【14-27】訪日外国人客年間1,300万人に 中国80%増
2014年12月18日 小岩井 忠道(中国総合研究交流センター)
今年1-11月までに日本を訪れた外国人客は1,200万人を超え、年間で1,300万人を超す見込みとなった。日本政府観光局が12月17日公表したもので、1-1 1月までに訪れた中国人客は221万9,300人と、台湾261万7,700人、韓国248万4,400人に次いで3番目の多さ。ただし、前年同期比で見ると82.2%増と、台湾27.0%、韓国9.3%を 大きく引き離している。
日本政府観光局によると、2014 年 11 月に日本を訪れた外国人客は、前年同月に比べ39.1%増の 116 万 9 ,000人で、これまで 11 月として過去最高だった 2013 年の84 万人を 32 万 9,000人上回った。また、今年 3月から 9 カ月連続で月間 100 万人を超え、11 月までの累計で 1,217万7,500 人となった。
国・地域別では、英国、ロシアを除く主要 16国・地域で 11 月としての過去最高を記録した。これまで訪日旅行者の多くを占めていた東アジアに加え、経済成長が著しい東南アジア、さらに、北 米や欧州などからも訪問客は順調に増えている。中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、オーストラリア、フランス、ドイツは、1-11月の累計で、既に過去の年間最高数を上回った。
10月の国慶節のため中国人の外国旅行客は例年、11月に落ち込むが今年は11月だけで20万7,500人と前年同月と比べ倍以上(103.6%)もの増え方だった。円安の継続、大型クルーズ船の寄港、1 0 月からの消費税免税制度拡充という共通の理由に加え、中国からの訪問客の急増は、北海道方面への新規航空路線の開設やアジア太平洋経済協力会議(APEC )開催による北京市民の特別休暇などによる、と 日本政府観光局は見ている。
12 月 1 日からは IC 旅券を所持するインドネシア国民への事前登録制によるビザ免除措置も始まった。12 月の訪問客も過去最高を記録し、年間では 1,300 万人を突破すると、日 本政府観光局は見込んでいる。
日本政府は、東京オリンピックの開かれる2020年に海外からの観光客を2,000万人にふやす目標を掲げている。11月20日都内で開かれた「日中産学官交流フォーラム」に パネリストとして参加した張季風・中国社会科学院日本研究所所長助理は、「この目標は低すぎる。中国の消費、需要はいずれも比較的高い成長率を引き続き維持し、5、6 年後には中国からの観光客だけで年間2,000万人になるだろう」と語っていた。
中国からの報道によると、中国の海外旅行者数は今年1億人に達し、海外旅行での消費も世界で最も多く、国際観光収支の赤字が1,000億ドルを超え、世界最大の観光収支赤字国となったとみられている。
2014年11月 訪日外客数 (JNTO推計値)
Visitor Arrivals for Nov. 2014 (Preliminary figures by JNTO)
関連リンク(外部)
- 2014年12月17日
- 日本政府観光局プレスリリース 訪日外客数( 2014年11月推計値)」
- 2014年10月01日
- 国土交通省観光庁プレスリリース 消費税免税制度を活用した外国人旅行者の誘客について」
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