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帯電作業ロボット、作業者の安全を確保

中国科技日報     2012年 2月13日

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 長治供電分公司の帯電作業者が一台のロボットを使い訓練を行った。全身が金色の同ロボットは作業者の操作により、平然とした表情で腕を動かし帯電作業を行った。それはあたかも映画「トランスフォーマー」の ようで、道行く人の注目を集めた。

 「大黄蜂(中国語でトランスフォーマーのバンブルビーの意味)」と名付けられたこの機械は、同社がこのほど使用開始した中国初の10キロボルト帯電作業ロボットだ。同ロボットは、同 社と山東魯能智能技術有限公司が2年間をかけて共同制作した。

 同ロボットには四つのシステムが搭載されている。主操作アームと副操作アームは、作業中に、高圧線と作業員を隔離する。専用の昇降機は、中国で流通している絶縁アーム式作業車に改造を施し、ア ームを作業位置に伸ばす。またワイヤーカッター、ナット破壊工具等の専用工具、遮蔽防護工具、ドレンワイヤークランプが揃い、全ての専用工具はアームに据え付けられ通常の帯電作業を実施する。絶 縁防護システムは同ロボットの対地絶縁を行い、かつ電力の遮断を防ぐ。

 同ロボットの初訓練に参加した崔向陽氏は、「昔は帯電作業をする際に重装備を強いられていました。夏は空気の通らない絶縁服が苦しく、1時間も作業をするとサウナに入ったように全身が汗にぬれ、熱 中症の危険もありました。現在はロボットの使用により、作業員が絶縁服を着る必要がなくなり、利便性と功率が高まりました」と語った。

 長治供電分公司によると、同ロボットは電線の切断、ワイヤリング、ヒューズの取り換えといった頻度が高い作業を、人に代わり行うことができるようになった。これにより高度作業の時間を短縮し、帯 電作業の効率を高めた。特に作業者の作業強度を下げ、作業者と高圧線を完全に隔離し、安全を最大限確保した。