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【17-32】高被引用論文研究者数で中国3位に クラリベイト・アナリティクス社発表

2017年11月30日 小岩井忠道(中国総合研究交流センター)

 国際情報サービス会社「クラリベイト・アナリティクス」は11月15日、2005~2015年に発表された論文を対象に、論文が他の研究者に引用された数が特に多い研究者約3,300人を「高被引用論文研究者」として発表した。中国(香港を含む)が、昨年から41%増えて249人となり、昨年、一昨年の4位からドイツを抜いて米国、英国に次ぐ3位に浮上した。同社は「高被引用論文研究者」の中で、論文発表直後から急激に被引用数が増えた論文(ホットペーパー)を2014~2015年の2年間に14本以上発表した研究者21人を「最もホットな研究者」として併せて公表している。21人の中に中国から尹珅(Shen Yin)ハルビン工業大学航天学院制御科学工学科教授が入った。中国から「最もホットな研究者」に選ばれたのは、2014年に同じハルビン工業大学航天学院制御科学工学科の高会軍(Huijun Gao)教授についで2人目となる。

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尹珅ハルビン工業大学教授(ハルビン工業大学ホームページから)

クラリベイト・アナリティクス社が選んだ「最もホットな研究者」

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 中国の「高被引用論文研究者」249人のうち、中国科学院の研究者が44人に上るのが目を引く。これは中国科学院が、米国のハーバード大学、スタンフォード大学、ドイツのマックス・プランク協会に次いで、被引用数が多い研究者を擁する研究機関であることを示している。

 「クラリベイト・アナリティクス」によると、論文の被引用数は、一般的に発表後 2 ~ 4 年でピークに達する。発表後ただちに注目を集め、急速かつ大量に引用される論文がホットペーパーと呼ばれるのは、重要度がとりわけ高いとみなされるためだ。「クラリベイト・アナリティクス」は、過去2年間に発表された論文を対象とし、2カ月間ごとに被引用数を調べ、それぞれの論文の最近2カ月間の引用数のみを数えて基準以上の被引用数があったかどうかで判定する手法をとっている。ホットペーパーに選ばれるのは、論文全体の0.1%しかない。

 国別の比較は、研究者の国籍によるものではなく、研究者の第一所属機関(Primary affiliation)が所在する国がどこかを示したものだ。従って中国の「高被引用論文研究者」249人には、中国の研究機関に所属する中国人以外の研究者も含まれる。他方、「最もホットな研究者」に選ばれた21人のうちには、ハルビン工業大学に所属する尹珅教授以外にも、サウジアラビアや米国の大学、研究機関を第一所属機関とする王祥科(Xiangke Wang)氏、周国城(Kuo-Chen Chou)氏、張鋒(Feng Zhang)氏のように国籍や出身地が中国とみられる研究者が含まれている。

 日本からは、72人が「高被引用論文研究者」に選ばれた。しかし、「最もホットな研究者」21人の中に日本人の名は無く、第一回の発表である2014年までさかのぼってもまだ日本人はひとりもいない。今回の「高被引用論文研究者」72人のうちの1人で、2014年以来、4年連続で選出された城戸淳二山形大学教授は、今年4月、自身のブログで、日本の「高被引用論文研究者」の数が2014年に比べ半減している状態を憂える心境をつづっている。今回もこの状態は変わらない。

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