SPCトピック
トップ  > コラム&リポート SPCトピック >  【08-002】日中科学技術交流・協力を積極推進する中国科学技術部~「日中R&D連携シンポジウム」来賓挨拶~

【08-002】日中科学技術交流・協力を積極推進する中国科学技術部~「日中R&D連携シンポジウム」来賓挨拶~

靳 暁明(中国科学技術部国際合作局局長)  2008年2月20日

 本稿は、中国科学技術部国際合作局・靳 暁明局長が2007年11月16日(独)科学技術振興機構JST中国総合研究センター主催の「日中R&D連携シンポジウム」で行われた来賓挨拶をまとめたも のです。「日中R&D連携シンポジウム」プロシーディングの刊行に先立ってJST中国総合研究センターのホームページで紹介します。なお、「日中R&D連 携シンポジウム」プロシーディングは2007年度中に発行する予定です。

 専門家の皆さん、来賓の皆さん、こんにちは。 

 本日、科学技術振興機構中国総合研究センターがここで日中R&D連携シンポジウムを開催しますが、お招きにより参加できて大変光栄です。私は中国科学技術部を代表いたしまして、この会議の開催を心からお祝い申し上げます。

image

 長年にわたり科学技術振興機構は日本と中国の科学技術の協力と交流を促進するためにたくさんの仕事をなされてきました。中国科学技術部中国科学院、中国科技協会、国家自然基金委員会に代表される中国の各部門から高く評価されています。 

 JSTでは、日中双方の交流と協力をよりよく促進するため、2006年4月に、中国総合研究センターを設立し、中国の科学技術政策や発展動向などを最も早いスピードで日本の関係者に伝え、両国の科学技術界の友好交流の橋渡しの役割を果たしています。 

 本日、中国総合研究センターのお招きにより、日本と中国の科学界の政府関係者や専門家、友人たちがここに一堂に会して両国の科学技術の協力と発展について話し合うことは非常に有意義なことであり、日中科学技術事業の発展と協力促進に積極的な影響を及ぼすものと思います。

 昨年4月、私は日本を訪問しまして、JSTの永野理事と一緒に中国科学技術部国際協力局とJSTとの共同研究覚書に調印しました。今後3年間、材料や情 報、バイオ医学などの分野でともに出資して具体的な協力プロジェクトを実施して行くことで合意に達しました。私は、JST中国総合研究センターがこのルー トの協力を促進する上、より大きな役割を果たされることを期待しております。

 皆さん、今日の世界は、平和と発展がこの時代のテーマとなっています。日中両国はアジアと世界の2つの重要な国として、世界の平和を守り、共同発展を促進 していく上で、重大な責任を背負っています。日中両国は一衣帯水の隣国であり、ことしは両国国交正常化35周年に当たります。この35年間、我々は地域の 発展と安定のためにすばらしい協力をしてきました。両国の貿易総額はすでに2400億ドルを越えており、日本は中国の最大の貿易パートナーになり、中国は 日本の2番目に大きい貿易パートナーになっております。

 今年4月温家宝総理が日本を訪問しまして、日中両国は戦略的互恵関係を確立しました。エネルギーや環境保護、金融などの分野で私たちは総合的な互恵協力を行っていくことになると思います。 

 福田総理も中国を訪問されることになると思いますが、私たち両国は両国の関係を正しい方向へと発展させていかなければなりません。そして両国の関係をより一層発展させるために、多くの貢献をしていかなければなりません。

 先月、中国共産党第17回党大会が開催されました。その中で科学的発展観と調和のとれた社会を造るということが今後一時期の発展方針に定められました。そのため、私たちは改革開放を一層進め、国際交流をますます強化していくことを求められています。

 私たちは隣国日本との間の科学技術を含むあらゆる分野での協力関係を発展させることを極めて重要視しております。我々はともに手を携えながら、今回の日 中R&D連携シンポジウムの開催をきっかけに日中間の科学技術協力と交流をさらに推し進め、ともに中国と日本の科学技術の発展が遂げられるすばらしい将来 を創って行こうではありませんか。

 最後に、本日のシンポジウムが円満に開催されることをお祈りいたします。ありがとうございました。

靳暁明

靳暁明( ジン・ショーミン):
中国科学技術部国際合作局長

略歴

北京外国語学院英語学部卒業。
カナダ・ヨーク大学で政治経済学を勉強。
国家科学技術委員会国際合作局米州・大洋州処副処長、処長、湖北省黄岡地区経済発展弁公室主任、在米国中国大使館科学技術処一等書記官、中国科学技術部国際合作局副局長、在 米国中国大使館科学技術公使参事官を経て、現職。
中国国際科学技術協力協会副秘書長、中国科技通信(英文雑誌)編集長を兼務。