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【16-12】吉林大生の権成実さん優勝 日本語スピーチコンテスト

2016年 7月21日 小岩井忠道(中国総合研究交流センター)

 全中国選抜日本語スピーチコンテストが7月19日、東京の日経ホールで開かれ、吉林大学生、権成実さんが優勝した。

 権さんは、今回、主催者から与えられた2テーマのうち「日中交流から見る文化の多様性」を選び、大学生交流イベントで仙台市を訪れた体験によって、文化の多様性の持つ意義に気づいた喜びを素直に語り、審査員たちの高い評価を得た。

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写真1 優勝した権成実さん

 権さんは、日本人の学生に誘われて踊ってみて、すぐに「引き込まれた」という仙台の伝統芸能「すずめ踊り」を、身振り手振りも交えて紹介した。日本人学生と一緒に郷土料理をつくった体験ともども、「ふるさとに帰ったような温かさと、中国人と日本人の一体感を感じた」と、交流によって得られた充実感を表現した。

 日本語スピーチコンテストの出場者16人は、いずれも中国各地で行われた予選を勝ち抜いてきた大学生ばかり。スピーチの後に司会者が発する質問に対する答え方に差が見られたものの、スピーチそのものは、優劣つけがたい出来映えだった。権さんのスピーチについて審査委員長の立石博高東京外国語大学学長は、「地域の文化と共通の文化の違いと、それら二つの文化の融合の必要性を含め、文化の多様性をしっかり語っていた」と称えた。

 権さんは表彰式後のあいさつで、主催者に対する感謝の言葉に続けて「日中交流の架け橋になりたい」と抱負を述べた。

 「全中国選抜 日本語スピーチコンテスト」は、中国で日本語を学ぶ大学生を対象に日本経済新聞社、中国教育国際交流協会、日本華人教授会議が毎年、開いている。2006年に第1回が開かれ、今年は11回目となる。

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写真2 本選出場者と審査委員の記念撮影