2009年07月01日-07月03日
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「中華海洋本草」、5年の歳月をかけて完成

2009年07月03日

 上海科学技術出版社は1日、1500万字にのぼる「中華海洋本草」全9巻が5年の歳月をかけてついに完成したと発表した。同出版社から上海と北京で同時刊行される。新華社のウェブサイト「新華網」が 1日に伝えた。

 海洋本草(生薬)研究は現在、世界の医薬界でも注目を集め、重視されてきている。しかし、中国古代と現代における海洋本草の応用・研究を累積した文献やデータ、資料、情報は膨大な古籍や地方誌、典籍、刊 行物或いはデータバンクに分散しているため、中国の海洋本草の発展や研究成果をまとめた権威ある著作の編纂が、内外の中医薬研究に携わる機関や学者の願いだった。

 05年に国家海洋局は「中華海洋本草」の編纂を「近海海洋の総合調査と評価」の「908プロジェクト」に盛り込んだ。編纂メンバーには、中 国工程院アカデミー会員で元中国海洋大学学長の管詩華教授を筆頭に、全国40余の大学と研究機関で中医薬学・海洋微生物学・微生物学・化学・薬理学などを専門とする学者300人余りが選ばれ、5 年の歳月をかけて編纂にあたり、10年前に出版された「中華本草」の姉妹編がついに完成した。

 全9巻は、伝統医学の真髄を体現した5巻と現代情報と今後の薬源をまとめた4巻からなる。海洋の薬用生物の品種および薬源微生物2000種(株)余が収録、2500余の写真やイラストが使われている。

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