【15-003】JST沖村憲樹特別顧問が「中国政府友誼賞」を受賞
2015年10月23日 (中国総合研究交流センター参事役 米山春子)
2015年9月29日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の沖村憲樹特別顧問が中華人民共和国国家外国専家局から2015年「中国政府友誼賞」を受賞した。
この賞は、1991年に創設され、中国政府は同国の改革開放の経済発展に貢献した外国人に授与される最高の賞、毎年50名程度の外国人専門家が選ばれている。今年は21カ国の50名が受賞。
受賞式は29日午後、北京人民大会堂で行われ、馬凱国務院副総理が、中国政府を代表し、50名の受賞者それぞれに、楯とメダルを授与した。馬凱副総理は、受賞者及びその家族に祝意を表し、「 毎年約60万人の外国人専門家が中国にやって来てさまざまな専門的な職務に従事していらっしゃるが、これは中国の科学技術及び経済の発展にとって重要な力となっています。中 国政府はこれらの方々の中国に対する貢献を歴史的に刻み残したいと考えています。今後、外国人専門家の方々がより活動しやすい環境を構築するため、知識財産権の保護、合 理的な収益分配システムや共存共栄環境づくり等を整備していきたいです」と述べた。
写真1 副総理の馬凱氏から楯とメダルを授与される(左:沖村特別顧問)
9月30日午後、人民大会堂で、李克強国務院総理、国務院副総理の張高麗、馬凱両氏が、受賞者と会見し、李克強総理は中国政府を代表し、受賞者に祝賀の意を表すとともに、中 国で活躍している全ての外国人専門家、国際的な友人、その親族達に感謝の意を伝えた。李総理は、「『友誼賞』は中国と各国の人々との友誼を体現するだけでなく、世界の平和維持、共 同発展の促進という重要な責任もを担っています。中国は各国と共に努力して、誠実な友誼と真摯な協力によって、素晴らしい調和ある世界を建設することを望んでいます。また、中 国政府は外国人の合法的権益の保障に努力しています。われわれは行政のスリム化と権限移譲およびそれによる管理との連携を実施し、人材流動を阻害する体制・制度的桎梏を打ち破り、国際化、パ ーソナライズされたサービスをより多く提供し、ビザや居留の面でより緩和された便利な環境を創造します。中国は外国人材の国の科学研究事業や科学技術奨励選考への参加、専門家資格の認定、ア カデミー会員の選出をさらに拡大し、国内外の人材を平等に扱い、各種人材に自由な発展の余地、独自開発の環境、自らの価値を実現する環境を提供します。外国人専門家が引き続き中国の発展のために提言し、特 別な貢献をすることを希望します。」と強調した。このスピーチは30分間以上にわたり力強く、そして原稿なしに行われた。
写真2 李克強総理と受賞者全員(三段目一番左が沖村特別顧問夫妻)
その後、李総理の招待により、受賞者全員とその家族は中華人民共和国建国66周年祝賀レセプションに出席した。習近平主席をはじめ、政治局常務委員の方々とともに建国記念の前夜祭を楽しんだ。
また受賞式を控えた前日、木寺昌人在中国日本国特命全権大使から公邸へ招待され、沖村特別顧問からJST中国総合研究交流センター( http://spc.jst.go.jp/crcc/)の長年の交流活動、去年から実施している、ア ジアの青少年が訪日しサイエンスを通じ交流を深める事業「さくらサイエンスプラン」( http://www.ssp.jst.go.jp/)が中国をはじめ、実 施した国々から好評を受けていることを報告し、木寺大使の積極的な活動に対するサポートについて御礼を述べた。木寺大使からはお祝いの言葉と共に、「長年日中交流にご尽力してきたことに、大変感謝しています」と の謝辞が述べられた。
写真3 (前列左から)木寺大使、沖村特別顧問夫妻、木寺大使夫人