日中大学フェア&フォーラム開催報告&資料
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技術の実用化と日本留学を促進―日本技術展・日本大学フェア

2018年 5月15日 曹暉(中国総合研究・さくらサイエンスセンター特任フェロー)

 「日中大学フェア&フォーラム in CHINA 2018」では、5月12日午後、「日中大学学長等個別会談」のほか、「日本大学フェア」および「日本技術展」も同時開催された。

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「日本技術展」

 「日本技術展」では合計46のブースが用意され、50以上の日本の大学・企業が開発した多くの分野の技術が展示され、成果の実用化がアピールされた。自動車自動運転技術、自動車排ガス浄化触媒、産 業用ロボット、リハビリロボット、垂直離着陸機、8Kスーパーハイビジョン高精細ディスプレイ、スマートウォッチ、スーパーキャパシタ、ナノデバイス、工業廃水処理、医療器具、シニアライフ設備など、そ の分野は多岐にわたった。

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無動力歩行支援機ACSIVEへの問い合わせは技術展終了まで続いた

 名古屋工業大学 大学院工学研究科電気・機械工学専攻の佐野明人教授は、リハビリや高齢者の歩行補助のための無動力歩行支援機ACSIVEを紹介し、多くの参加者から注目を集めた。こ の装置は腰と膝下に装着するもので、バネと振り子の動きが作用し自力歩行をアシストする。モーターやバッテリーも無く、重量はわずか650gである。佐野教授は、「これはハイテクと呼べるものでもないが、確 実に人々の生活クオリティの改善を支援するものであるため、問い合わせに来る人が非常に多く、すでに20グループ以上が話しを聞きにきている」と語った。

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福島SiC応用技研のブース

 福島SiC応用技研株式会社はホウ素中性子捕捉療法(BNCT)設備のキーコンポーネント―SiC-BNCT大強度加速器中性子源を展示した。この製品は現在世界で唯一の多源多方向照射を実現しており、さ らに正確ながん細胞を死滅させつつ、正常な細胞には損傷を与えない。福島SiC応用技研の取締役石本学氏によると「日中両国で同時にこの設備を発売する準備をしており、今回の技術展参加では、医 療治験について協力が可能な機関を探している。わずか2時間にも満たない間にすでに4つの病院と10以上の大学・企業からの問い合わせがあり、反応も非常にいい」という。

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高知大学のブース

高知大学は世界で唯一の海洋岩石ボーリング技術を初めて出展した。高知大学海洋コア総合研究センターは世界3大コアレポジトリーのうちのひとつであり、ま た日本で唯一の海底ボーリング試料を冷蔵保管する施設を有して分析・研究を行う機関である。センターでは非破壊計測を代表とする各種分析が可能であり、関連の設備も全世界の研究者に対し開放している。

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神戸大学のブース

神戸大学は高齢社会を支える健康工学技術を展示した。高齢や疾患に伴う脳における高次脳機能障害、失語症、半側空間無視、認知機能障害、身体における上肢運動障害、下肢の変形性膝関節症や、歩 行および走行運動機能障害などについて、定量評価を行い、斬新なリハビリテーションを目指したロボットシステム技術の研究開発事例を紹介した。

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群馬大学のブース

 これらの他、群馬大学は協調型自動運転技術、ヒューマンマシンインタラクション関連技術、配車・管制システム関連技術など、自動車自動運転時に不可欠な研究成果を展示した。大 阪工業大学は自動車の不整地での運転を支援する装置およびロボット駆動装置を出展した。

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中国の学生と保護者から日本の大学への留学情報の問い合わせ

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「日本大学展」の様子

「日本大学フェア」では34の日本の大学・高専が出展し、現地の学生およびその保護者にそれぞれの学校の特徴をアピールした。日本留学に興味のある学生は直接学校側に質問をぶつけ、そ の回答をすぐに得られたため満足度は非常に高かった。

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