中国、9基目の測位衛星「北斗」の打ち上げに成功
中国科技日報 2011年 9月13日
7月27日5時44分、中国の西昌衛星発射センターは「長征三号甲」(衛星軌道用運搬ロケット)により、9基目となる測位衛星「北斗」の打ち上げに成功した。これは北斗衛星測位システムにおける、4 基目の「傾斜地球同期軌道衛星」(大きな傾斜角を持ち、地球の自転と同じ周期で周回する衛星)である。
今回の打ち上げ成功は、中国が「北斗衛星測位システム」建設において、大きな一歩を踏み出したことを意味する。専門家は、「北斗の基本システムは構築を完了し、地上と宇宙の連動、テ スト評価作業を展開中だ。テストの初期段階を経て、システムの運行が良好であることが分かった。今年年末までに、中国および周辺の大半の地区に対して、受動的位置決定・ナビゲーション・時刻配信・メ ッセージの送信といったサービスを提供し、交通運輸・漁業・林業・気象・電気通信・水利・測量等の業界および利用者の需要を満たしていく」と語った。
「北斗衛星測位システム」の3段階の発展戦略に基づき、中国は2012年末までに多数の衛星を打ち上げ、システムによるサービス性能の強化、およびカバー区域の拡大に努め、システム構築を完了する。2 020年頃までに、30以上の衛星による「北斗グローバル衛星測位システム」を構築し、全世界をカバーする高精度かつ信頼性の高い、位置決定・ナビゲーション・時刻配信のサービスを提供する。
今回発射された衛星は、中国航天科技集団公司所属の、中国空間技術研究院によって製造された。また「長征三号甲」は、中国運搬ロケット技術研究院によって製造された。今回の衛星打ち上げは、中国「長征」シ リーズ運搬ロケットにとって、141回目の打ち上げとなった。