【16-13】「一緒に大きな架け橋を作りたい」タレント段文凝
2016年 8月 2日 三木孝治郎(中国総合研究交流センター)
「生きるために日本語を勉強したんです」「天津飯は天津にはない」と何回言ったことか
7月19日、東京で開かれた「全中国選抜日本語スピーチコンテスト」(主催:日本経済新聞社、中国教育国際交流協会、日本華人教授会議)にトークショーのゲストとして登場したタレントの段文凝さん。7 年前、日本語ができないままに留学し「(日本で生活し)生きていくために日本語を勉強した」というころ、先生に連れられてこのコンテストの会場に来ていたが「まったく聞き取れなかった」という。
いまは早稲田大学の大学院でのジャーナリズムの勉強を終え、NHK Eテレ「テレビで中国語」のネイティヴ発音担当として日本人に中国語を教える一方、本 国でテレビ局のアナウンサーを勤めた経験を生かしタレントとしての活躍の場を広げようとしている。
この日のトークショーでは、「いままでにやったことがないことに、一つでも二つでもチャレンジしたい」と語り、演技力が求められる女優業に挑戦するためさらに日本語をブラッシュアップする考えを明かした。
コンテスト参加者に対しては、「私は今まで『日中の架け橋』になりたいと言って来たけれど、やっぱり一人の力では足りない。ひとりではどんなにがんばっても、できたとしても、できた橋がちっちゃいです」と 述べ、「みなさんと一緒にもっと大きな『架け橋』を作りたい」と呼びかけた。
もっとも最初から大上段に構えるのではなく、身近なことからと考えている。
まず「中国人はみなそうでしょう」という日本人からの質問に対し、「それは違うよ」「中国は広いです」「私のふるさとではそれと違う」「私の好きな食べ物はこうです」と答えたいという。
「天津には天津飯はありません」と天津出身の段さんが言うと日本人はとても驚く。今までにもう100回くらい答えた経験があるけれど、「もっともっと言いましょう」。
中国の各地にある違いを理解してもらうための、「小さな架け橋」が大事だ。「面白いことを通じて人と人の距離感を縮めたい」と意気盛んだ。
写真1・写真2:日本語スピーチコンテストの表彰式後、出場者らと記念撮影