2014年世界のIC設計企業トップ50に中国企業9社がランクイン
2015年 6月11日(中国総合研究交流センター編集部)
OFweek電子工程網によると、市場調査会社のIC Insights社の最新の統計では、2014年の世界大手ファブレスICメーカートップ50社に中国メーカー9社がランクインしている。この数は2009年時点では1社であったが、この9社のうち5社が現在活況するスマートフォン市場を重点としている。
IC Insights社は、中国のファブレスICメーカーの産業規模は依然比較的小規模で、2014年の総収益はトップ50社の総収益(約805億ドル)の8%に過ぎないものの、中国のファブレスIC業界の成長は著しく、かつ戦略性に富んでいるとしている。また、中国メーカーが占めるファブレスICメーカートップ50社の収益総額における市場占有率は、ヨーロッパと日本両地域の合計の2倍とも指摘している。
一方、アメリカは2014年のファブレスICメーカートップ50社に19社がランクインしており、トップ50社の総収益の64%を占めた。日本を見るとこの数字は1%で、韓国など他の国の市場占有率は6%だった。
IC Insights社のBill McClean総裁は、中国政府と現地産業界のリーダーらは、半導体産業を産業発展の戦略的重点分野に掲げ、ウェハー代理生産工場からファブレスICデザイン企業へ転換を図り、Spreadtrum社はこの産業戦略を最も象徴する成功例となったと語る。Spreadtrum社は中国が統合したいくつかのファブレスメーカーの一つで、昨年9月にインテル社から計15億ドルの投資を獲得している。
IC Insights社は「中国は90年代末にウェハー代理生産工場の形で本土でのIC製造産業の勢力拡大に勤しんでいたが、所期の目標を達成でいないでいる。しかし、中国政府は依然国内で活力あるIC産業環境の構築を進めており、新たなファブレスメーカーの構築もその戦略の一つだ」と指摘する。
また、中国政府の計画では、半導体産業に195億ドル投資し、中国の地方政府や投資家から974億ドルの資金を調達するという。「この投資規模により今後世界のICチップサプライヤーの市場構造が大きく変化する可能性がある」とIC Insights社は予測している。
中国はここ数年、次なる半導体産業界の強力なプレーヤーとみなされているが、これまでのところ具体的な成果はあがっていない。現段階では、中国の電子産業分野の影響力は主として消費者としての立場であり、回路基盤、システム製品の組み立て屋に留まっている。しかし、中国のウェハー代理生産業界の成長が遅く、ファブレスIC業界がいまだ初期段階にあるにしても、専門家の目には中国は軽視できない潜在力のある存在として映っているようだ。
本記事はOFweek(中国高科技行業門戸)より許可を得て翻訳・転載したものである。
原文:http://ee.ofweek.com/2015-01/ART-8120-2801-28922552.html