第136号
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中国における肉用牛繁殖の効率と影響因子の分析(その2)

2018年1月26日

石自忠: 中国農業大学経済管理学院

博士課程大学院生。研究方向は牧畜業経済と農業技術経済

王明利: 国農業科学院農業経済・発展研究所 研究員

博士課程指導教員。研究方向は牧畜業経済と農業技術経済。

胡向東,崔姹: 国農業科学院農業経済・発展研究所

その1よりつづき)

2 結果・分析

2.1 肉用牛繁殖の投入産出の変化の趨勢

 表1は、河南・黒竜江・寧夏・陝西・新疆の肉用牛主要生産5省区の肉用牛繁殖の投入産出情報を示したもので、牛肉生産量と繁殖雌牛飼育頭数、物資費用、労働力投入量の4つの指標を含む。

表1 肉用牛繁殖の投入産出情報
Table 1 Input and output information of beef cattle breeding.
地域 Region 年 Year 牛肉生産量
(万t)
Beef production
(104t)
繁殖雌牛飼育頭数
(万頭)
Cow inventory
(104head)
物資費用
(万元)
Material cost
(104yuan)
労働力投入量
(万d)
Labor
(104d)
河南
Henan
1999 82.21 1 300.61 734 579.30 29 659.35
2005 100.78 1 423.92 912 449.60 19 801.86
2010 83.05 1 044.69 021 558.00 13 423.18
2014 82.10 905.11 317 480.00 10 303.02
年平均成長率
Average growth rate per annum
-0.01% -2.39% 10.57% -6.81%
黒竜江
Heilongjiang
1999 27.29 456.60 241 885.60 6 731.65
2005 31.11 532.77 451 725.10 4 042.21
2010 39.04 533.20 1 557 050.00 2 993.05
2014 40.60 495.38 2 599 679.00 2 796.80
年平均成長率
Average growth rate per annum
2.68% 0.54% 17.15% -5.69%
寧夏
Ningxia
1999 2.98 52.82 21 180.25 191.85
2005 5.20 85.65 57 595.56 534.62
2010 7.49 92.05 164 356.70 629.65
2014 8.80 95.80 316 171.10 680.92
年平均成長率
Average growth rate per annum
7.49% 4.05% 19.75% 8.81%
陝西
Shaanxi
1999 6.72 239.37 50 195.99 4 457.70
2005 11.87 300.9 126 619.70 2 992.29
2010 7.3 169 203 878.50 836
2014 7.7 143.13 348 126.30 879.34
年平均成長率
Average growth rate per annum
0.91% -3.37% 13.78% -10.26%
新疆
Xinjiang
1999 20.61 364.29 237 287.00 1 446.37
2005 34.22 482.3 468 918.30 3 369.53
2010 35.47 330.8 927 784.30 2 372.76
2014 39.2 371.14 1 876 920.00 2 726.77
年平均成長率
Average growth rate per annum
4.38% 0.12% 14.78% 4.32%

 表1からわかるように、1999年から2014年までの間(サンプル量は繁殖雌牛データの処理によって縮減、以下同様)、河南省を除いた4省区の牛肉生産量はいずれも増加の傾向を示した。河南は年平均0.01%減少し、黒竜江と寧夏、陝西、新疆は年平均2.68%、7.49%、0.91%、4.38%増加した。繁殖雌牛の飼育頭数から見ると、河南と陝西は減少の傾向にあるが、その他の3地域はそれぞれ0.54%、4.05%、0.12%の年平均成長率を示した。主要生産5省区の肉用牛繁殖の物資費用はいずれも増加の傾向を示し、寧夏の成長が最も速く、年平均成長率は19.75%に達し、黒竜江と新疆、陝西がこれに続き、河南の投入の成長率は比較的低かった。寧夏と新疆を除くその他の3地域の肉用牛繁殖の労働力投入量はいずれも減少の傾向を示し、河南と黒竜江、陝西では年平均6.81%、5.69%、10.26%の減少となった。

2.2 肉用牛繁殖の技術効率性分析

2.2.1 モデル推計結果

 肉用牛繁殖の確率的フロンティア生産関数の推計結果は表2の通りである。このモデルの中では、技術進歩を除くその他の変数はいずれも、有意性検定を通過しており、モデルの解釈能力が比較的高いことがわかる。このほか技術無効項γはP<0.01水準下の有意性検定を通過し、係数値は比較的高く、0.9928に達した。肉用牛繁殖の実際の産出と理論的な産出との差が生産の低効率と関係していることを意味しており、確率的フロンティア生産関数を利用してその技術効率性を分析する必要がある。

表2 肉用牛繁殖の確率的フロンティア生産関数による推計結果
Table 2 Estimate results of beef cattle's stochastic frontier production function.
注:**はP<0.01水準で有意であることを示す。
Note:** indicates significance at P<0.01 level.
変数
Variable
係数
Parameter
係数値
Parameter value
標準誤差
Standard error
P 統計値
P statistics value
定数項 Constant term β0 -3.849 5** 0.519 3 0.000 0
繁殖雌牛飼育頭数 Cow inventory β1 0.451 7** 0.060 4 0.000 0
物資費用 Material cost β2 0.239 1** 0.043 5 0.000 0
労働力投入量 Labor β3 0.182 9** 0.027 5 0.000 0
技術進歩 Technical progress β4 0.004 6 0.005 5 0.410 0
σ2   0.637 4 4.764 0  
γ   0.992 8** 0.054 0  

 要素投入の弾性係数から見ると、繁殖雌牛飼育頭数の弾性が最大で、0.4517に達した。肉用牛生産の成長は繁殖雌牛に大きく頼っており、雌牛の繁殖は肉用牛産業発展の土台であり、良質な母牛は産業の急速な発展の第一の条件となることを意味する。繁殖雌牛の飼育頭数が1%高まるごとに、牛肉生産量は0.4517%増える。労働力投入の弾性係数から見ると、1%の労働力投入を増加するたびに、牛肉生産量は0.1829%増え、その弾性係数は正値となる。これは、中国の肉用牛産業が現在のところまだ労働集約型産業に属しており、労働力投入の増加がまだ大幅に牛肉生産の増加を推進できることを示しており、現在の肉用牛繁殖が伝統的な放し飼いを中心としていることと密切に関係している。物資費用の投入産出の弾性係数は正値である。これは、幼い家畜や飼料、固定資産減価償却、用水費、燃料動力費、医療・伝染病予防費、技術サービス費などを主とする物資費用が、肉用牛繁殖に積極的な影響を持っていることを示す。その弾性係数は0.2391であり、これは、同費用を1%増やすごとに、肉用牛の産出が0.2391%増えることを意味する。技術進歩の回帰係数はプラスだった。これは技術進歩が牛肉生産を推進させる作用を持つことを意味するが、その作用は顕著ではない。主要原因は、伝統的な肉用牛繁殖モデルでは、新型技術の普及・利用が十分でなく、産業の科学技術による下支えが依然として不足していることにある。

2.2.2 技術効率性の分析

 表3は、1999年から2014年までの河南・黒竜江・寧夏・陝西・新疆5省区の肉用牛繁殖の技術効率性を示したものである。総体的に言って、1999年から2014年までの中国の肉用牛繁殖の平均技術効率性は比較的高い水準にあり、0.8137に達した。

表3 1999-2014年の5省区の肉用牛繁殖技術効率性
Table 3 Technical efficiency of beef cattle breeding in five provinces (municipalities) from 1999 to 2014.
注:「-」は不均衡パネルデータによるデータの欠損を示す。
Note:"-"indicates the missing data based on the unbalance panel data.

Year
河南
Henan
黒竜江
Heilongjiang
寧夏
Ningxia
陝西
Shaanxi
新疆
Xinjiang
平均値
Average value
1999 0.956 9 0.807 2 0.783 1 0.539 4 0.978 3 0.813 0
2000 0.956 9 0.807 3 0.783 2 0.978 3
2001 0.956 9 0.807 4 0.783 3 0.978 3
2002 0.957 0 0.807 5 0.783 4 0.540 1
2003 0.957 0 0.807 6 0.783 6 0.540 3
2004 0.957 0 0.807 7 0.783 7 0.540 5
2005 0.957 0 0.807 8 0.783 8 0.540 7 0.978 4 0.813 5
2006 0.957 1 0.807 9 0.783 9 0.540 9 0.978 4 0.813 6
2007 0.957 1 0.808 0 0.784 0 0.541 1 0.978 4 0.813 7
2008 0.957 1 0.808 1 0.784 2 0.541 3 0.9784 0.813 8
2009 0.957 1 0.808 2 0.784 3 0.541 5 0.978 4 0.813 9
2010 0.957 2 0.808 4 0.784 4 0.541 8 0.978 4 0.814 0
2011 0.957 2 0.808 5 0.784 5 0.542 0 0.978 4 0.814 1
2012 0.957 2 0.808 6 0.784 6 0.542 2 0.978 5 0.814 2
2013 0.957 2 0.808 7 0.784 8 0.542 4 0.978 5 0.814 3
2014 0.957 3 0.808 8 0.784 9 0.542 6 0.978 5 0.814 4
平均値
Average value
0.957 1 0.808 0 0.784 0 0.541 2 0.978 4 0.813 7

 時間分布から見ると、表中に示された各年度の5省区の技術効率性の平均値からは、中国の肉用牛繁殖の技術効率性は年々上昇する傾向にあるが、成長速度は比較的ゆっくりであることがわかる。1999年の中国の肉用牛繁殖の技術効率性は0.8130で、その後は年々上昇し、2014年には0.8144に達し、技術効率性の年平均成長率は0.0118%だった。省区別の近年の技術効率性の推移状況を見ると、いずれも上昇し続ける傾向にあることがわかる。1999年には比較的低い水準にあり、河南・黒竜江・寧夏・陝西・新疆の肉用牛繁殖の技術効率性はそれぞれ0.9569、0.8072、0.7831、0.5394、0.9783で、その後はいずれも年々上昇し、2014年には5省区の技術効率性はいずれも比較的高い水準に達し、最高は新疆の0.9785、最低は陝西の0.5426だった。5省区の肉用牛繁殖の技術効率性の年平均成長率はそれぞれ0.0028%、0.0135%、0.0154%、0.0388%、0.0014%で、このうち陝西と寧夏の技術効率性の成長率は比較的高かった。肉用牛繁殖の技術効率性の成長速度が遅い原因としては主に、次の二つが挙げられる。第一に、研究で用いられた基礎データは農家の放し飼いに基づくもので、伝統的な放し飼いモデルの下での技術効率性の状況が主に反映されている。長期にわたって、農家の肉用牛繁殖の技術や管理などはいずれも大幅には向上しておらず、労働力の素養や新型の観念なども明らかには改善しておらず、依然として伝統的な繁殖方式が中心となっており、肉用牛繁殖効率の急速な向上は大きく抑制されている。第二に、自身の要素の制限から、多数の地域の肉用牛繁殖効率の向上はすでに、その急速成長期を過ぎ、成長の飽和期に入り始めている。技術効率性はまだ急速な向上が可能な状況にはない。生産段階の各レベルでの新たな質的なブレークスルーを実現して初めて、技術効率性の急速な成長を再び迎えることができる。

 空間分布から見ると、地域ごとの肉用牛繁殖の技術効率性に大きな差異があることがわかる。各地域の1999年から2014年までの技術効率性の平均値から見ると、5省区はそれぞれ0.9571、0.8080、0.7840、0.5412、0.9784で、新疆の肉用牛繁殖の技術効率性が最も高く、河南と黒竜江がこれに次ぎ、寧夏と陝西が最も低かった。異なる年の各地域の技術効率性の状況もこれと一致した。1999年の技術効率性は新疆と河南が最高でそれぞれ0.9783と0.9569、黒竜江の0.8072がこれに続き、最低は寧夏と陝西でそれぞれ0.7831と0.5394だった。2014年になると、5省区の技術効率性はいずれも高い水準に達したが、5省区の技術効率性のランキングには変わりはなかった。総体的に見て、新疆や河南などの技術効率性の比較的高い地域は、伝統的な牧畜業発展優勢地域に位置し、飼料や労働力などの比較的良好な資源賦存に恵まれ、生産技術や産業発展モデルなどの面でもその他の地域に対して優位にあることから、肉用牛生産の技術効率性が比較的高くなる。

2.3 肉用牛繁殖効率の影響因子の分析

 肉用牛繁殖の技術効率性の影響因子の推計結果は表4の通りである。

表4 肉用牛繁殖の技術効率性の影響因子の推計結果
Table 4 Estimate results of beef cattle technical efficiency's influence factors.
注:**はP<0.01水準で有意であることを示す。
Note:** indicates significance at P<0.01 level.
変数
Variable
係数
Parameter
係数値
Parameter value
標準誤差
Standard error
P 統計値
P statistics value
定数項 Constant term ω0 -0.240 7 0.163 0 0.140 0
繁殖密度 Breeding density ω1 0.070 9** 0.013 3 0.000 0
伝染病リスク Disease risk ω2 -0.027 3** 0.009 4 0.004 0
産業優勢 Industry advantage ω3 0.243 7** 0.018 9 0.000 0
飼料構造 Feeding structure ω4 -0.103 4** 0.033 2 0.002 0
資本設備 Capital equipment ω5 0.058 8** 0.010 3 0.000 0
繁殖周期 Feeding cycle ω6 -0.032 5 0.020 3 0.110 0
農業機械化 Agricultural mechanization ω7 0.109 7** 0.006 9 0.000 0

 表4からは、考察した7つの要素のうち、繁殖周期を除くすその他の要素がいずれも、肉用牛繁殖の技術効率性に対して極めて顕著な影響を及ぼすことがわかる。肉用牛繁殖の技術効率性に対しては、繁殖密度や産業優勢、資本設備、農業機械化が極めて顕著な正の影響を持ち、伝染病リスクと飼料構造が極めて顕著な負の影響を持つ。繁殖密度の上昇によって肉用牛繁殖の技術効率性を有効に高められることは、肉用牛繁殖に規模の経済が存在することを表している。肉用牛繁殖が放し飼いを中心に実現されているという現在の条件の下では、肉用牛繁殖の密度を適度に高め、大規模化水準を高めることが重要となる。産業優勢は、伝統的な繁殖大省の優勢を代表している。肉用牛産業の牧畜業における地位が高いほど、産業発展の土台の優勢があることを示し、産業発展モデルや生産管理、技術利用などの面で備える優勢は、肉用牛繁殖の技術効率性の向上に利するものとなる。同様に、資本設備の水準が高いほど、肉用牛繁殖効率は高く、近代的な肉用牛繁殖においてはこの要素がとりわけ際立っている。農業機械化水準の向上は肉用牛繁殖の技術効率性の推進を助けるものとなり、これには二重の推進作用がある。第一に、肉用牛繁殖過程における機械化水準の向上は繁殖効率を有効に高め、これは内在要素と言える。第二に、農業機械化水準の向上は、役用牛を放出する作用を形成する。肉用牛産業は伝統的な役用の束縛を脱し、その中から完全に解放され、肉用牛産業の発展はより活力を備えたものとなり、近代化に向けたモデル転換が推進される。

 伝染病の予防・制御は肉用牛繁殖において重視しなければならない重要な部分であり、伝染病リスクは肉用牛繁殖農家に巨大な損失をもたらし得る。口蹄疫や狂牛病などの伝染病の多発は、肉用牛産業の安定的な発展に不利に働き、肉用牛繁殖の技術効率性を高めることもできなくなる。肉用牛繁殖過程においては伝染病予防対策が非常に重要となる。このほか飼料構造は肉用牛繁殖の技術効率性に対して際立ったマイナスの作用を持っている。飼料構造における濃厚飼料の比重が高いほど、肉用牛生産に不利であり、その技術効率性の向上が一定程度抑制されることを意味する。肉用牛は草食家畜であり、濃厚飼料はその成長に重要な推進作用を持つが、濃厚飼料を過度に使用しても肉用牛の繁殖効率を有効に高めることはできない。飼料構造を科学的・合理的に調整し、青刈飼料とりわけ良質な牧草の比重を高めることが重要である。繁殖周期は肉用牛生産の技術効率性に対して有意な影響を持たないものの、パラメーターはマイナスであり、繁殖周期を高めることは肉用牛繁殖効率の向上には不利に働くことがわかる。伝統的な農家による放し飼いモデルの下では、科学的な肥育や適時・適切な出荷がカギとなる。

3 検討と提案

 技術効率性の算定結果からは、中国の肉用牛繁殖の平均技術効率性が比較的高い水準にあることが見て取れる。だが近年、肉用牛繁殖の技術効率性の成長速度は緩慢となっている。肉用牛繁殖の技術効率性の向上がボトルネック問題に直面しており、関連措置を通じて技術効率性を高める必要がある。また技術効率性には顕著な地域差異性が存在しており、各地域の肉用牛繁殖の土台はまちまちであることがわかる。各地域の肉用牛産業の協調発展を確保するための対策を打ち出すことがカギとなる。このほか、肉用牛繁殖の技術効率性に対しては、繁殖密度や産業優勢、資本設備、農業機械化が顕著な正の影響を持ち、伝染病リスクと飼料構造が顕著な負の影響を持つ。肉用牛繁殖の技術効率性の向上に対しては、繁殖密度の合理的な調整や産業優勢の継続的推進、資本設備水準の強化、農業機械化水準の向上、肉用牛の伝染病の科学的な予防、飼料構造の改善が、積極的な作用を持つことが見て取れる。

 中国の肉用牛繁殖の技術効率性を高め、肉用牛産業の安定的な発展を確保するため、以下の政策提案を行う。

 ①中国の肉用牛繁殖の技術効率性の現状に基づき、肉用牛産業の科学技術面での投入を拡大し、肉用牛繁殖の科学技術革新を引き続き推進し、繁殖者の生産能力の向上を推進し、産業の技術水準を積極的に高め、肉用牛産業の社会化サービス体系を整備する必要がある。技術効率性が比較的低い寧夏や陝西などの地域に対しては、肉用牛繁殖段階の関連する支援と優遇を繁殖者に優先的に与え、肉用牛繁殖の整った保障メカニズムを構築し、弱い地域の肉用牛産業の安定的で持続可能な発展を推進する。同時に、新疆や河南、黒竜江などの技術効率性が比較的高い地域に対しては、産業科学技術の発展を引き続き強化し、優勢地域のモデル効果を発揮させ、地域間の協力メカニズムを構築し、全国の肉用牛産業の共同発展を推進しなければならない。

 ②肉用牛繁殖の技術効率性に影響する数多くの要素に基づき、肉用牛繁殖の大規模化や地域化のプロセスを引き続き最適化し、主要生産地域の肉用牛産業の発展を推進し、関連支援政策の多くの肉用牛主要生産地域へとの傾斜を確保する必要がある。肉用牛産業の資本化水準を強化し、新型経営主体による肉用牛繁殖の大規模な発展を支援し、労働集約型から資本集約型産業への早期のモデル転換を推進する。農業の機械化を引き続き推進し、関連する支援政策を打ち出し、役用牛の肉用牛への転換を絶えず進めると同時に、肉用牛産業内部の機械化発展を推進する。同時に、肉用牛繁殖に対する飼料構造の重要さを強調し、濃厚飼料産業に対する肉用牛産業の依存度を適切に引き下げ、西北・西南・東北の3大草業優勢地域と連携し、牧草産業の発展を大いに推進し、肉用牛主要生産地域で率先して「粮+経+飼+草」(食糧作物、経済作物、飼料作物、牧草)の四元的な栽培構造を実現し[24,25]、肉用牛産業の生産効率を高める必要がある。このほか肉用牛産業のリスク警戒メカニズムを構築し、伝染病や市場などのリスクのモニタリングと通知のシステムを整備し、市場参入者による合理的な生産配置を保障する必要がある。

(おわり)

参考文献:

[24]. 石自忠, 王明利. 基于因子分析法的草業生産優勢区域研究[J].中国農業資源與区劃, 2014, 35(2):95-101.
Shi Z Z, Wang M L. Research on the dominant production region of grass industry based on factor analysis [J]. Chin. J. Agric. Res. Regional Planning, 2014, 35(2):95-101.

[25]. 王明利. 有効破解粮食安全問題的新思路: 着力発展牧草産業[J].中国農村経済, 2015(12):63-74.
Wang M L. A new approach to ensuring China's food security: Developing forage industry [J]. Chin. Rural Econ., 2015(12):63-74.

※本稿は石自忠,王明利,胡向東,崔姹「我国肉牛養殖効率及影響因素分析」(『中国農業科技導報』2017年第19卷第2期、pp.1-8)を『中国農業科技導報』編集部の許可を得て日本語訳・転載したものである。>記事提供:同方知網(北京)技術有限公司