【14-06】若者交流の促進を 岩谷滋雄・日中韓三国協力事務局長提言
2014年 3月13日 小岩井 忠道(中国総合研究交流センター)
日中韓三国協力事務局の岩谷滋雄・事務局長、陳峰・事務次長、李鍾憲・事務次長が3月11日、日本記者クラブでそろって記者会見した。
3氏は、2国間の問題が3国首脳会議開催の障壁になっている現実を認める一方、東アジアの安定と繁栄のために日中韓3国が協力する意義を強調した。岩谷事務局長(前駐オーストリア日本大使)は、「日中韓の協力の最終目標は、安定、繁栄をもたらす地域統合。短い時間ではできないが、将来は楽観している」と見方を示した。数多い協力可能な分野野一つとして、岩谷氏が挙げたのが、政治、メディア関係者の対話に加え、大学生、高校生、中学生、小学生レベルの交流促進。「人と会う機会を増やすことで、報道から得られる対日本・中国・韓国観とは異なるそれぞれの国に対する見方をつくってもらいたい」と語った。
相互交流の支援については、陳、李両事務次長も同じように大きな期待を示している。中国外交部アジア局参事官などを務めた陳氏は、環境保全、森林保全などの分野で経験豊かな日韓両国との協力に期待を示すとともに、地方自治体レベルの交流の重要性を挙げた。具体的には2国間で数多く結ばれている姉妹都市などの連携を3国間に広げることを提言している。
在ドイツ韓国大使館公使などの経歴を持つ李事務次長も、社会・文化面での交流が政治的な課題を克服できるとの考えを示し、特に計画中の3国ジャーナリストの交流プロジェクトを紹介し、メディアの役割に大きな期待を表明した。「政府関連機関に加え、文化的、歴史的意義ある場所を見てもらい、意見交換し英知を出し合ってほしい。3国のジャーナリストの相互理解が深まれば、いずれ緊張緩和につながる」と語った。
日中韓三国協力事務局は、2009年10月、北京で開かれた第2回日中韓サミットで李明博・韓国大統領が提案、翌2010年5月、韓国・済州島での第3回日中韓サミットで韓国に設置することが決まった。「3カ国首脳会議、外相会議、その他の閣僚会議等の3国間の協議の仕組みを運営、管理するための支援を提供」し、「協力案件の探求および実施を促進することにより、3者間の協力関係の一層の促進に寄与」することを目標に掲げている。
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