第9回研究会「時代と共に発展する東南大学」/講師:浦躍朴、李愛群、顧忠沢、趙春傑(2008年6月5日開催)
科学技術振興機構(JST)中国総合研究センター主催の第9回研究会は6月5日(火)JSTにて開催されました。
今回講師にお招きした4名の先生方は、中国東南大学の浦躍朴・副学長、李愛群・土木エンジニアリング学院教授、顧忠沢・生物科学/医学エンジニアリング学院教授、趙春傑・基礎医学院教授です。
東南大学は清華大学、上海交通大学、同済大学と並ぶ有名大学です。特に工学科が中国屈指です。
「時代と共に発展する東南大学」をテーマとする今回の研究会では、中国総合研究センター(CRC)藤嶋昭センター長(東京大学特別栄誉教授、財 団法人神奈川科学技術アカデミー理事長)の挨拶の後、浦副学長をはじめ4名の先生方がそれぞれの専門分野における研究成果や最新の研究動向について講演しました。
浦副学長は「地域経済の発展を促進する東南大学の科学技術イノベーション」をテーマとして講演し、東南大学の歴史および成長ぶり、 特に地域密着型のイノベーション創出の成功経験について紹介した。
顧教授は「中国国家重点研究室の仕組み及び研究室の最新の研究成果」を紹介しました。
顧教授は1998年東京大学工学部藤嶋昭教授の元で卓越した研究業績により博士号を取得し、2002年東南大学に戻った直後に中国の科学研究者として最大の名誉の一つ である「長江学者」となっています。
続いて、趙教授は「神経発育と精神疾病」を題とする講演を行い、急増する中国の精神疾病の発病状況及び精神疾病の基礎研究・臨床研究の現状について紹介しました。
最後に、李教授は「土木エンジニアリングの構造制御と健康モニタリング研究の進展と応用」をテーマとして講演し、中国の高層ビルや大型橋梁の建設基準及び補強構造の現状について紹介しました。
李教授は中国四川大地震で露呈した建築基準の問題を踏まえて、耐震構造及びメンテナンスのためのモニタリングの必要性を強調しています。
急遽開催を決めた研究会にもかかわらず、たくさんの方に参加していただきました。ありがとうございました。
(中国総合研究センター フェロー 米山春子 記)
講演資料
- 「 地域経済の発展を促進する東南大学の科学技術イノベーション」
浦躍朴・東南大学副学長 ( 17,190kb/英文・日文) - 「中国国家重点研究室の仕組み及び研究室の最新の研究成果」
顧忠沢・生物科学/医学エンジニアリング学院教授 ( 3,675kb/中文) - 「 神経発育と精神疾病」
趙春傑・基礎医学院教授 ( 3,373kb/日文) - 「 土木エンジニアリングの構造制御と健康モニタリング研究の進展と応用」
李愛群・土木エンジニアリング学院教授 ( 4,768kb/英文)