第97号
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中国初の核破砕中性子源設備、東莞で取り付け

2014年10月28日  単 谷(中国総合研究交流センター フェロー)

 2014年10月15日午前10時35分、中国核破砕中性子源(CSNS)プロジェクトの初の設備であるマイナスイオン源の取り付けが東莞の地下トンネルで完了した。同プロジェクトが設備の取り付け段階に入ったことを示し、2016年の試運転に向けて堅固な土台を築いた。

 中国核破砕中性子源は、中国の「第12次5カ年計画」で定められた重大科技インフラであり、発展途上国で最初の核破砕中性子源となる。

 15日に行われたのは加速器の初の設備であるマイナスイオン源の取り付けで、同プロジェクトが正式に設備の取り付け段階に入ったことを示すものとなった。プロジェクト竣工は2018年前後を予定している。竣工後、核破砕中性子源加速器は中国最大の科学装置となり、米国、日本、英国とともに世界の4大パルス核破砕中性子源の一つとなる。

 今後はCSNSプロジェクトを中心として20平方kmの科学都市が建設され、「一園一群四大産業」の局面が形成される見通しだ。「一園」とは、国家級の森林公園の建設を指す。「一群」とは、国家級、さらには世界級の重大科学装置と実験室をさらに誘致し、国家実験室群を構築・運営することを指す。「四大産業」とは、CSNSの放射効果を活用し、新材料産業・民間用核技術産業・生物医薬産業・科学技術サービス産業を発展させ、CSNSの科学技術成果の転化を促進することを指す。