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【14-04】中国科学技術部、2014年の十大重点任務を発表(詳報)

2014年 1月30日

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万鋼部長の業務報告 科技日報記者の周維海氏が撮影

 科技日報によると、1月9日、2014年全国科学技術工作会議が北京で開かれた。全国政治協商会議副主席、中国科学技術部部長の万鋼氏が業務報告を行い、2013年の科学技術業務を総括し、「2014年科技工作重点任務」を決定した。

 同会議はまず、習近平総書記の中国共産党第18回全国代表大会(十八大)以来の、科技革新に関する一連の重要思想および新たな論述・指示を学習し、科学技術界が中国の特色ある自主革新の道を歩み、イノベーション主導型発展戦略を加速する自信と決意を深めると宣言された。また李克強総理の科学技術課題に関する重要な意見が読み上げられ、劉延東副総理の今年の科学技術に対する明確な要求を伝え、科学技術課題の直面している新たな情勢と要求を確認した。

 万部長はまた「党の十八大以来、党中央委員会と中国国務院の力強い指導を受け、全国の科学技術戦線は積極的に取り組みを進め、革新に努め、着実に業務を推進し、科学技術体制の改革を進め新たなブレークスルーを促し、イノベーション主導型発展の新たな成果を獲得し、イノベーション型国家の建設が新たな段階に到達した。社会全体のR&D経費は1億1800万元に達し、GDPに占める比率が2%に達する見通しである。そのうち企業のR&D経費は76%以上に達する。研究開発者の総数は、年間360万人に達する見通しだ。国内の有効な発明特許は59万件に達し、前年度比で24%増となった。国際科学技術論文数は世界2位を維持し、被引用数で世界5位になった。全国技術契約取引額は前年度比16%増の7469億元に達した。全国ハイテク産業売上高は、前年度比10%増で11兆元を突破する見通しだ。科学技術課題は、経済・社会の発展の着実な推進と順調な立ち上がりに向け、重要な貢献を果たした。そのひとつは科学技術体制改革の不断の深化、重点改革措置に実質的な進展があった。もうひとつは重大科学技術問題の解決に取り組み、経済・社会の発展の質の向上を支えた。そして基礎研究および戦略的ハイテク技術研究で重大な進展を実現し、オリジナル革新能力が安定的に強化された。さらに革新政策環境の改善を続け、国家革新体制の全体的な効果が現れた。最後にマクロ戦略研究をさらに深化させ、イノベーション主導型発展戦略の実施を加速した」と振り返った。

 続けて「中国の科学技術課題は現在、新たな歴史の一地点に立っている。党中央委員会、中国国務院は科学技術の発展に対して、新たなより厳しい要求を出している。科学技術課題は重大な機会を迎えており、科学技術界はより重要な歴史的使命を担っている。イノベーション主導型発展戦略のより良い計画と実施を進めることは、中国科学技術発展の重大な機会であり、科学技術者が担うべき責任である。新たな世界的な科学技術革命と産業の変革が、中国の経済発展におけるモデルチェンジの加速と歴史的な交差を見せており、科学技術課題に得難いチャンスを提供した。科学技術者はこの重大なチャンスを掴み取り、より大きな志と固い決意により、イノベーションの飛躍的な発展の推進を加速しなければならない。科学技術は経済・社会の発展を促す重要な支柱であり、改革の全面的な深化を促す重要な力でもある。科学技術者は、科学技術イノベーションの重要性を十分に認識し、さらに力強く科学技術改革の発展を促し、中国の改革の全面的な深化に向け新たな貢献を成し遂げなければならない」と強調した。

 さらに万部長は「科学技術課題と、党・国家からの要求の間にはまだ開きがあり、科学技術事業はなおも数多くの挑戦と困難に直面していることをはっきりと認識する必要がある」と指摘し、その上で「科学技術体制改革の歩みは、技術革新の市場を中心とするメカニズムの構築を加速する要求にまだ合致していない。科学技術の効果的な供給能力は、経済・社会の発展の品質・効果の改善の要求にまだ合致していない。また科学技術の管理方式は、加速する科学研究経費の膨張、日増しに複雑化する科学技術イノベーション活動に十分適応していない。政策環境は、科学研究者のイノベーションへの活力を効果的な刺激は、その要求にまだ及んでいない。科学技術者はさらに大きな勇気と智慧により革新への自信を深め、科学技術の生産力発展を妨げるすべての体制・メカニズム面の障害を大胆に取り除き、改革のボーナスを引き出し、中国の科学技術事業を新たな階段に乗せるべきだ」と主張した。

 「2014年の科学技術業務は、党の十八大、二中全会・三中全会(18期中央委員会第2回・3回全体会議)、中央経済工作会議の精神の全面的に貫徹する」ことを念頭に、「①イノベーション主導型発展戦略の推進、②自主革新能力強化への取り組み、③科学技術体制改革の推進の加速、④技術革新の市場を中心とするメカニズムの健全化、⑤政府職能の変化の徹底、⑥科学技術のイノベーション管理レベル・サービス能力の向上、⑦科学技術改革による発展の新たな成果の獲得、⑧中国経済のレベルアップおよびイノベーション型国家の建設に向け、新たな貢献を成し遂げる」と万部長は強調した。

 そして2014年に主に推進する十大重点任務を、次のように挙げた。

  1. イノベーション主導型発展戦略のトップダウン設計を強化し、より高いレベルから科学技術の長期的な発展を目指す。
  2. 技術革新による市場志向メカニズムの建設に対する要求に基づき、重点改革を推進し実質的なブレークスルーを実現する。
  3. 重大特別プロジェクトなどの任務の実施を着実に推進し、重点分野・戦略的産業の飛躍的な発展の実現に尽くす。
  4. 基礎研究と戦略的ハイテク技術を強化し、独自のイノベーション能力の向上に取り組む。
  5. 現代農業の発展を加速し、国家の食糧安全を守る。
  6. 科学技術の利益を国民にもたらし、科学技術革新成果の国民への貢献度を高める。
  7. 地域イノベーション能力を強化し、地方経済・社会の発展に役立てる。
  8. 人材発展メカニズムを改善し、科学技術人材のイノベーションの積極性を最大限に引き出す。
  9. 科学技術イノベーションの政策体制を健全化し、良好な革新環境を形成 する。
  10. 科学技術の開放と協力を拡大し、世界的な視野で科学技術の革新を計画・推進する。

 本報告の司会を務めた王志剛副部長は最後に「中央委員会はイノベーション主導型発展戦略の実施を発表した。科学技術課題は戦略レベルでも業務レベルでもその中心となる。科学技術者は全体を見渡す視野・統一性・システムコンセプトなどを着実に強化し、自覚的に科学技術課題を党・国家の発展全体に据えた計画・手配を進め、科学技術の最重要生産力としての作用を発揮しなければならない」と強調した。

 また王副部長は、イノベーション主導型発展戦略を徹底し、2014年の科学技術課題に取り組む際に、次のいくつかの点を重点的に把握する必要があるとして以下の要求を述べた。

  1. 広い視野を持ち、全体の計画を立案する。イノベーション主導型発展戦略のトップダウン設計を徹底し、けん引役としての力量を発揮し、関連部門との協調を強め、科学技術界・産業界・社会各界に幅広く動員をかける。科学技術の主な方針を調整・改善し、イノベーション資源を集約化し、協力してイノベーション発展を推進する新たな局面を形成する。
  2. 重点を把握し、発展を促進する。重大コア技術のブレークスルーを果たし、経済・社会の発展における重大かつ困難な問題を解決し、「中国の夢」の科学技術イノベーションの新章に向けてより大きな貢献を成し遂げる。
  3. 改革を進め、効率を上げる。三中全会の精神を貫徹し、科学技術と経済・社会の発展とをつなぎ、政府の職能転換を加速し、制度や体制の全面的な改革により、イノベーション主導型発展戦略の実行を保障する。
  4. 業務を把握し、その進め方を変える。各級の科学技術管理部門は業務態度を変え、党の大衆路線教育実践活動の成果を固め、常態化・長期有効化のメカニズムを構築する。「八項規定」の施行を徹底し、清廉な党・政治の気風を形成し、党の規律を厳正にし、クリーンかつ効果的な機関を建設し、党の路線・方針・政策を科学技術システムの中で貫徹させる。

 同会議のグループ別セッションにおいて、出席者は中央委員会の指導者の重要な指示の精神を真剣に学習し、万部長の業務報告、党組織一号文書などを巡り活発に議論した。

 中央委員会および国家機関の関連部門の責任者、中国科学院中国工程院、国家自然科学基金会、中国科学技術協会、国家国防科技工業局などの科学関連部門の責任者、中国科学技術部の指導者および各部門の主な責任者、全国各地の科学技術部の主な責任者、一部の国家自主イノベーション模範地区の管理委員会の責任者など、200人余りの代表者が同会議に出席した。