SPCトピック
トップ  > コラム&リポート SPCトピック >  【06-001】中国科学技術協会訪日代表団がJSTを訪問

【06-001】中国科学技術協会訪日代表団がJSTを訪問

2006年11月20日

 中国科学技術協会副主席兼書記処書記斉譲(QIRANG)氏を団長とする「中国科学技術協会産業技術訪日代表団」一行は2006年10月26日(木)に、科学技術振興機構(JST)を表敬訪問した。

 中国科学技術協会代表団側は、斉団長をはじめとして、国際連絡部孫孟新副部長、楊容副処長、中国科技コンサルタントサービスセンター李性慈副主任、李力処長、中国対外応用技術促進会アジア・アフリカ部安暁青副部長及び在日中国大使館王挺書記官が表敬訪問に訪れた。JST側は、永野博・理事、馬場錬成・中国総合研究センター(CRC)長、寺沢計二・国際室長、前田義幸・理解増進部長らが出席した。

JST関係者と交流する中国代表団(向かって左から3人目が斉団長)

 斉団長は清華大学で無機化学非金属材料を専攻、中国科学技術大学大学院で管理科学を勉強された後、清華大学化学部で教えながら科学研究に従事。1981年、国家科学委員会に転任、工業技術局処長、工業科学技術司副司長、財務司長を歴任。1999年科技部発展計画司長、弁公庁主任。2004年科技日報社社長(副大臣クラス)。2005年中国科技協会書記処書記、2006年6月から現職に就任している。

中国科学技術協会 斉譲(QIRANG) 副主席兼書記処書記

 JSTでは、この機会に、DVDによるJST紹介を交えて、永野理事がJSTの事業内容を紹介するとともに、中国総合研究センター(CRC)馬場センター長が、CRCのミッションと活動内容を紹介し、中国国家自然科学基金委員会・陳宜瑜主任のトップインタビューでの「競争というのは、競い合うということだけではなく、競争の中に協力が生まれる」という言葉を引用しながら、「中国と良い競い合う協力関係を築いていきたい」と挨拶した。斉団長は、「今回の訪日は15年ぶり4度目だが、中国科技協会にJSTの友人、知人が大勢いるのを見て、JSTを初めて訪問しているという気がしない」と挨拶した。

 斉団長は、「中国科学技術協会の中に『全国民科学素質向上プロジェクト指導チーム』が置かれており、チームリーダーは国務委員・陳至立氏、サブリーダーは科技協会筆頭副主席・鄧楠氏。中央の18の部、委員会がチームメンバーになっている」と述べ、「中国は特に若い世代に対する科学技術教育と普及に力を入れている」と説明した。

 中国国務院は「中華人民共和国科学技術普及法」及び「国家中長期科学技術発展計画綱要」(2006-2020年)に基づき、2006年2月「全国民科学素質行動計画綱要」を公布、実施している。斉団長より第11次5ヵ年計画(2006-2010年)期間中に実施されるべき4つの行動計画(アクションプラン)と4項目の基礎プロジェクトについての紹介があった。4つの行動計画は、1.未成年者科学素質行動、2.農民科学素質行動、3.都市労働人口科学素質行動、4.公務員科学素質行動。4項目の基礎プロジェクトは、1.科学教育と訓練プロジェクト、2.科学普及資源開発と共有プロジェクト、3.マスメディア宣伝能力開発プロジェクト、4.科学普及基礎施設プロジェクト。

 斉団長は、中国科学技術協会は167の全国的な学会と430万あまりの会員を擁しており、今後色々な分野で双方に関心のある共通の課題やテーマについて、共同研究したり、専門家への橋渡しを行ったりして協力することが可能であると表明した。

斉副主席(右)から贈られた記念品を見ながら談笑する馬場センター長

 JSTはCRCが2006年7月に設立記念シンポジウムを開催した際、中国科学技術協会から馮長根書記処書記をお招きして貴重な記念講演を行って頂いている。今回は斉副主席が率いる中国科技協会代表団一行と懇談交流を行い、日中双方親睦を一層深めることができた。