2009年09月01日-09月04日
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中国の火星探査機、10月に打ち上げ 2010年に火星軌道に

2009年08月31日

 このほど大連で行われた中国宇宙科学学会第7回学術年会で、中国初の火星探査機「蛍火1号」が10月上旬に打ち上げられることが発表された。新華網が30日に伝えた。

 「蛍火1号」は中国・ロシアによる共同火星探査計画により打ち上げられる。発射を担当するロシア側は現在、正確な発射時間を発表してはいないが、年会に参加した北京大学地球・宇 宙科学学院の焦維新教授が明らかにしたところによると、中国側の専門家が掌握している状況では、おそらく10月上旬に発射されるという。

 焦教授によると、最終的な発射時間は、キャリアロケットの準備状況および天候状況によって確定されるため、ロシアは現在、発射時間を確定することができないという。

 科学技術部により「蛍火1号」プロジェクトが立ち上げられたとき、焦教授は審議専門家の1人だった。焦教授によると、「蛍火1号」は早くにロシアに運ばれ、調整が行われているという。全 ての衛星は発射前にバーチャル実験室で各方面の性能チェックが行われる。その後、発射場に運ばれた後もさらに通電テスト、各部品のテストなどが行われる。

 中国による自主的な火星探査機の発射時期について、焦教授は「中国は自主的な発射条件をまだ備えていない。現在のキャリアロケットをアップグレードする必要がある。また、中国は現在、独 自の火星探査計画を明確に定めていない。もし現在、火星探査計画実施を決定したとすれば、2018年-2020年までの間に中国が独自に火星探査機を発射する準備を整えることが出来るだろう」と述べた。

 計画に基づき、「蛍火1号」はロシアの探査機「フォボス・グラント」と共に打ち上げられる。火星に近づいた後、2つの衛星は切り離され、「フォブス」は火星の衛星を調査を行い、「蛍火1号」は 火星軌道に入る予定だ。

 焦教授によると、衛星の発射から「フォボス・グラント」との切り離しまでの段階は、衛星の観測・制御をロシアが担当する。火星軌道に乗った後は中国が観測・制御を担当するという。

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