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【16-20】駐日中国大使主催の壮行会開催 中日若手科学技術担当者交流計画スタート

2016年10月11日 中国総合研究交流センター編集部

 日中の科学技術交流を促進するため中国科学技術部が、若手行政官も含めた中日若手科学技術担当者交流計画をスタートさせた。中国政府の招待により、科学技術関係府省と大学・国立研究開発法人の研究者・管理担当者ら78人が9日から1週間、中国を訪問、北京や地方都市で中央・地方の科学技術政策担当者と意見交換し、科学技術施設、関連企業などを見学する。

 出発前々日の7日夕、都内の駐日中国大使館で、程永華大使主催による壮行会が開かれた。壮行会には、40歳以下で中国での駐在経験がないという条件にかなう内閣府、外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の若手行政官と、大学、国立研究開発法人の研究者・管理担当者ら訪中団員に加え、府省、大学、国立研究開発法人の幹部、中国のメディア関係者など約70人が集まった。

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写真1 あいさつする程永華大使

 出席者たちを前にあいさつした程大使は、「中日両国関係は、ここ数年、回り道を経験した」と述べた上で、最近の習近平国家主席の言葉を引き、「中日関係重視という中国政府の認識は変わりない」と明言した。さらに今回の「日本行政官および大学関係者の招へいプログラム」の実現に当たっては、駐日中国大使館の積極的な働きかけがあったことを明らかにし、「同じ立場の若手担当者と交流することで、中国の科学技術発展に対する認識と理解を深め、引き続き中日の科学技術分野の交流、協力を推進してほしい」と78人から成る第一陣の訪中団員に呼びかけた。

 科学技術振興機構は、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術分野で交流を深めることを狙った「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」を2014年から進めている。高校生と40歳以下の若手研究者を10日程度という短期間招待し、日本の科学技術に触れてもらう事業だ。招待者たちに対するアンケートで、ほとんどの人が「満足した」と答えているように、期待通りの成果が上がっている。この事業では、高校生と若手研究者のほかに、行政官を対象にしたコースもある。中国からは、初年度に40人、次年度42人、3年目の今年度は60人(予定)の行政官が日本に招かれている。

 程大使はあいさつの中で、「3,000人を超える中国の若手科学技術担当者や高校生が『さくらサイエンスプラン』によって招へいされ、成果を挙げている」と、高く評価した。「日本行政官および大学関係者の招へいプログラム」は、さくらサイエンスプランの中国側とりまとめ機関である中国科学技術部が、「さくらサイエンスプラン」の意義を認め、100万元(約1,500万円)の予算を組んでスタートさせた。

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写真2 参加者たちと歓談する程大使(右から2人目)

 壮行会には、程大使以下、多数の中国大使館員も参加し、訪中団員や日本の政府関係者たちと親しく懇談する姿が見られた。訪中団の一人、瀬海美穂さん(京都大学大学院医学研究科助教)は、研究室に中国人の大学院生が多く、一緒に実験などをする中で、男女を問わずパワフルで積極的な研究姿勢に感心しているという。「中国の医学系研究現場でどのような機器、設備が使われているかなど日本との違いを見てくるのが楽しみ」と、語っていた。

 また、石木寛人さんの専門は緩和医療(東京大学医科学研究所付属病院緩和医療科特任助教)。抗がん剤が効かなくなったがん患者などのQOL(生活の質)を維持し、結果として延命効果も期待できるとして、近年、国際的に関心が高まっている医療分野だ。「中国の実情を見てきたらどうか」という先輩医師に勧められ、参加したという石木さんは、テレビ電話とインターネットを利用した遠隔医療にも大きな関心を持つ。「緩和医療の将来を考える上でも遠隔治療の重要性は、共通」と、中国訪問の成果に対する期待を示していた。

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写真3 記念写真に納まる訪中団員と日本政府関係者