【13-31】特許出願数・受付数とも中国1位
2013年12月11日
世界知的所有権機関(WIPO)が12月9日に発表した「世界知的所有権統計」によると、2012年に中国が初めて出願者の国籍別で最も特許出願数の多い国となった。出願受付件数でも、中 国国家知識産権局(SIPO)が世界で最も多い特許庁となっている。
中国の2012年の国籍別特許出願件数は、560,681件。日本の486,070件、米国の460,276件を上回った。特許出願受付件数で比較しても、中国国家知識産権局は652,777件に上り、米 国特許商標庁(USPTO)の542,815件、日本の特許庁の342,796件を超えている。
中国はまた、特許に加えて実用新案、商標、工業デザインの出願件数でも1位となり、中国国家知識産権局もまたこれら4つの知的財産権出願受付件数で1位の特許庁となった。
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WIPOによると、世界の知的財産権出願件数の伸びは2008年に始まった世界的な金融危機以前の勢いを超えるまでに回復している。中国国家知識産権局は、特許、商標、工業デザインの出願受付件数が、2 011年から2012年の1年間で2桁の伸びを記録した。これら3つの知的財産権の出願受付件数が2桁も伸びたのは、日本の特許庁、米国特許商標庁、欧州特許庁、韓国特許庁を加えた世界の5大特許庁で唯一、中 国国家知識産権局だけだった。
日本の 特許庁の資料によると、世 界の特許出願は1990年代に急増した。2006年の5大特許庁への特許出願件数は、米国416,000、日本409,000、中 国210,000、韓国163,000、欧州137,000となっている。W IPOによると、知的財産権の出願受付件数は、高所得国中心から中・低所得国へ移行する傾向が顕著になっている。今回の発表では、特 許に関してはまだ高所得国が64.5%と優位にあるものの、商 標と工業デザインに関しては、中・低所得国がそれぞれ52.6%、64.0%を占め、高所得国グループを追い抜いている。
世界知的所有権機関(WIPO)プレスリリース
「
world Intellectual Property
Indicators - 2013 Edition」
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