特集巻頭言:環境・エネルギー特集Part 2-低炭素社会実現に向けた新技術の開発
中国科学技術月報2010年3月号(第41号) 2010.3.1発行
はじめに
周知の通り、地球温暖化対策として鳩山由紀夫首相は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を「2020年(平成32年9までに1990年比で25%削減)という中期目標を掲げています。
日本がこの目標をクリアしていくためには、低炭素社会実現に向けた新技術の開発が欠く事はできません。今回の特集で日本側の論者は、現在の日本の「新技術」の中心である水素と太陽電池に関する詳細な論考を提供しています。
一方、2008年時における発電量・発電設備容量の約8割が火力を占め、さらに火力発電に使用される燃料の中心がいまだに石炭である中国にとっての「新技術」のあり方は日本と異なります。石炭燃焼に伴うCO2排出の削減に技術開発が注がれている様子が、今回の中国側の論文から読み取れるものと思います。今回の特集で、日本と中国、それぞれ条件の異なる国々での「新技術」のあり方を紹介いたしました。読者の皆様の理解の一助となりましたら幸いです。
中国総合研究センター
記事一覧
「O2/CO2燃焼方式における煤塵生成および制御に関する研究の進展」
「水素エネルギー社会の構築を目指して-低炭素社会実現のために-」
「低炭素社会実現のための自動車新燃料技術-ジメチルエーテル(DME)の再考-」