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第59回CRCC研究会「円・人民元直接交換取引の開始とアジアの通貨戦略」/講師:露口洋介(2013年4月18日開催)

演題:「円・人民元直接交換取引の開始とアジアの通貨戦略」

開催日時・場所

2013年 4月18日(木)15:00-17:00

独立行政法人科学技術振興機構(JST)東京本部別館1Fホール

講演資料

円・人民元直接交換取引の開始とアジアの通貨戦略」( PDFファイル   476KB )

露口 洋介

露口 洋介(つゆぐち ようすけ)氏 :
信金中央金庫海外業務支援部上席審議役
/財務省日中金融協力アドバイザー

略歴

1980 年東京大学卒業、日本銀行入行。外務省出向・在中国大使館書記官、香港事務所次長、初代北京事務所長などを経て、2011 年4 月より現職。 著書・論文に『中国経済のマクロ分析』(共著/日 本経済新聞社/2006年)、『東アジア地域協力の共同設計』(共著/明治大学軍縮平和研究所/2009年)、論文に「中国人民元の国際化と中国の対外通貨戦略」(『国際金融』)、「円・人民元の直接取引開始」( 日本経済新聞「経済教室」)など多数。

講演レポート

 露口氏は、日銀の初代北京事務所長として勤務した経験などを基に早くから円・元直接交換取引を提案していた。財務省日中金融協力アドバイザーとして、日中の交渉にも関わる。2011年12月、野 田佳彦首相(当時)と中国の温家宝首相(当時)による会談で「日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化」という合意が成立した。これによって「円建て・人民元建ての貿易決済」「円・人 民元間の直接交換市場」などの道が開け、翌2012年6月1日、東京と上海で、銀行間為替市場における円・人民元直接交換取引が始まった。

 露口氏は、円・人民元直接交換取引が、米ドル過剰依存によるリスクの軽減、通貨の多様化を望む日中両国の利益につながるという意義を持つことに加え、人 民元の国際化を望む米国からも賛同を得ていることを強調した。

 「アジア各国は、アジア通貨危機、リーマン・ショックの経験を経て米ドル、米銀への過度の依存に対する危機感が高まった。『円でもよい』と いう通貨多様化を望む機運が盛り上がっているこの機を見逃す手はない。」氏は、日中で実現したことをアジア全体に広げることを提言した。

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