【07-07】姉妹校の上海甘泉外国語中学校からの熱烈な歓迎~初めての中国への修学旅行報告記~
東谷 仁(城西大学附属城西高校校長) 2007年10月20日
姉妹校の上海甘泉外国語中学校から熱烈な歓迎を受けてあっという間に過ぎた1週間、初めての中国への修学旅行報告記
東京都豊島区の城西大学附属城西中学高等学校は、2006年2月に上海にある甘泉外国語中学校と姉妹校の協定を結んで以来、 「過去に学び、ともに未来を展望する交流」を目的に、修学旅行の準備を行なってきました。9月2日から6日間の日程で、高校2年生97人の生徒と6人の引率教員が初めて中国を訪れました。
9月2日、上海の浦東空港に着いた一行は、高層ビルが林立し、高速道が縦横に走る上海の超近代都市の姿に驚きました。上海博物館を見学し、開発著しい浦東地区を望む外灘公園で記念写真を撮りました。
翌日の3日は、上海事変のとき上海市民 の抗戦の記録を後世に伝える上海ショウコ抗戦記念館を訪れ、戦没者を慰霊する鐘の前で生徒代表が献花し全員で黙祷しました。
午後からは、姉妹校の甘泉外国語中学校 を訪問し、日本語を第1外国語として学んでいる生徒の熱烈な歓迎を受けました。歓迎式典では、両校の校長と生徒代表がそれぞれ挨拶しました。
城西の生徒を代表して柴田行範君と上之園麻友さんが、「私たち城西生は、今回の訪問を機に甘泉外国語中学校の皆さんと交流し友情を深めていきたい」、「ぜひ城西中高も訪問してください」と 日本語と中国語で挨拶しました。
式典のあと、両校からの出し物があり、甘泉中学からは民族舞踊、二胡独奏、独唱 新体操などが披露されました。どれも素晴しかったです。
城西からは、参加者全員によるカレッジソング「夢よはばたいて」の合唱、さらに空手の演舞、 女子有志によるダンス「荒城の月」が披露されました。
両校の出し物が終わったあとは、太極拳中国・切り紙・中国組みひもの3つのグループに分かれ、甘泉中の生徒の熱心な指導のもと城西生が教わりました。和気あいあいとした雰囲気の中、両 校生の会話も弾みました。
両校の相互交流は今後も続けられますが、来年は甘泉外国語中学校生徒の来日が期待されます。
そして、夜は「上海雑技団」の人間技を超えた、超美技にハラハラドキドキの時間を過ごしました。
3日目は、杭州に移り、あいにくの雨でしたが西湖遊覧を楽しみました。また、かつて空海も訪れたという名刹霊隠寺の見学もしました。
4日目は、魯迅の故郷である紹興を訪れ、魯迅記念館、魯迅故居などを見学し、その日の午後、蘭亭より会稽山を眺め、杭州に戻り銭塘江に面 する六和塔に登り絶景を堪能しました。夕 方は夕食の前のひと時を、南宋の雰囲気あふれる河坊街で過ごし、お土産を探したり、「茶芸」を見学したり思い思いに古い町並みを散策しました。
5日目は、早朝、上海に戻り、南京路で買い物、後は上海空港から帰途につくばかりと、ほっとしていたのも束の間、1つの情報が、旅行団に 「延泊」という嬉しいような悲しいような、複 雑な思いをさせるプレゼントをもたらしました。
台風9号が関東を直撃、帰るための飛行機が日本から来なくなってしまったのです。 「貴重な経験」を最大のお土産に修学旅行は終わりました。
以下、生徒の感想を抜粋で紹介しましょう。
僕は「上海ショウコ抗戦記念館」を見学して、 日中戦争の歴史をより深く理解することがで きました。 これからの日本がどう歩むべきかを思いました。( 2D見澤達也)
西湖遊覧は雨に煙っていましたが、それが却って西湖を綺麗に演出していました。霊隠寺 では中国の参拝法が日本とはかなり違うこと に驚きました。初 めての日本以外のアジアが 中国だったことが勉強になりました。 (2F吉山育彰)
魯迅の故郷紹興にある魯迅記念館は、魯迅 について多くの新発見をさせてくれました。 教科書だけでは分からないことがたくさん ありました。 六和塔では汗をかきましたが、上から見る 銭塘江と町並みの美しい景色は忘れられませんでした。この日、私は中国にいることを強く実感しました。 この修学旅行がなかったら、私 が中国に行くことはなかったでしょう。今回の企画で中国へ行くことができ、想像していたのとは異なる中国を見ることができてよかったと思いました。(2B植村 香)