【10-012】中国シンセン(深圳)市科学技術協会訪日団一行JST訪問(2010年9月28日)
JST産学連携展開部 記 2010年10月 5日
シンセン市科学技術協会・周路明(Zhou LuMing)主席を団長とする訪日団一行が2010年9月28日(火)、科学技術振興機構(JST)を訪問した。シンセン市科学技術協会代表団側は、周団長をはじめとして、11名が来日し、窓口役の㈱キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)から安田耕平社長、李瑩玉マネージャーら5名が同席した。
訪日団メンバー
- (シンセン市科学技術協会) 周路明 主席 【団長】、孙楠 部長
- (シンセン市科学館) 伍振武 副館長
- (シンセン市南山区科学技術協会) 纳晓英 秘書長
- (シンセン市福田区科学技術協会) 廖新 副主席、方向明 エンジニア
- (深港産学研基地) 曾德云 副部長、姚家帅 主任
- (清華大学深圳大学院) 曾国屏 科学研究団体担当者、高秋芳 大学院生
- (南山事務所) 王艳梅 所長
シンセン市は中国広東省に位置し、経済特区に指定され経済成長が続く都市である。同市で2007年から開催の『国際科学生活博覧会』への出展などを通じ、同市の科学技術協会とJSTは交流を深めてきた。今回の訪問に先立ち、シンセン側からは、2014年にシンセン市でオープンさせるため科学館、青少年への科学技術教育、国際的な産学連携など、幅広いテーマにわたりJSTとの意見交換を希望するメッセージが伝えられていた。
JST側からは、小原満穂・理事、日本科学未来館から小中元秀・副館長、理数学習支援部から岩渕晴行・部長、産学連携展開部から菊池文彦・部長、廣田勝己・調査役、イノベーション企画調整部から野口義博・調査役、国際科学技術部から小林治・調査役、中国総合研究センターから米山春子・フェローが出席した。
シンセン市科学技術協会訪日団一行と記念撮影、前列左から2人目が周主席、右隣がJST小原理事
周主席からは、中国国内有数の企業が集中し、イノベーションが活発なシンセン市において、国内の技術移転のモデル都市としての役割を果たし、さらなる技術移転の拡大、科学技術の普及などを目指していく上で、次の3事業について、JSTとの連携向けて期待が寄せられた。
「新科学館」
同訪日団は意見交換会の前日9/27にJST日本科学未来館(以下、JST未来館)を視察のため訪れた。シンセン市で建設中の新科学館は、シンセン市の都市計画における戦略的な位置づけがなされ、従来の展示としての科学館の機能に加え、海外から新しいコンセプトを取り入れつつ、科学館から周辺の産業界への波及機能、理科教育との連携などが期待されている。このような背景から、JST未来館の工夫、例えば最先端研究の場としての「研究棟」の見学ツアー、科学コミュニケータの活躍、研究者からの助言に基づく企画の質の向上、などについて非常に高い関心を示し、今後さらにJST未来館からアドバイスを頂きたいとの要望が寄せられた。
「青少年科学技術教育」
人材育成は新科学館や産学連携といった事業の推進に重要であることはさることながら、中国の科学技術の発展・振興にとって青少年の理科教育への問題意識は高い。各国で競う科学オリンピックでは上位の成績を収める中国だが、周主席からは「一般の青少年への科学の普及にはまだ課題が多い」とのコメントがあった。小学校の理科教育支援からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)などの取り組みをしているJSTとの協力に期待が寄せられた。
「産学連携」
シンセンは国内有数の企業が集中している都市として産学連携に関心が高い。今年の関心テーマは日中の産学連携ということで、日本国内の大学やTLOの産学連携活動の国際化や、JSTが進めている大学シーズの特許化支援から研究開発までの支援の流れについて、意見交換を行った。
■中国科学技術協会
http://spc.jst.go.jp/organization/org_16.html
■中国(深圳)国際生活博覧会/深圳市科学生活研究会訪日団一行JST訪問( 2007年3月20日発行)
http://spc.jst.go.jp/report/200703/report4.html
■中国科学技術協会訪日代表団がJSTを訪問(2006年11月20日発行)
http://spc.jst.go.jp/report/200611/report6.html