深海の天然ガス開発に新たな「文明の利器」
中国科技日報 2011年 8月19日
中国が自主設計・建造し、水深3000m級の深水パイプ敷設能力と4000トン級の吊り上げ能力、DP3クラスのダイナミックポジショニングシステム(DPS)及び、自 動操船能力を持ち合わせる世界初の新型作業船「海洋石油201」が6月16日に江蘇省科学技術庁が組織した専門家の鑑定に合格した。専門家によれば、この船は世界トップレベルの設備技術を多数集約しており、中 国が海上エンジニアリング設備の分野ですでに自主的な研究開発能力と国際競争の資格を持つことを示している。
深水パイプ敷設クレーン船は、海洋での石油・天然ガス資源開発における重要装備の一つだ。長期にわたり、世界の深海石油採掘作業のコア技術は欧米の少数の国々が掌握しており、中 国の海洋石油開発は技術レベル及び設備能力の制約を受け、500m以内の近海に限られてきた。
「海洋石油201」は、全電力推進システム、全電力インバータ・ドライブ装置、DP3クラスのダイナミックポジショニングシステム、S字型深水デュアルノード・パイプ敷設システム、4 千トン級大型海洋クレーンなど世界最先端の技術・設備を搭載しており、パイプラインの積載、保管、内部輸送、検査、敷設など一連の作業を完了できる上に、船舶位置管理システム(VMS)を配備し、北 極を除く世界の全航海区域で無制限に作業を行うことができる。
同船は中国最大の民営造船企業である熔盛重工集団控股有限公司が建造し、クレーンシステム及びパイプ敷設システムなどの多数の複雑な設備の船上配置という難題を解決し、波 の中での船の運動性能と作業効率を大幅に向上させた。また、世界先進レベルのS型デュアルノード・パイプ敷設システムを改良してパイプ敷設効率を向上させ、D P3とDP2の両性能を組み合わせたダイナミックポジショニングシステムを搭載することでさまざまな作業の要求を満たし、国内初の大型の伸縮式推進器・ドック配置技術を開発し、海 洋エンジニアリング分野におけるこの種の中核的設備技術の空白を埋めた。さらに、建造技術や精密制御技術の研究を通じて、クレーン本体と下部支持台の高い精度要求を満たした。