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「中国国際教育巡回展」などに日本からのべ42大学が参加

-日中学術交流に春の追い風-

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 「中国国際教育巡回展」(以下「巡回展」)は、中国教育部留学服務中心が主催する大規模な大学紹介のための展示会である。今年は3月9日から10日にかけて北京の全国農業展覧館新刊で行われ、日本を含む28の国と地域から350を超える大学や関連機関が参加した。

 独立行政法人科学技術振興機構(以下「JST」)では、延期となった昨年の「日中大学フェア&フォーラム」の参加予定校を中心に参加の呼びかけを行い、上海でのフォーラムとあわせてのべ42大学・機関が参加した。北京での「巡回展」の参加校は38大学・機関だった。

 会場では「日本・大学展区」に38大学・機関がブースを設け、各大学の担当者がブースを訪れる中国人学生に、大学の特徴などの説明に追われていた。期間中およそ1500人程度が日本の大学のブースを訪れたと見られるが、アメリカやフランスの大学はさらに大規模なプロモーションで学生を集めていた。

 9日午前中には留学服務中心白章徳主任の案内で、JST中村理事長のほか、有馬朗人下文部大臣、沖村憲樹JST顧問らが会場を視察した。

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 9日夕にはJST主催で日中両国の大学・機関関係者を招き、「日中交流会」を開催した。中国側大学は北京大学清華大学などの著名大学に加えて、遠くハルビン工業大学重慶大学など25の大学の関係者が駆けつけ、日本側大学関係者と教員の相互派遣や共同研究の可能性などについて意見交換を行った。また教育部、留学服務中心、中国科学院、中国社会科学院、中国科学技術協会国家自然科学基金委員会などから200名を超える参加者があった。

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 3月11日には場所を上海に移し、「上海地域サイエンスイノベーションフォーラム及びサイエンスパーク視察」が行われ、日本から34の大学・機関の約70名が参加した。産学連携に関するフォーラムでは、上海交通大学のサイエンスパークでの実績が紹介され、中国の産学連携の実情を知ることができた。とくに大学発のベンチャー企業には場所や資金の提供のほか、上場した場合に300万元(およそ4500万円)の賞金が与えられるなど、手厚い保護が行われていることが明らかになった。

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 その後サイエンスパーク内の4つのベンチャー企業を視察したが、大学を中心とした人と情報のネットワークが、ベンチャー成功の鍵となっていることがわかった。

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 フォーラムのあと、JSTの主催で「日中交流会」が行われ、ここでも日中大学関係者の間で、活発な議論が行われた。

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 12日には蘇州ハイテクパークを視察した。蘇州は東洋のベニスと呼ばれるほど、美しいたたずまいを見せているが、ここに中国でも最先端のハイテクパークが出現している。ハイテクパークには500を超える企業が入居しており、とくに中小企業が8割を占めるとの事だ。企業誘致のためのサポート体制や日本企業のための日本人学校設立など、細かい配慮がなされていた。また太湖周辺はエコパークに指定され、企業立地が禁じられるなど、環境保全にも配慮が見られた。

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 イベント終了後、日本の大学関係者にアンケート調査を行ったところ、今後も同様のイベントの開催を望む声は、90%以上に上った。

 以上(2013年 3月28日掲載)