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LED技術の画期的技術、業界全体に変革

中国科技日報     2011年12月22日

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 12月8日、伍伸俊氏は大きく胸をなでおろした。国際金融公社をはじめとする投資機構は、晶能光电(江西)有限公司に5550万ドル(約42億5000万円)を追加投資した。同社の董事長である伍氏は、「 貸付ではなく投資だ。これは省エネ環境保護の新興産業に対する国際資本の支援を意味し、また国内外投資機構の当社に対する信頼の証である」と強調した。

 投資獲得により、伍氏は署名式典で自信満々にこう述べた。「当社は画期的な技術、国内外の優秀な技術・管理グループを持ち、世 界市場に向けてコストが最も低く性能が最も良いLED電球を提供するため努力し、中国から世界レベルのハイテク企業を目指す」

 伍氏が語る画期的な技術とは、現在世界で唯一とされるシリコン基板GaNデバイスLED技術だ。同技術は南昌大学の江風益教授によるグループの自主イノベーション、努力の結晶である。国 家863プロジェクト専門家グループの同技術に対する評価はこうだ。「日亜化学によるサファイア基板の独占、米Cree社による炭化ケイ素基板LED技術の独占といった局面を打破し、サファイア・炭化ケイ素・シ リコン基板LED技術の3強の新局面を形成した」シリコン基板LED技術は、低コスト、高い散熱性、簡潔な仕組みといった総合力により、LED業界の発展とコスト削減、そしてLED製品の普及を促進した。& amp; amp; lt; /p>

 金沙江創業投資基金の創始者である伍氏は、その類まれな職業的嗅覚により、江教授とそのイノベーション技術が、LED業界全体に変革をもたらすことを察した。2006年、金 沙江等の創業投資基金3社による1000万ドル(約7億7000万円)の投資により、同特許技術を実験室から産業化プラットフォームに推し進めた。晶能光電(江西)有限公司を設立し、シ リコン基板GaNデバイスLED外延チップの研究と生産に取り組んだ。

 2009年より、世界各国の低炭素経済に対する注目により、LED産業が活況を呈している。巨大な市場を前にし、晶能光電(江西)有限公司は生産拡大計画を迅速に制定し、実行に移した。伍氏は、「 2010年末、当社の生産能力は140億枚に達し、2011年は240億枚に達し、中国最大の外延チップ製造企業の仲間入りを果たした」と語った。

 同社は現在、国内外の発明特許150件余りの申請・登録を行っている。生産ラインは当初の3本から、13本に増加した。生産されるチップは単電極と性能面の優位性により、街灯やLED電球に用いられ、全 国で100社以上の取引先を確保している。

 同社の将来的な発展について、伍氏は「世界クラスのLED企業となる」と語った。「LED製品が一般家庭に普及すれば、管理コストがかかる。これにはトップクラスの技術が必要だ。当社は、L ED分野のトップ企業となる潜在力を持っている。投資獲得後、2011年に25本の生産ラインを敷き、生産規模が全国トップ3となる。5年後には年間生産高が10億ドル(約770億円)に達するだろう」