2009年07月20日-07月24日
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中国初 30分のコロナ連続画像を入手

2009年07月23日

 皆既日食は、太陽コロナを観測する絶好の機会だ。「2009年中国皆既日食プロジェクト」の責任者で江蘇省天文学会秘書長の李旻氏は22日、今 回の皆既日食の観測で30分にわたるコロナの連続画像が撮影できたと述べた。新華社のウェブサイト「新華網」が22日伝えた。

 これは中国の天文学界にとって初めてのことで、世界の天文学界でも稀に見ることだという。

 22日、500年に一度の皆既日食が観測された。皆既日食帯にある多くの地域では天候に恵まれなかったが、紫 金山天文台などの研究機関では全国の西から東に15カ所の観測地点を設けたことにより大きな収穫を得た。

 紫金山天文台は、南京大学天文学部と中国科技大学地球宇宙科学学院と協力し、日食の中心ラインに沿って日食過程の2分間隔に観測地点を設置、それぞれ15カ所の観測地点で撮影された資料をつなぎ、4 0分間にわたるコロナの連続画像を作成するという「2009年中国皆既日食中心ライン連合観測プロジェクト」構想を打ち出した。

 午前9時12分42秒、重慶市合川で一枚目のコロナ画像が撮影。続いて、万州、宜昌、羅田、潜山、武漢、宣城、舟山、上海でも次々とシャッターが切られ、午前9時42分、上 海の観測地点で最後の一枚が撮影され、プロジェクトの成功が宣言された。

 プロジェクトの参加者は、「今回の観測では成果があったものの、これからの作業はさらに手間ひまがかかり、きちんとしたデータが出るまでに少なくとも1年はかかる」と述べた。

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