NPO法人 東京都日中友好協会共催 「日中平和友好条約締結35周年講演」(2013年12月6日開催)
第67回CRCC研究会 特別企画
小岩井忠道(中国総合研究交流センター)
元駐中国大使の丹羽宇一郎氏が2013年12月6日、 東京都日中友好協会、科学技術振興機構中国総合研究交流センター共催の講演会で、日 中両国首脳が面子を捨てて会談することを強く求めるとともに、日中両国民が信頼関係を持てるよう等身大の姿を見せ、お互いを理解するよう努力する必要を強調した。
丹羽氏は、まず日中両国民がお互いを良く思っていない現状が世界的に見て異常で、両国民と世界の人々との考えに大きなギャップが存在することを指摘した。米国の米調査機関ピュー・リサーチ・セ ンターが2013年7月に発表した中国に対する世界各国の好感度を調べた調査結果で、中国に好感を持つ日本人がわずか5%しかいないことを取り上げた。同じ調査で、次に中国に好感を持つ国民が少ないのはトルコ、イ タリア、ドイツだが、その割合は27~28%と日本よりははるかに多い。米国37%、欧州43%、中近東45%、中南米58%、アフリカ72%と、他の国、地域では中国に良い感情も持つ人の割合はさらに高まる。
日中両国民の9割がそれぞれ相手国をよく思っていない。こうした別の調査結果も示し、日本に来たことがない中国人が92~93%もおり、日 中両国とも相手国に知人がいる人がほとんどいないといった現実を変える努力を求めた。
日中の友好関係構築には、第二次世界大戦の後、両国歴代首脳を初め多くの人々の大変な苦労があったことに触れ、「今の日中首脳には、こうした先人の努力を水泡に帰す権限はない」と、関 係修復への積極的な行動を迫った。「歴史認識は違って当たり前。お互い武器はとらない。戦争はやらない。そうした共通認識で十分ではないか」との考え方も示した。
尖閣諸島については、大雨が降った時の野球の試合同様、中断して雨がやむまで待つ。その間に「青少年交流」「投資法協定、資材協定の締結」「地方都市同士の交流」の3つを進める―ことを提言している。
ピュー・リサーチ・センター: 「中国・米国に対する各国・地域の見方調査報告」
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