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TD-LTE、国際競技大会で初の大規模な運用

中国科技日報     2011年10月14日

 中国移動(チャイナモバイル)の推し進める国の重点プロジェクト「TD-LTE大規模技術試験」は、北京五輪、上海万博、アジア競技大会など国際的な大イベントでの実演業務の成功に続き、ユ ニバーシアード深セン大会での通信サービスに成功した。

 中国移動の現場指揮センターのプレゼンテーションでは、TD-LTEのダウンロードスピードは毎秒50M以上で、1Gの高精細映画1本をダウンロードするのに3分もかからなかった。3 Gなら2時間余り必要だ。

 中国移動深セン公司によると、TD-LTEはユニバーシアード深セン大会で(1)通信(2)メディア(3)無線ビデオ伝送(4)高精細ビデオオンデマンド――の 4つの面でイノベーティブなサービスを提供した。

 2010年の上海万博でのTD-LTEチップ/データカード/CPE/タブレットPCに続き、ユ ニバーシアード深セン大会では世界初のTE-LTE/TD-SCDMA/GSMマルチモード対応スマート端末のテストモデルも登場。TD-LTE大規模実験ネットワークを通じて、大会会場での音声通話、高 速インターネット、オンラインビデオなどの実演に成功し、今大会における科学技術上の見せ場となった。

 同端末は中国移動が国の支援の下、端末メーカーの中興通訊などと共同開発。マルチモード高速無線通信に対応しており、TD-LTE、TD-SCDMA、GSM間のローミングが可能だ。電話をしながら、高 速インターネットや高精細ビデオなどのデータサービスを楽しむこともできる。つまりTD-LTE/TD-SCDMA/GSMの3つのネットワークがカバーする場所なら、TD-SCDMA(またはGSM)の 音声通話とTD-LTEの高速データ通信を同時に使用できる。ダウンロード速度は現在の3Gの50倍に達する。

 次世代情報技術の重要な一部であるTD-LTEの商用化はチップ、端末、ソフトなど一連のハイテク産業の発展を促す。これは中国の経済構造の戦略的調整の推進、経 済成長パターンの転換の加速にとって重要な意義を持つ。今大会はTD-LTEの国際化を促し、中国が独自の知的財産権を持つTD-LTE技術を存分に示す重要な舞台となった。

 業界関係者は「TD-LTEで4G時代をリードするには、現在の大規模技術試験の成功が鍵となる。端末・チップ開発を一層加速することが、産業プロセスの推進とって極めて重要だ」と指摘する。

 中国移動は現在、TD-LTEのグローバルな発展に向けた取り組みも加速しており、2011年2月には自らが発起人となって「グローバルTD-LTEイニシアティブ」(GTI)を設立。中 国のリードする国際的事業者の協力プラットフォームとして、TD-LTDのグローバルな商用化を推進する。現在までにバーティ・エアテル、ソフトバンク、クリアワイヤ、ボ ーダフォンを含む有名事業者24社が加入している。世界29カ国でTD-LTE試験ネットワークを構築中で、2011年には10以上の国・地域でTD-LTEネットワークの商用計画が始まる見通しだ。

 工業情報化省の計画に基づき、2010年末に上海、杭州、南京、広州、深セン、厦門(アモイ)でTD-LTEの大規模技術試験が始まった。現在これら6都市では基幹網と無線網がほぼ完成し、基 地局は1000局以上を予定。その大部分がすでに開通し、試験も順調に進んでいる。6月には基幹網、伝送、負荷、安全面のテストを完了し、無線網の性能測定に入った。9 月末には工業情報化省の定めた第一段階の試験目標を完成する見通しだ。無線データ通信カードもすでにテストに使用されている。