第74号
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日中大学間交流協定の調査と分析(その4)1校当たり協定数は東北の国立大学が最多

鈴木 暁彦(中国総合研究センター フェロー)  2012年11月21日

交流協定の地方別の集計

 日本の大学を地方別に分類したものが表1と図1である。関東地方には254の大学があり、全国の約3分の1が集中しており、近畿地方には2割弱の大学がある。次いで中部地方、九州地方の順となっている。 

表1 日本の大学

地方

国立大学

公立大学

私立大学

全体

北海道

7

8.1

5

6.5

24

4.0

36

4.6

東北

7

8.1

9

11.7

32

5.3

48

6.3

関東

19

22.1

11

14.3

224

37.1

254

33.1

中部

15

17.4

17

22.1

95

15.7

127

16.6

近畿

13

15.1

13

16.9

127

21.0

153

19.9

中四国

10

11.6

11

14.3

44

7.3

65

8.5

九州

11

12.8

11

14.3

57

9.4

79

10.3

大学院大学等

4

4.7

0

0.0

1

0.2

5

0.7

合計

86

77

604

767

図1 地方別に見た日本の大学

図1

 中国の大学と交流協定を締結した大学を地方別に分類したものが表2と図2である。

表2 中国の大学と交流協定を締結した大学の分類

地方

国立大学

公立大学

全体A

締結B

B/A

B内%

全体A

締結B

B/A

B内%

北海道

7

7

100.0

8.2

5

2

40.0

4.0

東北

7

7

100.0

8.2

9

5

55.5

10.0

関東

19

19

100.0

22.4

11

8

72.7

16.0

中部

15

15

100.0

17.6

17

11

64.7

22.0

近畿

13

13

100.0

15.3

13

8

61.5

16.0

中四国

10

10

100.0

11.8

11

9

81.8

18.0

九州

11

10

90.9

11.8

11

7

63.6

14.0

大学院大学等

4

4

100.0

4.7

 

 

 

 

合計

86

85

98.8

 

77

50

64.9

 

地方

私立大学

全体

全体A

締結B

B/A

B内%

全体A

締結B

B/A

B内%

北海道

24

14

58.3

4.2

36

23

63.9

4.9

東北

32

15

46.9

4.5

48

27

56.3

5.8

関東

224

114

50.9

34.5

254

141

55.5

30.3

中部

95

57

60.0

17.3

127

83

65.4

17.8

近畿

127

69

54.3

20.9

153

90

58.8

19.4

中四国

44

24

54.5

7.3

65

43

66.2

9.2

九州

57

36

63..2

109

79

53

67.1

11.4

大学院大学等

1

1

100.0

0.3

5

5

100.0

1.1

合計

604

330

54.6

 

767

465

60.6

 

図2 地方別、大学設置形態別に見た協定締結校の数

図2

 大学が最も多い関東地方で、中国の大学と交流協定を締結した大学の比率は55.5%。近畿地方は58.8%、中部地方65.4%、九州地方67.1%だった。

 大学1校当たりの交流協定数を地方別にまとめたものが表3と図3である。

表3 地方別に見た大学1校当たりの交流協定数

 

国立大学

公立大学

校数

協定数

協定/校

校数

協定数

協定/校

北海道

7

90

12.9

2

4

2.0

東北

7

156

22.3

5

19

3.8

関東

19

328

17.3

8

18

2.3

中部

15

237

15.8

11

19

1.7

近畿

13

237

18.2

8

59

7.4

中四国

10

235

23.5

9

33

3.7

九州

10

201

20.1

7

21

3.0

大学院大学

4

27

6.8

0

0

0.0

合計

85

1,511

17.8

50

173

3.5

 

私立大学

全大学

校数

協定数

協定/校

校数

協定数

協定/校

北海道

14

44

3.1

23

138

6.0

東北

15

48

3.2

27

223

9.3

関東

114

651

5.7

141

997

7.1

中部

57

234

4.1

83

490

5.9

近畿

69

415

6.0

90

711

7.9

中四国

24

94

3.9

43

362

8.4

九州

36

216

6.0

53

438

8.3

大学院大学

1

2

2.0

5

29

5.8

合計

330

1,704

5.2

465

3,388

7.3

図3 地域別、大学設置形態別に見た1校当たりの協定数

図3

 中国の大学との交流協定数は、大学全体で見ると、1校当たり平均7.3件である。これを地方別に見ると、東北地方の9.3件が最も多く、中部地方の5.9件が最も少ない。また、大学設置形態別で見ると、国 立大学全体で平均17.8件、私立大学は5.2件、公立大学は3.5件となっており、国立大学が圧倒的に多いことが分かる。

 国立大学を地方別に見ると、中四国地方の23.5件が最も多く、北海道地方の12.9件が最も少なかった。

 交流協定に盛り込まれたメニューを10の分野に分類したのが表4。分類を基に、地方別に集計したものが表5である。

表4 日中大学間交流協定の内容分類

記号

交流協定の内容

学生の交流

教員・研究者の派遣・研修、その他の交流

事務職員の派遣・研修、その他の交流

単位の互換

ダブル・ディグリー(在籍校と留学先からそれぞれ発行される学位記)

ジョイント・ディグリー(複数の大学から発行される単一の学位記)

共同研究の実施

提携先の大学の日本拠点を学内に設置する

提携先の大学からの学生受け入れに伴う奨学金の支給

その他(学術情報・資料の交換、シンポジウムの開催など)

表5 交流協定の内容分類に基づいて地方別にまとめた集計

 

北海道

東北

関東

中部

近畿

中四国

九州

大学院
大学等

件数

134

192

883

424

600

351

309

28

2,921

28.3

130

215

881

447

543

343

402

28

2,989

28.9

26

54

247

91

72

115

140

20

765

7.4

44

60

300

131

209

152

93

13

1,002

9.7

1

9

15

18

21

14

5

1

84

0.8

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0.0

77

174

594

296

429

292

323

27

2,212

21.4

0

3

6

4

13

6

1

0

33

0.3

7

0

98

8

65

23

7

0

209

2.0

6

31

27

17

34

0

5

0

120

1.2

425

740

3,049

1,434

2,037

1,295

1,288

117

10,335

100.0

4.1

7.2

29.5

13.9

19.7

12.5

12.5

1.1

100.0

 

単位互換協定の地方別の集計

 中国の大学と単位互換協定を締結した大学を地方別にまとめたものが表6と図4である。また、協定に基づく派遣人数と受入人数を表7、図5にまとめた。

 協定数は、関東地方が300で最も多い。次いで近畿の209、中四国の152、中部の131と続いている。

表6 単位互換協定の地方別の集計

 

国立大学

公立大学

私立大学

全大学

校数

協定数

校数

協定数

校数

協定数

校数

協定数

北海道

5

27

0

0

5

17

10

44

東北

5

45

2

5

6

10

13

60

関東

9

118

2

2

37

180

48

300

中部

8

74

2

3

18

54

28

131

近畿

10

87

3

17

23

105

36

209

中四国

9

126

2

3

8

23

19

152

九州

4

41

4

10

14

42

22

93

大学院大

1

13

 

0

0

0

1

13

51

531

15

40

111

431

177

1,002

図4 地方別に見た単位互換協定数の分布

図4

 単位互換協定に基づく派遣人数は、関東と近畿の大学がそれぞれ220人以上で、他の地域を圧倒している。一方、受入人数は、いずれの地方でも、派遣人数を大きく上回っている。最 も多いのは関東地方の548人で、突出して多く、その77.9%は私立大学による受入だった。

表7 単位互換協定に基づく地方別の派遣人数と受入人数

 

国立大学

公立大学

私立大学

全大学

協定

派遣

受入

協定

派遣

受入

協定

派遣

受入

協定

派遣

受入

北海道

27

6

49

0

0

0

17

51

76

44

57

125

東北

45

8

44

5

14

21

10

28

4

60

50

69

関東

118

46

119

2

1

2

180

174

427

300

221

548

中部

74

27

74

3

0

7

54

57

125

131

84

206

近畿

87

11

104

17

4

18

105

212

156

209

227

283

中四国

126

19

125

3

0

3

23

17

34

152

36

162

九州

41

5

62

10

17

14

42

26

75

93

48

151

大学院大

13

0

0

 

 

 

0

0

0

13

0

0

531

122

582

40

36

65

431

565

897

1,002

723

1,544

図5 単位互換協定に基づく派遣人数と受入人数

図5

ダブル・ディグリー協定の地方別の集計

 中国の大学とダブル・ディグリー協定を締結した大学を地方別にまとめたものが表8と図6である。また、協定に基づく派遣人数と受入人数を表9、図7にまとめた。

 協定数は、近畿地方の21が最も多く、次いで中部の18、関東の15、中四国の14が多かった。

表8 ダブル・ディグリー協定の地方別の集計

 

国立大学

公立大学

私立大学

全大学

校数

協定数

校数

協定数

校数

協定数

校数

協定数

北海道

0

0

0

0

1

1

1

1

東北

1

2

1

5

2

2

4

9

関東

2

4

0

0

6

11

8

15

中部

3

4

0

0

6

14

9

18

近畿

1

1

0

0

9

20

10

21

中四国

2

6

0

0

4

8

6

14

九州

1

1

0

0

3

4

4

5

大学院大

1

1

0

0

0

0

1

1

11

19

1

5

31

60

43

84

25.6

22.6

2.3

6.0

72.1

71.4

図6 地方別に見たダブル・ディグリー協定数の分布

図6

 協定に基づく派遣人数は、関東地方の68人が突出して多く、次いで近畿の18人で、他の地域は一桁か、ゼロとなっている。一方、受入人数は、関東地方の302人が最も多く、次いで、中部の243人、近 畿の84人となっている。関東の場合は受入人数が派遣人数の4.44倍、中部は40.5倍、近畿は4.67倍の格差がある。単位互換協定に基づく派遣人数と受入人数の不均衡以上に、落差が際立っている。

表9 ダブル・ディグリー協定に基づく地方別の派遣人数と受入人数

 

国立大学

公立大学

私立大学

全大学

協定

受入

派遣

協定

受入

派遣

協定

受入

派遣

協定

受入

派遣

北海道

0

0

0

0

0

0

1

5

0

1

5

0

東北

2

7

1

5

10

0

2

24

0

9

41

1

関東

4

21

6

0

0

0

11

281

62

15

302

68

中部

4

12

4

0

0

0

14

231

2

18

243

6

近畿

1

21

0

0

0

0

20

63

18

21

84

18

中四国

6

23

1

0

0

0

8

11

0

14

34

1

九州

1

4

0

0

0

0

4

26

0

5

30

0

大学院大

1

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

19

88

12

5

10

0

60

641

82

84

739

94

11.9

12.8

1.4

0.0

86.7

87.2

図7 ダブル・ディグリー協定に基づく派遣人数と受入人数

図7