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【09-012】日中ハイテク産業協力のより一層の具現化を目指して

JCTBF事務局

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日中ハイテク産業特別研究交流会一角

 9月1日午後、東京国際フォーラムにて、JCTBF主催による「日中ハイテク産業特別研究交流会」は中国駐日大使館科学技術処、JST中国総合研究センター、ビジネスモデル学会、デジタルニューティール(DND)研究所からのご後援を受けて開催され、金沢工業大学大学院工学研究科知的創造システム専攻准教授・上條由紀子氏の司会の下、日中両国からの産官学関係キーマン20数名が一堂に会した。

 初めに開会挨拶・趣旨説明として、NPOビジネスモデル学会長・前東京大学イノベーション政策研究センター長である松島克守氏より、「産業イノベーションには、技術イノベーション、経営イノベーション、社会イノベーションの三要素が不可欠」というご指摘があり、続く中国駐日大使館科学技術参事官阮湘平氏のご挨拶においては、「日中間の戦略的な互恵関係を具現化するものとして、日中ハイテク産業の交流や協力は大変重要なテーマである」とし、日中協力への期待が述べられた。

 ご挨拶の後には、まず中国タイマツセンター計画財務処処長の唐鳳泉氏から「中国におけるタイマツ事業の最新動向」と題し、中国タイマツセンターの設立背景、概要や発展の経緯、これまでの主な成果、成功要因、今後の重要ミッションについてご講演頂いた。ハイテク成果の商品化、ハイテク商品の産業化、ハイテク産業の国際化をコンセプトとする中国タイマツ事業の多彩な成果は改めて参加者の関心を集めた。

 次に(独)科学技術振興機構中国総合研究センターフェローの秦舟氏よりご講演を頂いた。同氏は中国総合研究センターのミッションや事業、主な活動について説明し、昨年度の成果の一つとして、今年7月に発刊された「中国におけるサイエンスパーク・ハイテクパークの現状と動向調査報告書」のポイントを紹介し、今年度作成予定の調査研究報告書について紹介した。研究会では同センターより実物の調査報告書が提供され、参加者は報告書に目を通しながら熱心に話に聞き入った。

 そして次に(独)産業技術総合研究所イノベーション推進室総括主幹木村行雄氏より、「日本における技術型ベンチャーの現状」と題してプレゼンテーションが行われた。同氏は日本の中小企業についてのマクロ的な統計から、近年における技術型のベンチャー企業の事例までを含め包括的に解説した。大学や研究機関発のベンチャーに関する各種データや、東京大学発ベンチャー、産業技術総合研究所発ベンチャーの現状や、日米中の比較に関する同氏の見解は、中国タイマツセンター訪日団にとっても大変有益な内容となった。

 参加者は一堂、それぞれの講演にメモを取るなど興味深い様子で話に聞き入り、また質疑応答も活発に展開された。最後に、中国タイマツセンター副トップ・訪日団長の韓麗娟氏より閉会挨拶があり、韓氏は「これまでに築かれてきた日中間のハイテク産業協力の基礎を活かし、今後より具現化をしていくべきであり、加速化していくべきである」と今後への期待を述べた。

 日中ハイテク産業特別研究交流会は、予定より時間を延長し、好評のうちに閉会を迎えたが、参加者は閉会後も会議室内外において名刺交換や討論を行うなど、日中ハイテク産業関係者と過ごすまたとない機会を有益に活用していた。

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日中ハイテク産業特別研究交流会一部参加者

参考資料:

  1. 中国たいまつ計画紹介」-中国科学技術部たいまつセンター 唐鳳泉 (  312KB)
  2. 日本における技術型ベンチャーの現状」-日中ハイテク産業特別研究交流会(  888KB)
  3. 中国サイエンスパーク・ハイテクパーク報告書紹介」-JST中国総合研究センター 秦舟(  320KB)