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【速報】日中大学フェア&フォーラム in China 2014 - #05

2014年03月21日 馬場 錬成(中国総合研究交流センター特任フェロー)

日本企業などと活発に産学連携を推進

趙栄祥・浙江大学工業技術研究院院長の報告

中国のシリコンバレーを目指す活動

 浙江大学の国家のサイエンスパークは、2001年に創設されたもので、中国科学技術部の承認を受けた国家レベルのサイエンスパークである。

 設立の目的は、大学の科学技術の情報入手などを強化し、研究成果を技術移転して産業化とし、インキュベーションをおこすことである。

 最初は、浙江省の副省長だった人が運営の責任者として着任し、サイエンスパーク管理委員会を作り、発展有限公司作って実務をやることにした。この有限公司は学校が出資し、運営管理を行っている。

 現在、サイエンスパークには960企業が入っている。そのうち760は小規模の企業である。人員は1万人以上いる。面積は、68000平米であり、大半がハイテク企業である。こ のうち80パーセントは 浙江大学と深くかかわっている。これまでサイエンスパークから生まれた企業のうち3社が上場している。

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日中産学イノベーション交流会には多くの日中大学関係者が集まった。

 サイエンスパークの活動を説明したい。

 まずインキュベーションのプラットフォームの構築である。そして次はイノベーションプラットフォームの構築である。これを実務的に展開するためのプラットフォームの構築である。

 研究成果のプラットフォームのインキュベーションを行うために、大学は積極的に資金の提供を行っている。特に小規模の会社にとっては、資金が重要だありサイエンスパークは投資会社を設立している。こ うした資本融資のプラットフォームを作ることで小規模の企業を支援できた。こうした活動から多くの小さな企業が産業化に貢献できた。

 資金の調達だけでなく、設備の提供も大事な活動になる。大規模な設備を作る余裕のない人のために、ラボを作って提供している。これはサービス活動である。い かにいいサービスをするかが質を高めることになっている。

 目標はサイエンスパークがニーズにこたえることだ。それは質の向上に努めることになっている。つまりサービス体系を充実することを重視している。それは中小企業へのサービス提供になっている。

 サービス体系の基本は、場所と情報の提供、交渉などの手続きの支援である。ワンストップサービスによってすべて解決するように体制を整えている。操業のための付加価値を提供することがもっと大事だ。 

 その付加価値とは、①投資と融資、②研究開発の支援、③企業の成長支援、④共通の技術開発、⑤マンパワーの支援などである。

 この5つのプラットフォームを通じて企業にサービス提供をしている。

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浙江大学のサイエンスパークの現状を報告する趙栄祥・浙江大学工業技術研究院院長

 たとえば投融資のサービスでは、サイエンスパークとして1億人民元(約16億円)の資金を用意して民間の資本と連携するようにした。これまで100社以上の会社に投資している。小 さい企業の融資の困難を解消した。

 また操業の指導をするスタッフが50人いる。さらに事業に成功した企業から社員に来てもらい、事業化の指導をしてもらっている。

 これまで200回以上の操業サロンを開催し、浙江大学の教授にも指導や講義をしてもらっている。

 また研究センターを設立し、こちらにも毎年1500人来ている。知的財産や税務などの研究や研修をしちえる。企業の要請にこたえて技術的な指導をしたり、学生の就職する機会を提供している。

 大学のサイエンスパークなので、大学発のベンチャー企業創業などを重視している。こうした地道な努力が実を結び、国 家の初の大学の科学技術の創業教育とサイエンスパークのプラットフォームによって大学と産業界を結び付けている。

 日本の富士電機ホールディングス株式会社とは、2010年4月に共同で、「浙江大学-富士電機イノベーション・センター」を設立した。中国市場向けに新製品を開発し、新 事業を構築していくことを目標にして活動している。

 重点的な活動としては、新製品開発、新事業構築のほかに新技術研究、人材育成などにも拡大している。具体的な製品としては、スマートグリッド、輸送、水環境分野、産 業用ITソリューション分野など取り組んでいる。

 国際産学連携活動としては非常に活発に展開しているものである。

サイエンスパークはこれまで1200人以上の人材を育成した。欧米企業でのインターンシップの希望を募り、学生をあっせんしている。

 学生のベンチャー企業の創立を支援するために5千平米の土地を用意している。この3年間で350のベンチャー企業が創設されているが、これは中国国内でトップの数だ。

 他の地域での活動も活発だ。寧波市とは共同でサイエンスパークを設立して100以上の成果を移転した。江西省の政府ともサイエンスパークを設立した。こうしたサイエンスパークは「分園」と呼んでいる。地 方への技術移転を促進し、地元での発展に寄与した。

 サイエンスパークの設立以来、800以上の研究成果を移転し、700以上のインキュベーションを設立した。300以上の企業が成長もしくは成熟して大企業へと成長した。企 業の発展によって大きな建屋や土地が必要になり外部へと移転して発展している。浙江大学の教員と学生が兼業している人は、1000人を超えている。

 ネットワーク関連企業は、2010年10月にナスダックに株式を上場した。モバイルネットワークでは初めてのナスダック上場だった。