第141号
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産業生態系を再構築し、自動運転実現を加速

2018年6月26日 劉垠(科技日報記者)

GIV2018年グローバルスマートカー最先端サミットで専門家が討論―

 2017年には世界の電気自動車(EV)販売量が129万台に達し、中国は約78万6千台で6割を占めた。自動車の電動化はあらがうことのできない流れであり、自動車のスマート発展を後押しし、自 動車スマート化の基礎を打ち立てたといえる。

 6月20日、中国電気自動車百人会が主催するGIV2018年グローバルスマートカー最先端サミットで、大勢の専門家が講演の中で上記のデータを引用した。こ こから電気自動車の力強い発展がスマートカーの成長にとってプラス要因になることがうかがえる。

 国家情報センターの徐長明副センター長は、「電気自動車の発展はスマートカーに影響をもたらし、さらにスマートカーの発展は新エネルギー自動車の発展を促進する。政策とニーズという側面から考えると、中 国は他の国よりスマートカーが発展しやすい土壌があるといえる。スマートカーの潜在的ニーズは大きく、カーシェアリングの発展ペースも速く、今後はハイクラス自動運転車との相互連動が実現するだろう」と述べた。 

 深圳市委員会常務委員を務める深圳市人民政府の劉慶生常務副市長は、「深圳は全国で初めて新エネ車のモデル事業を普及推進したモデル都市であり、全国に先駆けて公共交通の大型バスの100%電 動化を実現し、世界で新エネ車の産業チェーンがよく整った都市の一つになった。次世代IT(情報技術)と新エネ車が融合して、スマートカーとスマート交通システムの安全、便利、高 効率かつグリーンな運営に力強い保障を与えたとともに、今後はより多くの人が期待を寄せる技術と経済の成長源になるとみられる」と主張した。

 また同済大学の余卓平学長補佐は、「ITに力強く背中を押されて、スマートカー技術の研究開発が新たなブームを巻き起こした。ただ現在の自動運転はまだ成熟しておらず、多くの不確定性にも直面している。『 車、道路、クラウド』が一体化したスマートネットワーク交通システムの推進を加速する必要がある」との見方を示した。

 現在、世界の大手自動車メーカーは自動運転の発展計画を次々に打ち出しており、フォルクスワーゲン(VW)、ベンツ、BMWなどもEVと自動運転技術の発展を加速させる。テ スラは業界最速で2019年にハイレベルタイプ(L4またはL5)の自動運転車を打ち出す予定で、中国の蔚来汽車も20年にハイレベルタイプ(L4またはL5)の自動運転車を打ち出すとしている。

 百人会の張永偉事務局長兼首席専門家は、「自分が心配するのは、スマートカーの革命的な勢いをどのようにしてしっかりと把握するか、過去に新興産業の発展初期によくみられた、投資が徐々に減っていき、低 レベルで固定するといった問題の発生をどのように防ぐかだ。スマート分野は世代交代のペースが非常に速い。投資家から投入された資金が、研究開発分野により多く充てられること、次 世代の技術により多く充てられることを願う」と語った。

 百人会は最近、スマートカー産業についての調査研究を実施した。張事務局長は、「1つの産業が真に成長を遂げるには、飛躍的に前進する研ぎ澄まされた力が必要であり、整った産業生態系が必要だ。ス マートカー産業は再編が急務で、業界は完成車工場を地図、操作システム、重要なチップ、重要な部品といった見えにくい部分とどのように連動して発展させるかを考えなければならない」と述べた。

 比亜迪汽車の王伝福会長はこうした見方に賛意を示すとともに、「自動車産業は開放されなければならない。各種のイノベーション(革新)や産業がこの分野に進出し、ス マート生態協力プラットフォームを共有し、スマートカーの開放的発展を後押しするようにしなくてはならない」と訴えた。

 その上で徐副センター長は、「スマートカーの発展は一連の課題にも直面している。課題の最たるものは自動運転車と非自動運転車とが混在する交通事情で、両 者が同時に存在することによる問題が着実に解決されなければ、自動運転車はなかなか現実のものにはならない」との見方を示した。

 一方、張事務局長は「車両だけではスマート化への発展を牽引することはできない。車、道路、都市が同時にスマート化することが必要になる。スマート化の時代に、私たちは重要技術で飛躍を達成し、進 んだ技術の準備、進んだインフラの整備、進んだ規制の設定をすることができなければ、スマートカーの産業化応用と革新を支える生態システムを世界の中で迅速に構築することはできない」と主張した。

(科技日報深圳6月20日電)


※本稿は、科技日報「重構生態圏,加速自動駕駛落地」2018年6月21日付,第03版を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。

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