機関報告書が指摘

2016年12月26日

 違法に伐採された大量の木材が中国に流入しているとする報告書を、世界の森林研究者や研究機関でつくるチームがまとめた。チャイナウオッチが伝えた。

 国際森林研究機関連合のチームによる報告書は、生産国と消費国の間の貿易額の食い違いなどを手掛かりに違法木材の流れを分析した。違法伐採が疑われる木材の取引総額が2014年に世界で63億ドル(約7,400億円)に達し、中国が33億ドルを占める最大の輸入国だった、としている。東南アジアから17億ドル、オセアニアとロシアから各6億ドル、アフリカ中部から3億ドルの違法木材を受け入れていた。丸太や角材といった形で輸入された木材は中国で家具などの製品に加工され、日本や欧米各国に入っているとみられる。

 インドも東南アジアから5億ドルを輸入している。日本には主に東南アジアから1,500万ドルの違法木材が流れ込んでいた。

 中国は経済成長に伴って木材需要が増え、加工品の輸出も盛んなため、合法、違法を問わず受け入れているとみられる。流通量が特に多い東南アジア原産の木材は6割が違法に伐採された疑いがあった。パーム油や大豆、牛肉などの生産を増やすため、正しい手続きをせずに森林を切り開いて農地に転用する動きが広がっていることが背景にあり、熱帯産木材の3割は無計画な農地転用が原因とされる。

 自国の市場から違法木材を排除するため日本や欧米が10年ほど前から自国の規制を強化した結果、中国やインドなど規制が緩い国に流れたらしい。同連合は「各国が足並みをそろえて規制する必要がある」と指摘している。

 

北京の大気汚染深刻

2016年12月22日

 大気汚染で最も深刻なレベルを示す「赤色警報」が発令された北京市では、市民生活に大きな影響が出ている。チャイナウオッチが、共同通信北京支局員のルポとして伝えた。

 「赤色警報」は、16日から21日まで続いた。分厚いスモッグで街全体が白く濁り、視界は数百メートル先の建物がうっすら見える程度。漂う異臭に外を歩く人の数も減り、マスク姿が目立つ。市民生活への影響は深刻で、やり場のない怒りが鬱積している。

 「何で動かないんだ」「もっと早く知らせてくれれば、ここまで来なかったのに」。北京市西部で20日、隣接する河北省に向かう高速道路の入り口には長い渋滞の列ができていた。大気汚染による視界不良で道路が閉鎖されたためだ。しびれを切らしたドライバーが次々と車を降り、不満をぶちまけた。

 「こんなことなら鉄道の方がましだ。下がれ、下がれ」。外でたばこを吸っていた男性は後ろの車にこう吐き捨てるように話すと、無理やり車をUターンさせ、一方通行の道を逆走して立ち去った。

 北京の米大使館のウェブサイトによると、微小粒子状物質「PM2.5」を含む汚染指数は21日も最悪レベルの「危険」(301~500)を示す400を超えた状態が続き、天安門広場を警備する武装警察隊員は黒いマスクを着用している。この日は警報に伴う措置でナンバーが奇数の車しか走れず、 首都の目抜き通りで常態化していた渋滞が消えた。

 「お客さんは数えるほどよ」。特に汚染状況がひどい市西部にある遊園地「石景山遊楽園」のチケット売り場女性従業員は、苦笑いするしかなかった。園内は観覧車を除きほとんどのアトラクションが停止、まるでゴー ストタウンのようだ。

 マスクを外して思い切り空気を吸い込んでみた。ゴムを燃やしたような刺激臭が鼻を突き、せきが止まらない。軽い頭痛も襲ってきた。「君はまだ慣れてないからね」。北京生まれの同僚に笑われた。

 

周瑋生立命館大教授が音信不通に

2016年12月21日

 周瑋生・立命館大学教授が10月下旬から中国に出張したまま日本に戻らず、連絡が取れない状態が続いていることが分かった。周氏は、中国の環境問題などを専門とする中国人研究者。チャイナ・ウオッチが、上海発共同通信電として伝えた。

 立命館大の広報担当者によると、周氏は学会に出席するため、10月26日~28日の予定で中国に出張したが、その後連絡が取れず、大学にも出勤していない。周氏の家族は「中国に行ったきり戻ってこず、連絡が取れない」と話し、心配しているという。

 立命館大によると、周氏は2002年に政策科学部の教授となり、地球温暖化対策などを研究している。周氏は立命館大傘下の中国語教育機関で、中国当局の支援も受けている「立命館孔子学院」の名誉学院長も務めている。

 日本にいる中国出身の研究者を巡っては、2013年に東洋学園大の朱建栄教授が中国当局に拘束され、約半年後に解放されたケースや、今年3月に趙宏偉・法政大教授が中国で事実上の拘束を受け、一時失踪状態になるなどの事例が相次いでいる。

 

近畿は10カ月連続の黒字=中国向け好調で輸出増加

2016年12月20日

 大阪税関が19日発表した近畿2府4県の11月の貿易概況(速報値)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は776億円の黒字となった。黒字は10カ月連続。発電所で使うガスタービン部品の中国向け出荷などが増え、輸出が14カ月ぶりに前年同月比で増加に転じたことが貢献した。チャイナ・ウオッチが報じた。

 輸出額は1・1%増の1兆2510億円。ガスタービン部品のほか、シンガポールや中国向けのスマートフォン用半導体が増えた。米国などのパイプライン用の鋼管は減少幅が縮小した。

 輸入額は7・3%減の1兆1735億円で、15カ月連続の減少となった。欧州からの医薬品や、中国産の衣類が減った。

 

20年の観光投資2兆元に=政府が支援強化

2016年12月19日

 チャイナ・ウオッチが伝えるところによると、中国国家発展改革委員会(発改委)と国家観光局はこのほど、観光関連の重点プロジェクトへの投資を加速する計画を発表し、2020年の観光投資を2兆元(約34兆円)規模に引き上げる目標を示した。年平均20%のペースで投資拡大を図る。

 観光消費総額は20年に7兆元、国内総生産(GDP)の成長率に対する観光業の貢献は10%超を目指す。観光業界で5,000万人の雇用を支え、観光業の発展によって年間200万人を貧困状態から脱出させるとした。

 計画は「中国の観光消費には巨大な市場需要と発展の余地があるが、インフラと公共サービスの水準を高めなければならない」と指摘。重点プロジェクトを政府が積極的に支持することで民間からの投資を呼び込み、景気の下支えと雇用拡大、中西部地区の貧困解消につなげていく考えを示した。

 重点分野として特に政府が政策面から支援するのは、観光地のインフラ建設や新たな市場開拓、または貧困支援に結びつくプロジェクトなど。インフラ関連では空港、駅、バスターミナルや道路、観光地のトイレ、汚水処理施設、消防施設などの整備を推進する。新市場の開拓ではキャンピングカー、ヨット、クルーズ、温泉、スキーなどの分野を重点的に育成するとともに、農村部の観光資源開発にも力を入れる。

 

アジア開発銀行が大京津冀地区の大気改善支援

2016年12月16日

 アジア開発銀行(ADB)は、中国の大京津冀(北京・天津・河北)地区のグリーン汚染対策プロジェクトに対する支援を決定した。チャイナ・ウオッチが、新華社電として伝えた。

 ADBは、4億 5,800 万ユーロ(約4億 9,960 万ドル)の借款を供与する。ADBのエネルギー専門家は、「大京津冀地域は中国の国内総生産(GDP)と人口の3分の1近くを占める。この融資プラットホームは地域初のグリーン融資プラットホーム(GFP)として、国内資金を呼び込み、エネルギー、交通、都市、農業など多くの業界の長期的な共同の努力を促し、地域の大気の質を改善する」と語った。

 昨年 12 月、ADBは初の政策借款を承認し、京津冀地区の大気汚染問題解決のために供与した。この借款プロジェクトは今年実施され成功を収めた。ADBの京津冀地区に対する複数年度借款による支援第2陣は、対象地域に首都北京、天津市、河北省だけでなく河南省、山東省、山西省、遼寧省、内蒙古自治区が含まれる。

 

中国売上高6年後約4割増に 日立がEV部品や病院運営の高度化注力で

2016年12月15日

 日立製作所の東原敏昭社長が、2015年度に約1兆5百億円だった中国での売上高を21年度に1兆5千億円に引き上げる目標を明らかにした。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 北京で記者会見した東原社長は、最新のITシステムを活用した病院運営の高度化や、政府が環境改善のために普及を促す電気自動車(EV)向け部品の販売など次世代自動車関連事業に注力する考えを明らかにした。

 また、中国経済について「生産能力を拡大する設備投資中心から、高効率や省エネ化など新たな価値を生み出す経済に大きく転換してきている」と語った。

 日立にとって中国は既に海外で最も売り上げの大きい市場となっている。日立には年に1度、海外で取締役会を開く慣例があり、14日、北京で取締役会を開催した。

 

空気・水・土壌浄化で環境改善5カ年計画

2016年12月14日

 中国国務院が第13次5カ年計画 (2016-20年)中の環境改善計画を発表し、汚染された大気、水、土壌浄化の具体的な任務を示した。チャイナ・ウオッチが北京5日発新華社英語版に基づく中国通信=共同通信電として伝えた。

 環境改善計画は、2020年までのより環境にやさしい生活様式、主要汚染物質の大幅な削減、環境リスクの効果的制御、よりよい生態系などの目標を設定している。

 これらの目標を達成するため、国務院は京津冀(北京・天津・河北)地域および長江経済帯沿線の各省(直轄市)が2017年末までに生態系保護のレッドライン(最低線)を設定し、その他の省(自治区、直轄市)も2018年までに設定するよう求めている。

 中国の主要な汚染源である石炭の消費は厳しく抑制される。京津冀と山東、長江デルタ、珠江デルタなどの地域および大気質ワースト10都市のうち石炭だきの影響が大きい都市は石炭消費のマイナスを実現しなければならない。特に北京、天津、河北、山東、河南と珠江デルタでは2016―20年に石炭の使用を10%減らし、上海、江蘇、浙江、安徽では5% 減らす。

 その経済力からみて、中国の環境保護はなお立ち遅れている。数十年の高度成長の結果、スモッグや水質、土壌汚染などの問題を抱えることになった。冬季の華北はしばしばスモッグに覆われ、環境汚染との戦いが緊急の困難な課題であることを示している。

 

16年の中国新車販売最高に=1~11月で2494万台

2016年12月13日

 中国自動車工業協会が12日発表した2016年1~11月の新車販売台数は前年同期比14・1%増の2494万8千台となり、15年通年の2459万7600台を上回って、年間販売台数が過去最高になった。小排気量エンジン車向けの減税措置が奏功したためで「世界最大の自動車市場」の座を維持することが確実となった。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 減税対象である排気量1600cc以下の乗用車が22・5%増の1562万8千台売れ、全体を押し上げた。人気が高まっているスポーツタイプ多目的車(SUV)も45・5%増の793万8800台と大きく伸びた。

 同時に発表した11月単月の販売台数も、前年同月比16・6%増の293万8700台で、単月として最高を記録した。減税措置が今年末で終了するのを前に、購入を急ぐ消費者が多かったとみられる。

 自動車産業は経済全体に与える影響が大きいため、中国当局は減税の延長を検討している。

 11月の乗用車の市場占有率(シェア)を国別に見ると、海外勢ではドイツが17・1%でトップ。次いで日本が16・1%を占めた。マツダが11月末時点で、今年の年間販売目標を達成するなど、日本勢も好調な販売が続いている。

 

中国国産空母来年初め進水か

2016年12月12日

 中国が遼寧省大連で建造している初の国産空母の船体と艦橋(ブリッジ)がほぼ完成し、中国内外の軍事専門家は来年初めにも進水するとの見通しを示している。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 共同通信が入手した写真は、12月上旬に撮影された。艦橋の外側には作業用足場が残されているが、船体では大半が取り外されている。中国メディアは、さびや腐食を防止するための船底部の塗装に着手したと伝えた。船首には「愛国」「協力」などのスローガンが書かれた横断幕を掲げている。関係者によると、艦橋内は夜間点灯しており、建造作業は昼夜を通して続けられているもようだ。

 建造中の空母の外観はウクライナから購入した空母を改修し2012年に就役した「遼寧」(排水量約6万7千トン)に酷似している。通常動力の排水量5万トンクラスで、遼寧で得られたノウハウを継承している。国防省や中国メディアによると、遼寧と同様、高圧蒸気などで艦載機を発進させる装置「カタパルト(射出機)」を搭載せず、船首部分に傾斜の ついたスキージャンプ式の甲板で艦載機の離艦を行う。

 軍事専門誌「漢和防務評論」などによると、遼寧省興城にある艦載機の訓練センターにはカタパルトを搭載した施設があり、上海で建造計画が進んでいるとみられる3隻目の空母で導入する可能性もある。カタパルト式は艦載機を高速で離艦させることができ、艦載機の搭載重量が大きくなるなどのメリットがある。

 軍事筋は「艦載機の開発やパイロットの養成など簡単ではない課題はあるが、中国の空母開発のスピードはかなり速い」と話した。

 

貿易総額8カ月ぶりプラス=中国、11月は2・9%増

2016年12月09日

 中国税関総署は8日、輸出と輸入を合わせた11月の貿易総額が、ドルベースで前年同月比2・9%増だったと発表した。8カ月ぶりのプラスとなった。公共事業の拡大などで内需が持ち直して輸入が増加。輸出も人民元安が追い風となって改善の兆しが出始めたもようだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として報じた。

 輸出が0・1%増と、8カ月ぶりに前年を上回った。輸入は6・7%増だった。

 1~11月の累計でみると、貿易総額が前年同期比で6・9%減少した。輸出が7・5%減、輸入が6・2%減で、本格的には回復していない。ただ、石炭や原油など資源関連の輸入は、数量ベースで大幅に増加した。

 中国での過剰生産が国際問題になっている鋼材は、1~11月の輸出が数量ベースで1・0%減った。0・5%増だった1~10月から、マイナスに転じた。反ダンピング(不当廉売)関税など、各国の対抗措置が響いた可能性がある。

 日本との1~11月の貿易総額は1・7%減だった。

 

5割増の3万7千店を計画=米スタバ、中国では倍増

2016年12月08日

 チャイナ・ウオッチがニューヨーク発共同通信電として伝えるところによるよ、米コーヒーチェーン大手のスターバックスは7日、世 界の店舗数を2021年までに現在より約5割多い3万7千店に増やす計画を発表した。巨大市場として重視する中国で5千店超に倍増させるほか、コーヒーの入れ方にこだわった高級店の展開にも力を入れる。

 米西部シアトルにある最高級店「スターバックス・リザーブ・ロースタリー」を17年に中国・上海、18年に東京と米ニューヨーク、五つ目の店舗を欧州にそれぞれ開業する。同 社はこれまでに米メディアに対し、リザーブ・ロースタリーを世界で計20~30店に広げる方針を明らかにしている。

 また、イタリアのベーカリー「プリンチ」と組んだ新業態の店舗を18年までにシアトルとニューヨーク、米中西部シカゴに順次開業。将来は世界で千店以上の展開を計画している。

 

鉄道高速化でインドネシア閣僚再訪日へ

2016年12月07日

 インドネシアのジョコ大統領の側近、ルフット調整相が12月20日前後に訪日することが、分かった。チャイナ・ウオッチが、ジャカルタ発共同通信電として伝えた。

 ルフット氏の関係者が明らかにしたもので、昨年10月に続く再訪日となる。首都ジャカルタと第2の都市、東部スラバヤを結ぶ既存鉄道(約750キロ)を高速化する計画などについて、日 本側と協議する予定だ。

 ルフット氏は11月に訪日を予定していたが、ジャカルタ特別州知事がイスラム教を侮辱したとして抗議する大規模デモが11月4日に首都で実施されたことなどを受け、予定を変更した。

 ジャカルタと高原都市バンドンを結ぶ高速鉄道計画は昨年、中国が受注したが、建設の遅れにより中国への不信感がインドネシア政権内で広がっている。既存鉄道の高速化事業では日本への期待が高まっている。< /p>

 

深圳と香港で相互取引開始=株式市場の活性化狙う

2016年12月06日

 中国広東省深圳と香港の株式市場で5日、株式を相互に取引できる制度が始まった。中国政府による金融自由化の一環で、個人を含む海外の投資家が香港市場を通じて深圳市場の銘柄を購入できる。新 たなマネーを呼び込んで中国本土の市場を活性化させる狙いもありそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 午前9時半(日本時間同10時半)に取引を開始。中国証券監督管理委員会の劉士余主席は深圳証券取引所で開かれた式典で、金融市場の対外開放を進める重要な一歩だとの認識を示した。

 5日の取引は、香港から深圳への資金流入は1日に取引できる上限額の20%程度にとどまった。深圳から香港に流れた資金も上限の約8%で、初日の取引は低調だった。一 部投資家の強引な株の買い占めを批判した劉氏の発言が伝わり、投資家心理を冷やした。

 同様の制度は、上海と香港の間でも2014年に導入した。大型の国有企業が多く上場している上海に対し、深圳はIT関連など新興企業が多く、海外の投資家にとっては選択肢が広がる。

 中国本土の投資家も香港の株式を買いやすくなる。本土から資本が流出する懸念もあるが、両方向の取引とも、1日当たりの取引額に上限を設けており、急激な資本移動を防ぐ。

 

感染症対策中心に連携強化 日中韓保健閣僚会合が声明

2016年12月05日

 4日、韓国の釜山で開かれた日本、中国、韓国3カ国の保健閣僚会合が、病原体の持ち込みを水際で防ぐため検疫業務の連携を強め、感 染拡大時も迅速に対応できるネットワークの構築を掲げた共同声明をまとめた。チャイナ・ウオッチが釜山発共同通信電として伝えた。

 塩崎恭久厚生労働相は会合後記者団に「3カ国間の人の往来は増加している。検疫で感染症をどれだけ防げるのか知恵を出すことに意義がある」と述べた。

 共同声明は、新型インフルエンザのほか近年の中東呼吸器症候群(MERS)、ジカ熱などのまん延を受け、公衆衛生分野での国際協力の強化が求められていると指摘している。3 カ国で検疫の対象となる感染症の種類や症例、関連法やガイドラインについて情報共有を進めることを打ち出した。生活習慣病などの非感染性疾患では、喫煙や肥満が危険因子になっていると言及し、2 018年の平昌冬季五輪や20年の東京五輪、22年の北京冬季五輪に向け、受動喫煙防止策での協力を明記した。

 今回は新たに医療分野での情報通信技術(ICT)、ビッグデータの活用も議論した。日本、中国、韓国3カ国の保健閣僚会合は今回が9回目。中国からは国家衛生計画出産委員会の李斌主任、韓 国からは鄭鎮ヨプ保健福祉相が出席し、塩崎氏と2国間会談も実施した。

 

ゲノム編集論文で疑問噴出

2016年12月02日

 英科学誌に発表された中国人研究者のゲノム編集に関する論文をめぐり、他の研究者らが実験データの開示を要求する騒ぎが起きている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 問題の論文は、河北科技大(河北省)の韓春雨副教授らが5月に英科学誌で発表した。生物の遺伝子を改変する「ゲノム編集」の画期的な新技術「NgAgo」を見つけたとしている。しかし、中 国内外の研究者から実験結果が再現できないとの報告が相次いだ。中国の研究者らが連名で、論文を発表した研究者側に全ての実験データの開示を求めるなど、中国の科学界を揺るがす事態に発展している。日 本で起きたSTAP細胞論文の不正問題の「中国版」と受け止められ、中国メディアからはSTAP問題における日本の科学界の対応を参考にすべきだとの声も上がる。

 NgAgoは既存の技術に比べ精度が高いとされ、中国メディアは当初「ノーベル賞級の成果」(新民晩報)と伝えた。ところがその後、実験結果が再現できないとして論文への疑義が浮上した。中 国メディアによると、中国科学院や北京大などの研究者13人が連名で10月、韓氏側に実験の生データを開示するよう求めるとともに、関係部門による調査を要求した。

 一方、河北科技大は論文への疑義が出た後もサイトで研究成果を宣伝している。河北省科学技術協会は7月、論文発表前までほぼ無名だった韓氏を協会副主席に抜てきした。河 北省は河北科技大にゲノム編集の研究施設を建設する方針を決めた。

 国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の鐘巻将人教授は「今のところ捏造ではないのでSTAP(細胞論文の不正問題)とは少し違う。論文に間違いは付き物で、疑義があれば議論することが必要だ。中 国の科学界が健全な議論を展開できるのかテストケースになるだろう」と指摘した。

 

11月の景況感2年4カ月ぶり高水準

2016年12月01日

 11月の景況感を示す中国の製造業購買担当者指数(PMI)が、2014年7月以来、2年4カ月ぶりの高水準となった。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した11月の製造業購買担当者指数は51.7。好不況の判断の節目となる50を4カ月連続で上回った。公共事業や不動産投資の拡大を受けて、中 国の景気は持ち直しの傾向が鮮明となっている。生産動向を示す指数は前月より0.6ポイント上昇し53.9となった。新規受注も53.2と0.4ポイント上がった。

 企業規模別では、大企業が53.4に上昇し、中規模企業も50.1と節目を上回った。一方、小規模企業は50を下回った。また、雇用指数は0.4ポイント上昇したものの49.2と引き続き節目を下回った。< /p>